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11三人でえっち
しおりを挟むシグラはもう、射精することしか考えられなかった。
快楽は過ぎると苦痛に変わる。今だって後ろからクガイの熱を挿入されて、その上シグラが膝立ちになったことでさらに深く奥を抉っている。それが絶妙にいいところに触れて、動いてほしくてたまらないのだ。
シグラが微かに腰を揺らすと、耳元で「こら」とクガイにたしなめられた。いったい何をしているのか、レシアが入ってきてからクガイはまったく動いてくれない。
「レシア」
クガイが呼びかける。すると少しの後、レシアが呼ばれるままにベッドに乗り上げた。
クガイはともかく、レシアがベッドに上がるのは初めてのことである。珍しいなと思っていると、レシアはなんと服を脱ぎ始めた。
「……レシア……?」
「シグラ様、見てあげて。レシアはね、シグラ様のが欲しくて発情しているんですよ」
レシアが、発情。
それはレシアにはあまりにも不似合いな言葉だけれど、躊躇いもなくシャツをはだけて前を寛げるその仕草には、「発情している」ということも納得である。
表情もとろりととろけていた。普段はかちりとしたイメージの堅物そうな男だ。決して表情を溶かすような印象はない。けれども今は自ら服を脱ぎ、下を勃起させている。ボクサーパンツが下ろされると、それがぶるりと勢いよく飛び出した。
レシアがシグラを欲しがっている。そんな現実が嬉しくてじっとそちらを見つめていると、クガイが微かに腰を揺らした。
「……あ、ん! やだ、クガイ、まっ……」
軽く奥を突かれると、意識がすぐに後ろに持っていかれる。
しかし落ち着けば、視界には発情したレシアが居る。どこに意識を置いても情欲をかき立てられるこの状況に、シグラの体はさらに昂っていく。
「シグラ様……シグラ様の、これを……」
「ん、あっ……」
服を脱いだレシアがシグラの勃起したそれを優しく撫でると、後ろがきゅっと締まった。
「私のナカに……」
「……はー……すげえっすよ、シグラ様。チョーカー結構効いてます。前ほど匂いません」
「あ、う、レシア……待って、今触ったら、イく、」
「それはもったいない」
レシアはすぐに自身の指を後ろに回すと、すでにぐっしょりと濡れているそこに指を入れた。
セックスをしたことはないが、自慰なら経験はある。挿入に慣れたそこは、すんなりと指を受け入れた。
「……シグラ様、今からオメガのナカに挿れるんですよ」
「……な、か……?」
「そうです。……ほら見て、レシアの顔。とろけてるでしょう。ナカが気持ちいいんですよ……シグラ様も知ってますよね?」
ごちゅ、と奥を突き上げられて、シグラは喉の奥から息を漏らした。
奥は気持ちがいい。突かれるとたまらない。そんなこと、シグラが一番良く分かっている。
「でもシグラ様は前からの快楽も欲しいんすよねえ」
「……ん、動いて、クガイ、イきたい、出したいぃ……」
「いいですよ、ほら」
すっかり熟れた表情のレシアが、自身の胸の飾りをいじり、後ろを解して自慰をしていた。
禁欲的なイメージのレシアからは想像もできない顔だ。気持ちがいいのか声を漏らし、オメガとは思えないたくましい体をよじらせている。
レシアはずっと、食われたいと願う雌の顔をしていた。
やがてレシアはシグラの前に脚を開いて座ると、ほぐれた蕾を見せ付けるように尻を開く。
どろりと蜜液の溢れる蕾。そこはひくりと収縮して、シグラの熱を待っている。
「あそこに挿れてあげてください」
後ろから、クガイが腰を押し進めた。
すると体勢は前のめりに変わり、横になったレシアの上にシグラが覆いかぶさる。レシアは怯える様子もなくシグラを抱きしめると、味わうように唇を重ねた。
「レシア……待って……ん、」
くっつけては、離して。数度それを繰り返したレシアは、シグラのそれを掴むと、自身の蕾に先端をあてがった。
「……シグラ様……挿れて、ください……」
