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4 プレゼント
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カイン様たちがラッピングに夢中になっていると令嬢はまたしても中身が本来のプレゼントだと怒りだす。
「何で俺の誕生日なのに指示されながら開けなきゃいけないんだよ。……ほんと嫌なやつ……」
「!!」
その言葉にショックを受けてる令嬢を他所にカイン様はプレゼントを開けた。
「!! まぁ! まぁ! これが婚約者と言う立場にいる方のプレゼントなの? なんてみすぼらしいのかしらね!!」
中身を見て自分があげたプレゼントより低品質と思った令嬢は扇で口許を隠しながら嘲笑う。
「……凄い……」
「えっ?」
「凄い!! こんなかっこいい鍔止めを沢山!!」
「つばどめ?」
令嬢の思いとは裏腹にカイン様が今までにない喜び方をしている為、令嬢はそのプレゼントが一体何なのか分からなくて1人戸惑い混乱していた。
「わぁ! いいなぁ。 あっ、これ家紋入りじゃないか!」
「あっ! こっちはモーリシャル騎士団の紋章だぞ! 凄い!! 凄い!!」
「まてまて!! これってラスボスの暗黒騎士長の紋章じゃないか? わぁ……カインいいなぁ……俺も欲しい!!」
カイン様たちがハマっているファンタジー小説の紋章を入れた鍔止めはファングッズを欲しがる男子にはドストレートらしく、いつの間にかカイン様の周りは小説ファンが集まり大盛況だ。
「リコリス嬢! ありがとう!! こんなに嬉しいプレゼントはないよ!!」
「良かったですわ。ではこちらは皆様で召し上がって頂く方がよろしいですわね」
「?」
私はメイドから紙袋を貰い、カイン様に渡した。
「? ……あっ!! 同じ鍔止めのクッキーだ!!」
「同じ消耗品ですがこちらは早めに食べて下さいね」
「うん! でも食べるの勿体無いなぁ……」
カイン様の友人たちも鍔止め型クッキーを見ながら感動していた。まるでコラボカフェで悶絶してるファンそのもので可愛らしい。
「まぁ! 毒味もしてない品を婚約者に渡すなんて非常識ですわ!!」
(いや、メイドから受け渡されているから毒味は終わったって証拠なんですけど? それは無視ですか?)
「!! ……はぁ。……お前まだ居たの? もう帰れば?」
「ふふ! やはり常識のない婚約者は恥ですわね! 帰れなんて言われるとはね!」
「帰れって言ってるのはマーガレット! お前だよ!! もう二度と来ないでくれ!! 顔も見たくないし、話もしたくない!! 大嫌いだ!!」
「!!」
カイン様は叫んだ後、私の手を引きそのまま部屋を出て走って行く。そしてどこかの部屋に入りそのままソファーに座った。
「……今日は俺の誕生日なのに……何であんなこと毎回言われなきゃならないんだ……」
「……」
「あいつはいつも大事な日に来ては嫌味を言って俺の気持ちを傷付けるんだ。辺境伯とは昔から仲がいいからって毎回来るけど、俺は嫌で嫌でしょうがないんだよ……」
「幼馴染み何ですか?」
「……周りはそう言うけど、そんな事どうでもいい!!」
(マーガレット様は気になる子に意地悪しちゃうタイプなんだろうな。毒あるツンデレ? でもカイン様はツンデレ嫌いみたいだし、ここまで嫌悪感が凄いことになってたらもう修繕出来ないんじゃなかろうか……)
「……だから年下だけどリコリスが婚約者になってくれて本当に嬉しかったんだ!」
「私も優しいカイン様が婚約者になっていただいて嬉しいですよ」
「……うん。リコリスは俺に嫌な事をしないし、今日みたいな日は俺の好きな物をプレゼントしてくれるから、会うの楽しみにしてたんだ」
「まぁ! 嬉しいですわ。私も今日楽しみにしてたんです。カイン様も同じ気持ちでいてくれたんですね」
