ワケありくんの愛され転生

鬼塚ベジータ

文字の大きさ
27 / 33

後日談:優しい時間

しおりを挟む

 キスを繰り返していたのが、いつの間に押し倒されたのか。
 劉蓮は自身に乗り上げる余裕のない男を見上げて、後ろから蜜液が溢れていることを自覚した。

「可愛いな、劉蓮」

 目尻をたらす劉蓮に、ゼレアスは嬉しそうに微笑みかける。

 服を脱がせる手つきはずいぶん優しかった。首筋や鎖骨にキスを落としながら一枚ずつはだけて、あらわになった肌に吸いつく。ゼレアスの手が滑って下腹にやってくると、劉蓮は自然と触れやすいようにと脚を開いていた。

「……触れてほしい?」
「うん……触って……」

 劉蓮の胸の飾りにキスをしながら、その手を中心に伸ばす。
 先っぽに指先が触れただけで、劉蓮の体が大きく揺れた。朝からずっとセックスをしているから敏感になっているのだろう。もちろんゼレアスは匂いで気付いていたから、その反応にくすりと微笑む。

「朝からどれくらいした?」
「あ! ぅ、わから、な……」

 感触を味わうように先っぽを擦っていたかと思えば、ゼレアスはすぐに全体を扱き始めた。
 ゼレアスの口が、指が、息遣いが、すべてで劉蓮を追い詰める。先走りが広がり、ゼレアスの手が動くたびに甘やかな音が聞こえてくるのでさえ耐えられない。

 そんなことさえ快楽に溶けてしまうのだから、劉蓮はもう快楽の虜になってしまったのか。

 チロチロと舌先で胸の先端を舐められて、中心を扱かれて、今日のどのセックスよりも緩やかであるこの「普通」さが、劉蓮にはもどかしくて仕方がなかった。

 やがてゼレアスの空いていた手が、劉蓮の後孔に忍び込んだ。そこはすでにどろりと濡れて、ゼレアスの指をすんなりのみ込んでしまう。

「劉蓮……ここにどれほど精子を注がれたんだ?」
「ん、ああ、たくさん、みんな、たくさん、出してくれて、」
「そうか。負けていられないな」

 ゼレアスは一度体を起こして、すぐに劉蓮の体をひっくり返した。うつ伏せになった劉蓮はすぐに横目に振り返る。その目は挿入を期待していたが、ゼレアスはただふっと笑うばかりである。

「すごいよ、劉蓮。……こんなに赤くなって……ずいぶん可愛がられたんだな」

 尻を開いて、蕾を見下ろす。蜜液の溢れるそこは今朝からセックスをし続けているからか、すでに赤く腫れぼったくなっていた。
 ゼレアスの指が軽く蕾を引っかいた。たったそれだけのことで劉蓮の体はびくりと跳ねて、さらに求めるように腰を突き出す。

「ゼレアス、挿れて、早く……お願い……」
「まだ」

 ゼレアスの顔が蕾に近づくと、伸びた舌がそこにぬるりと入り込んだ。
 蜜液と精子の濃い匂いがする。そんな混じり合った匂いにも興奮しながら、ゼレアスはナカを解すように舌を大きく動かした。
 粘ついた音と感触。わざと聞かせるようにナカを探り、溢れる蜜液を飲み込んでいく。

「あ……ん、ゼレアス……もう、それ……」
「ノットは挿れた? 子作りしたのか?」
「ん、うん……みんな、奥まで挿れて、たくさんナカ、に、」
「それなら、俺の精子も飲んでくれ」

 ずるりと舌を引き抜いて、ゼレアスは前を寛げた。
 そこはすでに勃起しているようだった。数度擦るとさらに太く変わり、振り返って見つめていた劉蓮の瞳も期待に濡れる。

「本当に不思議だな……こんな小さなところに、これが入るなんて」

 ぬるぬると蕾に自身を擦りつけながら、ゼレアスはじっくりとそこを見下ろす。
 両側から開いているからか、先っぽが蕾に引っかかった。しかし入ることはなく、弾かれてふたたび擦りつけられる。
 劉蓮の体が震える。腰が揺れて、全身でゼレアスを求めているようだ。

「あ、ゼレアス、早く、早くして、挿れて、早く、」
「こら、劉蓮……ああ、待て、入る……」

 我慢ができなくなった劉蓮が、とうとうゼレアスのモノを掴んで自身の蕾にあてがった。そうして尻を押し付ければ、ゆっくりゆっくりとナカに入っていく。

「ああ……劉蓮……熱い、気持ちいいよ……」
「ふ、う……あっ」

 とん、とノットに触れたところで、劉蓮はようやく動きを止めた。

 動いてもいないのにナカがうねり、ゼレアスのモノを絞っていた。ゼレアスの精子を求めて必死に射精をさせようと、劉蓮の本能がそうさせているのか。
 溶けてしまいそうな快楽に、ゼレアスは動くこともできない。