後ろにはクガイのモノが入っている。前にはレシアの蕾がある。
溶けそうな快楽ですでにシグラの思考は回らないのに、これ以上があると思えば拒否する理由もない。
シグラは射精がしたかった。後ろの快楽は狂いそうなほど気持ちが良いけれど、それでも射精の快楽も忘れられない。
それが二つ同時にくるなんて、どれほどのものがシグラを襲うのだろう。
シグラはゆっくりと腰を押し込む。
すると一番太い先端が、あっという間にナカにのまれた。
「う、あっ……あつ、い……」
「あー……締まる。シグラ様、手加減して」
「ああ、これがシグラ様の……」
ぐぐぐ、と奥に奥に進むそれを、レシアはすべて受け入れた。
奥にシグラが居る。それだけで快楽が突き抜けて、レシアのナカは締め付ける。
「ひ、あ、レシア……気持ち、い、ナカ、ん、あっ!」
同時に、後ろからイイところを突き上げられた。
前が生温い肉に包まれているというのにそんなふうに追い詰められて、シグラは我慢もできずに精を吐く。
ずっと溜まっていた精液が吐き出される快感。それに体を大きく揺らして、倒れそうになったところを後ろからクガイに抱き留められた。
「うっわ、ガックガク。シグラ様、生きてますか。トんだんすか」
「あ、う……気、持ち、い……やだ、も……むり……」
「はぁ……ナカにシグラ様の……もっと出してください」
うっとりとしたレシアは一度シグラのモノを抜くと、体勢をくるりと変える。今度はシグラに背を向けて尻を突き出すと、まだ勃起しているそれを一気に自身のナカに押し込んだ。
「ああ、ん、気持ち、いい、です……!」
「ひ! ぐ、あ! や、だ、もう、」
「はー……やべ。そろそろ動きますね」
クガイが後ろからリズムよく突き上げると、ナカを擦られるたびに快楽が生まれた。しかしそれに浸る間も無く、前のレシアが腰を揺らす。シグラのモノをナカで激しく擦り上げ、射精をうながすようにうねるのだ。
前と後ろからの容赦のない動きに、シグラはただ震えるばかりだった。
もう出したくない。快楽はいらない。気が狂いそうだ。
ぐちゅぐちゅという音が腹の奥から聞こえてくる。これはシグラの腹から聞こえるのか、レシアの腹から聞こえているのか。狂いそうな脳みそでは何も分からなくて、シグラは気を失いそうな快楽の中、抵抗する余力もない。
「あっ、シグラ様、もっと、もっと欲しい、奥にください……気持ちいいです……」
「は、はっ、イく、イきそう、シグラ様、ナカに出していいですか」
言葉が聞こえる。だけど意味はわからない。
そんなシグラの様子に気付いたのか、クガイが後ろから胸の飾りを思いきりつまみ上げた。
「あぐ! う!」
「寝ないでくださいよ、気持ちいいこと好きでしょ」
「あ、あ、シグラ様、そこ、」
ぼんやりとしていたシグラの思考が、唐突に明瞭に変わる。
しかし地獄だ。快楽ばかりを与えられることを正しく認識しても、苦しいだけである。
(気持ち、いい、や、ば……これ……)
快楽を一つ一つ認識すると、シグラの感覚が破壊されてしまいそうだった。
「イく、あ、イくイく、出したい、出る、イきたくない!」
「俺もイく……シグラ様、ナカに出していいですか?」
「あ、ください、シグラ様、ナカに……!」
奥を穿つ熱が、シグラの弱いところばかりを突き上げる。同時に前をキツく締め付けるナカで扱かれて、直接擦れ合う敏感な部分が強烈な快楽を生み出している。
一度シグラが射精したためにナカはぬるぬるだった。それが余計に気持ち良くて、シグラの腰が震え出す。
出したいのに出したくない。これ以上の快楽はごめんだと思うのに、これ以上が欲しくてたまらない。
このまま狂ってしまえばどうなるのだろうか。
「ぐ……う、イ、ぐ……もう……!」
シグラが吐精すると、ナカがぎゅうと締め付けた。クガイも同じく精を吐く。
ようやく動きが止まった。室内には濃い匂いと熱気、そして荒々しい呼吸の音しか残されていない。
シグラの体から力が抜ける。それをクガイがしっかりと抱きしめると、レシアがナカからそれを引き抜いた。