「あぁ! 勿論だよ! ……なのにあいつのせいで楽しい誕生日も嫌な日になっちゃって……本当にごめん……」
今にも泣きそうなカイン様の手をそっと繋いで私は優しく笑ってみせる。
「私は平気ですわ。それよりまだ誕生日は終わってませんよ?」
可愛くウィンクをすると部屋にあったピアノへとカイン様を導く。
「あの、カイン様は暗黒騎士長とイーグル騎士長の戦いは覚えていますか?」
「? うん……」
「ではその部分を私に話せますか?」
「少しなら……」
「ならここで、その戦いを話して下さい」
「? ここで? 分かった」
不思議がるカイン様に微笑み、私は物語を話し始める声に合わせてピアノを弾く。それは劇のBGMの様になりカイン様の心を躍らせる。
ちなみに曲は前世で有名なRPGの戦闘シーンを織り混ぜながらにした。
「あっ、ここだ! カイン!!」
楽しく話しに合わせてピアノを弾いてるとカイン様のお友
達が心配して来てくれた。
「落ち込んでるかと思ったら何してるんだ?」
「リコリスがモーリシャル騎士団の話に曲を付けてくれたんだ!」
「曲?」
「うん! なぁ、モーリシャル騎士団の本を持って来ないか? リコリスが話しに合わせて楽しい曲を弾いてくれるんだ!! 凄く盛り上がってまるで演劇にでも行っているみたいなんだよ!!」
「へぇー。カインの婚約者は多才だな! いいよ! 行こうか!」
「リコリス! ここで待ってて!!」
友人と大好きなファンタジー小説を取りに行ったカイン様にはもう、先ほどの悲しみは無い。本当に良かった。誕生日はやっぱり笑顔で過ごす思い出の方がいいから。
1人そんな感傷に浸って待っていると今度はドリルツインテールこと、マーガレット令嬢が部屋に現れた。あれほど拒絶されたのにまだカイン様を追いかけてくる根性は凄い。
(豪胆と言うべきか厚顔無恥と言うべきか……)
何となくマーガレット令嬢のことを考えていたらいきなり頭上から水を浴びせられてしまった。
「何で俺の誕生日なのに指示されながら開けなきゃいけないんだよ。……ほんと嫌なやつ……」
「!!」
その言葉にショックを受けてる令嬢を他所にカイン様はプレゼントを開けた。
「!! まぁ! まぁ! これが婚約者と言う立場にいる方のプレゼントなの? なんてみすぼらしいのかしらね!!」
中身を見て自分があげたプレゼントより低品質と思った令嬢は扇で口許を隠しながら嘲笑う。
「……凄い……」
「えっ?」
「凄い!! こんなかっこいい鍔止めを沢山!!」
「つばどめ?」
令嬢の思いとは裏腹にカイン様が今までにない喜び方をしている為、令嬢はそのプレゼントが一体何なのか分からなくて1人戸惑い混乱していた。
「わぁ! いいなぁ。 あっ、これ家紋入りじゃないか!」
「あっ! こっちはモーリシャル騎士団の紋章だぞ! 凄い!! 凄い!!」
「まてまて!! これってラスボスの暗黒騎士長の紋章じゃないか? わぁ……カインいいなぁ……俺も欲しい!!」
カイン様たちがハマっているファンタジー小説の紋章を入れた鍔止めはファングッズを欲しがる男子にはドストレートらしく、いつの間にかカイン様の周りは小説ファンが集まり大盛況だ。
「リコリス嬢! ありがとう!! こんなに嬉しいプレゼントはないよ!!」
「良かったですわ。ではこちらは皆様で召し上がって頂く方がよろしいですわね」
「?」
私はメイドから紙袋を貰い、カイン様に渡した。
「? ……あっ!! 同じ鍔止めのクッキーだ!!」
「同じ消耗品ですがこちらは早めに食べて下さいね」
「うん! でも食べるの勿体無いなぁ……」
カイン様の友人たちも鍔止め型クッキーを見ながら感動していた。まるでコラボカフェで悶絶してるファンそのもので可愛らしい。
「まぁ! 毒味もしてない品を婚約者に渡すなんて非常識ですわ!!」
(いや、メイドから受け渡されているから毒味は終わったって証拠なんですけど? それは無視ですか?)
