ワケありくんの愛され転生

鬼塚ベジータ

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22時空の管理人

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 目の前でシグラの姿が消えて、レシアの手は空を切る。
 夢のような現象だった。突如空間が切り裂かれ、人が綺麗に消えてしまった。
 まるで最初から何もなかったかのように、シグラの部屋には三人だけが取り残された。

「……う、そだろ……」

 全員がそこを見つめて動かない。何が起きたのかを、誰もうまく理解できていなかった。
 一番最初に声を出したのは、動揺を押し殺したクガイである。
 クガイがふらりと立ち上がる。その目はずっと、シグラが消えた場所に向けられていた。

「嘘だろ……どういうことだよ今の!」
「……シグラはどこに……」

 背後からの二人の言葉を聞きながら、レシアは自身の手を見つめる。
 届かなかった。一番近くに居たのに、シグラの腕を掴めなかった。

「だいたいあんた、なんであんな怪しいやつを連れてきたんだ!」
「う、うちの馴染みの商人の知り合いらしくて、ぜひローシュタイン家にも商品を知ってほしいと言われたんだ! だからつい……」
「くそ。……おいレシア、取り返すぞ」
「…………え、ああ、どうやって……」
「……何ぼんやりしてんだよ」

 ゆるりと振り返ったレシアを、クガイは鋭く睨みつける。

「おまえ泣き寝入りすんのかよ。……シグラ様の元の世界と一回でも繋がってたんだから、こっちからだってどうにかアクセスできるはずだろ」
「……ですが……」
「俺はシグラに戻ってきてほしい。……シグラの隣はすごく楽だった。これからもずっと一緒にいたい。……俺にも協力させてくれ」

 レシアはゆるりとゼレアスを見て、そうしてクガイに視線を戻す。
 レシアだって戻ってきてほしい。シグラはレシアのオメガとしての矜恃を守ってくれた。そしてオメガの喜びを教えてくれた。自分のバース性からずっと目を背けていたけれど、シグラが認めさせてくれた。

 レシアにとっても、シグラは大切な人である。
 だけど、だからこそ迷いもある。

「……また失ったらどうするんですか」
「また?」
「もう一度呼び戻して、また奪われたら……私は二度も三度も目の前で奪われるなんてごめんです。こんな気持ち、もう二度と味わいたくはありません」
「なんでさらわれる前提なんだよ」

 苛立ち気味にそう言うと、クガイは乱暴に頭をかく。

「空間が繋がるんなら、繋げたまんまにしてたらいいだろ。必要なときだけあっちに戻して、帰る場所はここにすればいい。悲観すんな、今はどんな可能性でも希望に変えろ」
「どんな可能性でも…………それならさっき言ったうちの馴染みの商人、たしかルジェの家にもスレイの家にも出入りしてるはずだ。その商人が何か怪しい行動をしていたとして、あの二人から話を聞けばヒントは得られるだろうか」
「……ひとまずあいつら呼ぶか」

 小さなことから調べていく必要がある。クガイとゼレアスが意見を固めてアイコンタクトを交わすと、二人同時にレシアに振り向いた。レシアはまだぼんやりとしていた。しかし二人に問いかけるように見つめられて、こくこくと数度頷いた。

 合流したルジェとスレイには、シグラの中身が入れ替わっていたところから今までのことを簡単に伝えた。
 違う人間と入れ替わっていたということは二人ともあまり驚いていなかった。以前と様子が違いすぎていたから違和感もなかったのかもしれない。それよりも消えてしまったということに驚愕したようで、ひとまず全員我が家に来いと言ったのはスレイだった。”うちに手立てがある”。伝言はその一言だったが、クガイもレシアもゼレアスも、今はそれに縋るよりほかはない。
 三人はすぐに馬車に乗り込んで、スレイの屋敷に向かった。