 そうしてゾクゾクと這い上がってくる射精感に耐えていると、劉蓮が突然腰を引いた。

「あっ……劉蓮、待ってくれ」
「や、だ……早く、動いて……」

 とん、とふたたび尻とノットが触れ合う。
 一度擦られただけでも、ゼレアスは痺れて動けない。直接擦れる肉壁が柔らかにゼレアスの中心を食み、強烈な快楽を生み出している。
 しかしそんなことも関係がないのか、ゼレアスが快楽に浸っていても容赦なく劉蓮は腰を揺らし始めた。

「あん、ゼレアス、奥、気持ちい、ナカぁ」
「……っ、ああ、ま、て、本当に……はっ……」
「ねえ、突いて、思いっきり動いてぇ、お願い」

 ぐらぐらと、ゼレアスの理性が大きく揺れていた。
 宝物のように大切にしたいと思うのに、乱暴に犯してやりたくてたまらない。
 ナカに何度も精子を塗りつけて、誰よりも早く孕ませてやりたい。誰よりも強く独占したい。自分だけのものにしたい。いいやダメだ。大切にすると決めたじゃないか。劉蓮はゼレアスにとってかけがえのない相手で、唯一の存在である。丁寧に大切にしなければ、壊してからでは戻らない。だけど劉蓮が願っている。ゼレアスを欲しがっている。ゼレアスも与えてやりたいのに我慢をしているなんて、おかしな話ではないか?

 そうだ。おかしな話だ。
 どうして劉蓮とゼレアスの意見が合致しているのに、ゼレアスは我慢しているのだろう。

 思い至った瞬間、ゼレアスは劉蓮の腰を掴んでいた。そうして思いきり奥まで突き上げると、劉蓮の背が柔らかく反る。

「か、は……ゼレア、」
「思いきり動くぞ」

 ごつごつと、繰り返し奥を穿つ。
 ゼレアスの動きは宣言どおり躊躇いもなく、気遣いもない。
 肉壁を割いてその熱を直接感じてしまえば、余裕なんか一気に吹き飛んだ。

「はぁ、劉蓮……ここか? ここが気持ちいい?」
「ぐ、ぅ! 全部、全部、気持ちい! あ、ん!」
「そうか、全部か。可愛いな、劉蓮」

 劉蓮の背にキスを落として、ゼレアスは尚も腰を打ち付けた。

 それにしても、長いソファとはいえ男が二人居れば狭いものである。多少の動き難さを覚えてはそればかりが気になり、ゼレアスはすぐに背後から劉蓮を抱き上げた。そうして自身がソファに座ると、挿れたままで劉蓮を自身の上に座らせる。

「ひ! お、ぐ……に……!」

 劉蓮の背が震える。それをしっかりと抱きしめたゼレアスは、待つこともなく腰を突き上げた。

 奥をえぐられて、劉蓮の視界がじわりと滲む。けれどそんな様子の劉蓮に気付くこともなく、ゼレアスは繰り返しごちゅごちゅと何度も奥を貫いた。

「ふ! ぁ、ぐ、待っで、ゼレアス、奥、お、くに」
「好きなんだろう?」
「や、あ! むり、気持ち、い、おかし、これ、気持ちい!」
「ああ……俺も、いいよ」

 ゼレアスに抱きしめられているから逃げることもできなくて、強制的に叩きつけられる快楽に劉蓮はもう狂ってしまいそうだった。
 弱いところばかりを突かれては全身が痺れて動けない。すっかりゼレアスに体を預けていた劉蓮は、時折大きく体を跳ねながらも快楽に溺れていく。

 ぼんやりとする思考の中、中心にゼレアスの手が触れた瞬間、一気に体を強張らせた。

「ん、は! や、それ、したら、ぁ!」
「気持ち、いいか」
「いい、気持ちい、やだ、たすけて、」

 後ろを深く突き上げられて、前まで擦られては我慢もできそうにない。
 劉蓮は頭を降りながらもゼレアスにもたれて、ナカを思いきり締めつけて庭園に向けて精を放った。

「あ! ああッ! ん、気持ちい、あっ、んぅ」

 白濁が芝に落ちる。腰を突き上げる動きに夢中になっていたゼレアスはそれに気付かなかったのか、射精をしたのに手を離さない。それどころか先ほどの締め付けでさらに射精感が高まったようで、打ち付ける動きが激しく変わった。

「ああ、イく、劉蓮、出すぞ」
「っ、いや! だめ、イった、イったのに、イく、出る、やぁ!」
「奥に、出す。俺の子を、孕めるように……ああ、ダメだ、気持ちがいい」
「むり、イくイく、ゼレ、あ、止まって、ぇ!」