ぬぽ、と抜けた蕾からは、白濁が溢れていた。レシアの蕾もひくついている。
「……まだ勃起してるぜ」
「本当ですね」
びくびくと体を跳ねさせて意識も薄らいでいるというのに、シグラのそこはしっかりと勃っていた。
「じゃあ二回戦といくか」
「仕方がないですね……」
レシアはふたたび四つん這いになると、シグラのそれをナカに挿れる。
びくん! とシグラが大きく跳ねた。もう声にもならないのか、かすれる吐息を吐き出しただけだった。
シグラのナカに入っているクガイもまだ元気なものである。隙間から精液が溢れているが、気にすることもなく打ち付ける。するとまたしてもシグラの体が跳ねる。声はない。体を震わせて、どこに触れても気持ちが良いらしい。
「動きますよ」
「動くぞ」
その声に反応はない。二人はそれでも気にすることなく、容赦無く腰を揺らしていた。
シグラが目を覚ましたのはすでに日が落ちた頃だった。
体は綺麗に清められていた。部屋も元通り、匂いも何も残っていない。まるで夢だったのかとも思える変わりように目だけで周囲を見渡すと、窓を閉めていたレシアが、シグラが起きたことに気付いたようだった。
「シグラ様、申し訳ございませんでした」
苦しそうに眉を下げて、レシアは深く頭を下げた。
「……へ? なにが?」
「私は使用人の身分でありながら、シグラ様にあのようなことを……これではオメガだからと言われるのも無理はありません。解雇も覚悟しております」
「……あー……」
途中からはまったく覚えていないが、とてつもなく気持ちが良かったことだけは覚えている。
別にシグラは怒っているわけではなかった。だってシグラは気持ちの良いことが大好きだ。狂うほど快楽を与えられるなんて最高である。今だって妙にすっきりとしているし、体も重たいわけではない。
シグラには良いことしかないのに、どうしてレシアは謝っているのだろうか。
「別に僕は気にしてないよ。気持ちよかったし。セックスはクガイともするしね」
「うっ……それはヴィンスターが獣なだけです」
まあ本来ならばクガイともしてはいけないのだろうけれど、それは今はどうでもいい。「頭を上げて」と声をかければ、レシアはおずおずとそれに従う。
「というか、レシアは大丈夫なの? ごめん、僕ナカに出しちゃって、」
「いえ! それは大丈夫ですので! 本当に!」
セックスのときの積極性はどこにいったのか、レシアは顔を真っ赤にしてぶんぶんと頭を振っていた。
しかしオメガに中出しはいけないと漫画にあった。シグラが疑うようにじっと見つめていると、あっちこっちに視線を泳がせたレシアは、やがて観念したようにつぶやく。
「……本当に……私は、シグラ様の種を得られて幸福でした。だから、えっと……」
「妊娠とかは?」
「だ! 大丈夫です! オメガはアルファの子を孕むようになっているので!」
「そっか」
シグラはようやく、ホッと胸を撫で下ろした。
レシアは嫌だったわけではない。妊娠して大変になることもない。今のまま働いて、やりたいことを続けられる。
気がかりだったそれがはっきりとして、シグラは大きなあくびを漏らす。
「そうだ。あのチョーカー効いてたってクガイが言ってたよね? 最中に言ってたから定かではないけど……でもすごい成果だと思う。あの状態でもチョーカーが効くなんて」
「そ、そうですね。感謝してもしきれません。ほかの使用人も……これをシグラ様がくださったと言ったら、感動して泣いておりました。後日お礼に来るそうです」
「えー、良いよ。勝手に好きに使ってよ」
「それに、旦那様にも進言してくださったのですね。旦那様から『チョーカーをつけているオメガの雇用は許す』と、少し前に伝達されました」
「そっか。よかったね」
まどろむような声を出して、シグラがゆっくりと目を閉じる。
意識がなくなる直前。ありがとうございます、とレシアの声が聞こえて、唇に柔らかなものが触れた気がした。
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