 やりとりもあり、屋敷に着いたのは翌朝のことだ。
 リックフォール公爵邸にはすでにルジェの馬車が停まっていた。クガイたちから連絡が入った時点で、一足先にスレイの屋敷に来ていたのかもしれない。
 三人が部屋に入った瞬間、ルジェはゼレアスに飛びかかった。

「シグラが消えたとはどういうことですか!」
「まっ……俺にもよく分からないんだ」
「落ち着けよ変態。みんな焦ってんだ」
「な、失礼な……って、あなたはシグラのところの……」

 クガイとレシアが続けて部屋に入ると、スレイは全員が揃ったことを察して人払いを済ませる。
 その部屋はあまりに広く、男五人が集まってもまったく閉塞感を覚えない。ルジェがひとまずソファに座ると、後から来た三人も大人しくそれぞれ腰掛けた。

「リックフォール、手立てってのはなんだよ」
「久しぶりだねヴィンスター。急に隣国に居る従兄弟とやりとりをしてるって聞いたから国に戻る気になったのかと思ったけど……オメガのサロンだっけ? そんなコネ作ってどうすんの」
「どうでもいいだろ」
「落ち着け、俺たちは喧嘩しにきたわけじゃない」

 ピリピリとしているクガイを止めたのはゼレアスだった。しかしゼレアスにも余裕があるわけではない。結論を急いでいるようで、その目はスレイに向けられている。
 ――スレイの落ち着きにはどこか違和感がある。この場にいる全員がそれを感じていた。

「一回、オレの父親に会ってよ」
「……どういうことですか?」
「事情は父が説明するから」

 スレイの言葉を最後に、室内が静まり返った。そのタイミングで部屋の扉が開く。

 入ってきたのは、真っ黒な髪の毛を腰ほどまで流し、後ろで大きく三つ編みに結っている若い男だった。その髪の色は不思議なもので、真っ黒かと思えば毛先に流れるほどに金色になっている。瞳も黒で見ない色だったが、シグラがそうであったことを知っている全員が男を見て言葉を失った。

「初めまして。宗白黎そう・はくれいです。スレイのお父さんです」

 にこやかに入ってきた男は、なぜか拙い仕草で歩み寄ってきた。バランスを取るように軽く手を広げている。敵意は感じない。シグラと同じ瞳を持つこの男はいったい何者なのか、その場にいたスレイ以外の全員が男を警戒していた。
 しかし。
 拙くもなんとか歩いていたかと思えば、男は次にはつんと足をひっかけてつんのめった。足元には何もない。全員が困惑していると、男はそのまま大きく転倒し顔面を強打する。

「オレの父さん、いつまでも転ぶんだよね……」
「いてて……だってスレイくん、それは歩き慣れていないからだって言ってるだろー。ダメだ、やっぱりきついや。浮かんでいい?」
「ご勝手に」

 許可を得た白黎は、途端にふわりと体を浮かせた。ふよふよとみんなのところにやってくると、何もない空間に腰掛けたような体勢で落ち着く。

「……これは……」

 誰がそう言ったのかは分からない。スレイは説明が面倒くさいのか、白黎を見つめて説明しろとその目で伝えた。

「えーっと、つまりぼくは、劉蓮くんと同じ世界の人間なんだよね」
「……同じ世界の……?」
「ということはシグラ様を取り戻す方法があるということですか!」
「あるよ。そもそもぼくが繋げちゃったみちを使って追っ手が来ちゃったみたいだしね」

 全員の視線が白黎に集まる。

「……ぼくたちの世界の説明は省くけど、劉蓮くんはすごい子でね。ぼくたちの世界では”真神まがみ”って言われる素晴らしい存在なんだ。ぼくが劉蓮くんに会ったのは彼がまだ小さい頃だった。成長を見守ることもせずにこっちに飛んで来ちゃったから今はどうなってるのかは分からないけど……生まれつき力が強い子だったから、どうなってるのかはお察しだよね。それこそ追っ手が来るくらいだもの」
「……真神とは何ですか?」