 最奥を突き上げる動きに、とうとう劉蓮の先端からは透明の液体が吹き出した。そこで劉蓮をロックしたゼレアスが、ようやく射精を開始する。

 劉蓮の体から一気に力が抜けて、だらしなく脚を開いたままでびくびくと震えていた。

「……は、大丈夫か、劉蓮……今のは……」

 ルジェのせいで潮を吹くクセでもついたのだろうか。最初ほど時間をかけず、劉蓮は芝を広範囲で濡らしていた。
 しかしそんなことをゼレアスが知る由もない。何が起きたのかは分からなかったが劉蓮が気持ちよさそうだからと、嬉しそうにその背にキスを落としていた。

「……劉蓮……この世界に来てくれてありがとう」

 小さな小さな言葉だったが、劉蓮にはしっかりと届いた。
 軽く振り返ると、そこにゼレアスの顔がある。どちらともなく顔を近づけて、すぐに深いキスに変わった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

白銀オメガに草原で愛を

phyr
BL
草原の国ヨラガンのユクガは、攻め落とした城の隠し部屋で美しいオメガの子どもを見つけた。 己の年も、名前も、昼と夜の区別も知らずに生きてきたらしい彼を置いていけず、連れ帰ってともに暮らすことになる。 「私は、ユクガ様のお嫁さんになりたいです」 「ヒートが来るようになったとき、まだお前にその気があったらな」 キアラと名づけた少年と暮らすうちにユクガにも情が芽生えるが、キアラには自分も知らない大きな秘密があって……。 無意識溺愛系アルファ×一途で健気なオメガ ※このお話はムーンライトノベルズ様にも掲載しています

ヒートより厄介な恋をα後輩に教え込まれる

雪兎
BL
大学三年のΩ・篠宮湊は、何事も理屈で考えるタイプ。 ヒート管理も完璧で、恋愛とは距離を置いてきた。 「フェロモンに振り回されるのは非合理的」 そう思っていたのに――。 新学期、同じゼミに入ってきた後輩は、やたら距離の近いα・高瀬蒼。 人懐っこくて優秀、なのに湊にだけ妙に構ってくる。 「先輩って、恋したことないでしょ」 「……必要ないからな」 「じゃあ俺が教えますよ。ヒートより面倒なやつ」 余裕のあるα後輩と、恋に不慣れなΩ先輩。 からかわれているはずなのに、気づけば湊の心は少しずつ乱されていく。 これは、理屈ではどうにもならない “ヒートより厄介な恋”を教え込まれる物語。

異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!

めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈ 社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。 もらった能力は“全言語理解”と“回復力”! ……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈ キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん! 出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。 最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈ 攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉ -------------------- ※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【完結】完璧アルファな推し本人に、推し語りするハメになったオレの顛末

竜也りく
BL
物腰柔らか、王子様のように麗しい顔、細身ながら鍛えられた身体、しかし誰にも靡かないアルファの中のアルファ。 巷のお嬢さん方を骨抜きにしているヴァッサレア公爵家の次男アルロード様にオレもまたメロメロだった。 時に男友達に、時にお嬢さん方に混ざって、アルロード様の素晴らしさを存分に語っていたら、なんとある日ご本人に聞かれてしまった。 しかも「私はそういう人の心の機微が分からなくて困っているんだ。これからも君の話を聞かせて欲しい」と頼まれる始末。 どうやら自分の事を言われているとはこれっぽっちも思っていないらしい。 そんなこんなで推し本人に熱い推し語りをする羽目になって半年、しかしオレも末端とはいえど貴族の一員。そろそろ結婚、という話もでるわけで見合いをするんだと話のついでに言ったところ…… ★『小説家になろう』さんでも掲載しています。

【完結】おじさんはΩである

藤吉とわ
BL
隠れ執着嫉妬激強年下α×αと誤診を受けていたおじさんΩ 門村雄大(かどむらゆうだい)34歳。とある朝母親から「小学生の頃バース検査をした病院があんたと連絡を取りたがっている」という電話を貰う。 何の用件か分からぬまま、折り返しの連絡をしてみると「至急お知らせしたいことがある。自宅に伺いたい」と言われ、招いたところ三人の男がやってきて部屋の中で突然土下座をされた。よくよく話を聞けば23年前のバース検査で告知ミスをしていたと告げられる。 今更Ωと言われても――と戸惑うものの、αだと思い込んでいた期間も自分のバース性にしっくり来ていなかった雄大は悩みながらも正しいバース性を受け入れていく。 治療のため、まずはΩ性の発情期であるヒートを起こさなければならず、謝罪に来た三人の男の内の一人・研修医でαの戸賀井 圭(とがいけい)と同居を開始することにーー。

出来損ないΩの猫獣人、スパダリαの愛に溺れる

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
旧題:オメガの猫獣人 「後1年、か……」 レオンの口から漏れたのは大きなため息だった。手の中には家族から送られてきた一通の手紙。家族とはもう8年近く顔を合わせていない。決して仲が悪いとかではない。むしろレオンは両親や兄弟を大事にしており、部屋にはいくつもの家族写真を置いているほど。けれど村の風習によって強制的に村を出された村人は『とあること』を成し遂げるか期限を過ぎるまでは村の敷地に足を踏み入れてはならないのである。

処理中です...