「!! ……はぁ。……お前まだ居たの? もう帰れば?」
「ふふ! やはり常識のない婚約者は恥ですわね! 帰れなんて言われるとはね!」
「帰れって言ってるのはマーガレット! お前だよ!! もう二度と来ないでくれ!! 顔も見たくないし、話もしたくない!! 大嫌いだ!!」
「!!」
カイン様は叫んだ後、私の手を引きそのまま部屋を出て走って行く。そしてどこかの部屋に入りそのままソファーに座った。
「……今日は俺の誕生日なのに……何であんなこと毎回言われなきゃならないんだ……」
「……」
「あいつはいつも大事な日に来ては嫌味を言って俺の気持ちを傷付けるんだ。辺境伯とは昔から仲がいいからって毎回来るけど、俺は嫌で嫌でしょうがないんだよ……」
「幼馴染み何ですか?」
「……周りはそう言うけど、そんな事どうでもいい!!」
(マーガレット様は気になる子に意地悪しちゃうタイプなんだろうな。毒あるツンデレ? でもカイン様はツンデレ嫌いみたいだし、ここまで嫌悪感が凄いことになってたらもう修繕出来ないんじゃなかろうか……)
「……だから年下だけどリコリスが婚約者になってくれて本当に嬉しかったんだ!」
「私も優しいカイン様が婚約者になっていただいて嬉しいですよ」
「……うん。リコリスは俺に嫌な事をしないし、今日みたいな日は俺の好きな物をプレゼントしてくれるから、会うの楽しみにしてたんだ」
「まぁ! 嬉しいですわ。私も今日楽しみにしてたんです。カイン様も同じ気持ちでいてくれたんですね」
「あぁ! 勿論だよ! ……なのにあいつのせいで楽しい誕生日も嫌な日になっちゃって……本当にごめん……」
今にも泣きそうなカイン様の手をそっと繋いで私は優しく笑ってみせる。
「私は平気ですわ。それよりまだ誕生日は終わってませんよ?」
可愛くウィンクをすると部屋にあったピアノへとカイン様を導く。
「あの、カイン様は暗黒騎士長とイーグル騎士長の戦いは覚えていますか?」
「? うん……」
「ではその部分を私に話せますか?」
「少しなら……」
「ならここで、その戦いを話して下さい」
「? ここで? 分かった」
不思議がるカイン様に微笑み、私は物語を話し始める声に合わせてピアノを弾く。それは劇のBGMの様になりカイン様の心を躍らせる。
ちなみに曲は前世で有名なRPGの戦闘シーンを織り混ぜながらにした。
「あっ、ここだ! カイン!!」
楽しく話しに合わせてピアノを弾いてるとカイン様のお友
達が心配して来てくれた。
「落ち込んでるかと思ったら何してるんだ?」
「リコリスがモーリシャル騎士団の話に曲を付けてくれたんだ!」
「曲?」
「うん! なぁ、モーリシャル騎士団の本を持って来ないか? リコリスが話しに合わせて楽しい曲を弾いてくれるんだ!! 凄く盛り上がってまるで演劇にでも行っているみたいなんだよ!!」
「へぇー。カインの婚約者は多才だな! いいよ! 行こうか!」
「リコリス! ここで待ってて!!」
友人と大好きなファンタジー小説を取りに行ったカイン様にはもう、先ほどの悲しみは無い。本当に良かった。誕生日はやっぱり笑顔で過ごす思い出の方がいいから。
1人そんな感傷に浸って待っていると今度はドリルツインテールこと、マーガレット令嬢が部屋に現れた。あれほど拒絶されたのにまだカイン様を追いかけてくる根性は凄い。
(豪胆と言うべきか厚顔無恥と言うべきか……)
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