 ルジェの問いかけに、白黎は優しい笑みを浮かべる。

「化け物だよ。真神は何でもできるし、何にでもなれる。その中でも特別力が強かったのが劉蓮くん。世界で一番の化け物ってことだね」
「……父さんもだろ」
「あはは、ぼくは真神でも出来損ないだからなー。ほかの世界に路を繋いで旅行ばっかりしてたもん。世界の平和なんかどうでも良かったし、でもそのおかげでお母さんと出会えたんだけどね」
「取り返したいんです。……どうしても、一緒にいたい。どうにかなりませんか」
「俺も。今更捨てられるとかありえねえし」
「同感だ。俺だってあの子としたいことはたくさんあった」
「ゼレアスの場合意味がちょっといやらしいんですよねぇ。とはいえ私も、彼とは相性が良いのでぜひ親交を深めたくて」

 それぞれの言葉をうんうんと聞きながら、白黎がちらりとスレイを見下ろした。
 スレイは興味もなさそうに菓子を食べている。昔から問題ばかりを起こして何事にも深入りしない息子であるからこそ、白黎は彼の意見が気になった。

 やがて気まずげに、スレイがちらりと白黎を見上げた。

「なに」
「いやぁ、我が息子はどうなのかなあと思って」
「はあ? そんなん、どうでも良かったら全員集めてないだろ。いいから早く繋いでよ、父さんが行ったら取り戻せるんでしょ」
「ふふふ、そうかいそうかい」

 満足げに笑うと、白黎は「でもねぇ」と首を傾げる。

「連れ戻すのはいいんだけど……さっきも言ったけどさ、劉蓮くんはすごい真神なんだよ。一人で二人分の真神って感じ? だからまあ大切にされていてね、連れ戻したところでまた追っ手が来るよね」
「父さんのときは来なかったのに」
「それはほら、ぼくなんてふらふらしてる何もしない真神だったから、居ても居なくても良かったっていうか」
「……必要時だけ向こうに行ってもらうとかはダメなのか? 帰るのをここにするとか」
「うーん……向こうの世界って物騒だから、真神は大忙しなんだよね。どうだろ……とりあえず呼んでみる?」
「とりあえず?」

 ふわふわと漂っていた白黎が、時空間魔鏡を取り出した。怪しい男が持っていたのを見ていたクガイとレシアはそれに反応をしたが、ほかの者は気付かない。
 白黎が空間を裂くと、あっさりとそこが開く。中は暗闇で、なぜか禍々しい気配がする。しかし臆することもなく、クガイはスッと立ち上がった。

「そこに入れば連れ戻せるのか?」
「あ、ダメだよ。ダメダメ」

 一歩踏み出したクガイは、焦ったような言葉に足を止めた。

「これは時空の狭間なんだ。どこの世界にでも飛べるけれど、その分リスクは大きい。訓練をしてない人はここに入ると激発して肉塊になっちゃうよ」
「でもシグラ様は……」
「劉蓮くんはほら、馬鹿みたいに難易度の高い訓練で有名な時空間魔鏡耐激発訓練ウェリエストロ・クライシスの教官を務めるくらいだから、慣れてるし」
「それ、シグラが言っていたやつだ」

 ゼレアスは確かにその言葉を聞いたことがあった。あのときには何も分からなかったが、どうやらあちらの世界の言葉だったらしい。

「劉蓮くんってちょっと抜けてるのかな……あっちの世界の常識は全世界共通だって思ってそう……いや、おおよそはそうなんだろうけどね。ぼくたちの世界はだいぶ特殊だからね」
「ブーマ・ジーというのも聞いた」
「ああ、耳脚毛玉ブーマ・ジーなら、こっちの世界で言うところの愛玩動物だよ。このくらいのサイズでもこもこしてて、おっきな耳が足みたいになってるの」
「ルーファス? の、リンジー、という言葉も私は聞いたことがあります」
超上級天獣ルーファス天弦リンジーは、あちらの世界ではかなり上級の生き物だね。使役できたらいいんだけど、なかなか契約させてくれない。ぼくがこっちに来る前には天弦リンジーは野放しだったけど、劉蓮くんなら使役できそうだね。本来の姿はものすごく大きくて四足歩行で毛がブワーって生えていてね、頭が五つあるんだけど、小さくなることもできるって聞いた気がする」

 懐かしいのか、白黎は終始楽しそうに笑っていた。
 しかし聞かされているほうはなかなか理解に及ばない。唯一分かったのは、劉蓮が物騒な世界で生きているということだけである。

「……早く連れてきてくれよ。あいつ、この世界に来て楽しいって言ってたんだ。ゆっくり時間が流れて、俺たちと話してる時間が楽しいんだって。改まって変なこと言うなとは思ったけど、そんな世界なら納得だ」

 クガイがポツリと言葉を落とす。
 それを最後に沈黙が落ちた。少しばかり空気も重い。そんな全員の様子を見て仕方がないなあと白黎が動き出したと同時。

 開かれたままだった暗闇の空間から、ひどく低い唸り声が聞こえてきた。

「なっ、この声は、」
「まずい!」

 とっさにそこを閉めようとしたが、一拍遅かった。
 真っ赤な瞳に鋭い牙を持つ巨大な獣の頭が、二つほどそこから這い出してきた。

天弦リンジー!」

 長い毛は逆立ち、その瞳はギョロリと周囲を確認していた。丸い輪郭が裂かれたような大きな口は、半分開いて尖った牙を見せつけている。口の端から唾液が垂れた。低く響く重たい唸り声は緊張感を高めていく。

 白黎がギリギリで空間を閉じようとしたために二つの頭しか出てこられなかったらしい。その頭部だけでも部屋いっぱいに大きいのだから、本体がどれほどのものかは充分に察することができる。

 こんな生き物が存在する世界。それはどれほど恐ろしいのか。
 天弦リンジーが獲物を探すように周囲を見渡しているのを、その場にいる全員は硬直して見ていることしかできなかった。

「……くそ、これだと閉じられない……ぼく一人で天弦リンジーをここに押し込めることなんか……」

 白黎は真神だったが、力が強いわけではなかった。きっと極めようと思えばもっとすごい力は手に入れられたのだろう。それでも白黎はふらふらと旅をすることを好んで選んだから、結局強くはなれなかった。

 天弦リンジーが唸る。空間を閉じようとしている白黎を睨んでいる。敵とみなしたのか牙を剥き、白黎に向かって大きく吠えた。

 その瞬間だった。

 閉じかけていた空間が大きく開いた。白黎が負けて天弦リンジーの力が勝ったのだと、その場にいた全員が凍りついたのだが。
 奥から伸びてきた大きなロッドが、思いきり天弦リンジーの頭を叩きつけた。

「こらー! 主人より前を歩くなって教えただろ! はしゃがないでよ勝手に!」

 ゴッ! と天弦リンジーの頭の一つを殴ると、はくるりと回転して軽やかに白黎の前に降り立つ。
 肩ほどまでの髪が揺れる。白黎と同じ髪色で、けれど彼は白黎よりも可愛らしい顔立ちをしていた。紫と黒の装束。分厚い指輪。白い肌。彼は少し体を浮かせてその場に落ち着くと、目をまん丸にして部屋を見渡した。

「って、あれ……?」

 天弦リンジーがその空間から顔だけを出して、彼の背後でしょんぼりと小さくなっていく。しかしそんな光景よりも、その場に居た全員の目は突然やってきた彼に集まっていた。
 彼のことを知らないはずなのに、なぜか知っているような気がする。顔が違う。姿が違う。雰囲気も違う。それでも確かに、彼のことを知っている。

「なんでみんな集合してんの?」
「……シグラ様?」
「劉蓮くん……」

 三つの言葉が重なった。
 一番に劉蓮に飛びかかったのは、すでに立ち上がっていたクガイだった。
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