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7 カイン視点2
それからは大変だった。騒ぎを聞き付けた大人たちは、捕まっているマーガレットと血を流してる(止血中)リコリスを見て青ざめた。
直ぐにリコリスは運び出され医者にかかり、マーガレットは大人に無実の証明を一生懸命語っていた。
(本当にマーガレットは厄災だ……なんで両親はこうなる前に対処しなかったんだ!! リコリスに傷が残ったらお前もそれ以上に傷付けてやる!!)
そして今回、いくら位が高いと言っても被害にあったのは貴族令嬢だし、子供と言えど沢山の目撃者もいた。なのでマーガレットが無実を主張しようとしても現状はリコリスの傷で嘘はすぐにバレた。
「あの子がカインたちにちやほやされるなんて許せない……カインの婚約者があんな子供なんて駄目よ!!」
最後に意味不明な主張をして辺境へと帰ったが、どうしてマーガレットの意見を俺が汲まなきゃならない。余計なお世話だ!
「カイン……すまなかったな。もう辺境伯とは縁を切る。今までは色々世話になっていた分、令嬢のことは大目に見ていたが年下の令嬢に殺人未遂を犯すような危ない子とはもう付き合えん!」
「……遅すぎですよ。それに謝るのは俺にじゃない……」
「そうだな。アルファー伯爵にも顔向け出来ん……」
昔何があったのかは知らないが、あんな傲慢な令嬢を野放しにしている辺境伯にも問題があるだろう。見た目は厳つい爺さんなのに末っ子には甘々なのかもしれない。
「リコリス……傷はもう無いみたいだけど気分はどう?」
「はい。もうすっかり回復しました。ピアノも無事みたいで安心しましたよ」
「ピアノ?」
「はい。辺境伯令嬢に水を掛けられた時、ピアノまで濡らされて浸水したかもしれないと焦りました」
「……いや、ピアノより自分の体を心配しろよ……」
「その時は濡れただけですし、自分より最高級のピアノが駄目になるかもしれないことが心配でした」
やはりリコリスは変わってる。普通、マーガレットじゃなくても貴族令嬢なら泣き出すか怒り狂うかのどちらかだ。
でもリコリスは匠が作り出した最高傑作をこんなことで失いたくないと何故か必死だったらしい。……俺の婚約者殿はたくましいな……。
そして今回は事件のお陰でもうあのマーガレットと会うこともない。それが嬉しくて仕方ないのにリコリスはまた改めて俺の誕生日を上書きして楽しいものにしようと言ってくれた。
散々な俺の誕生日。本当は最後まで楽しく終わらせたかった。マーガレットの追放は嬉しかったけど、それでも俺は悲しかったんだ。
「…………ありが……とぅ……」
気付けば恥ずかしくも泣いていた。リコリスはそんな俺を優しく抱きしめて泣き止むまで背中をさすってくれていた。
だから少し恥ずかしくなって謝ると、リコリスは優しい笑顔で「頼ってくれて嬉しかったです。カイン様、楽しい誕生日を期待して下さいね!」と手を握ってくれた。
……あぁ、嬉しいな……可愛いなリコリス……
……好きだなぁ……
俺はこの瞬間、恋に落ちてしまった。運良く相手は婚約者だ。どうしよう嬉しくて……ドキドキが止まらない……
翌日屋敷に帰るリコリスを見送る。正直もっと一緒にいたかったけど、俺のためにもう一度楽しい誕生日を開くと言ってくれたので、会いに行く予定が出来たのでそれはそれで嬉しい。
馬車を見送った後、側にいた父上に俺は決意表明をする。
「父上!! 俺、稽古頑張るよ!!」
「ん? どうした急にやる気になって……」
「べ、別にいつもやる気あるだろ!! 気合いを入れるために宣言したんだ!」
「……ふーん。ま、そういうことにしておこう……」
父上はニヤニヤしながら俺の頭を撫でた。なんだか見透かされてるようで少し恥ずかしいが、リコリスを守る為にもっと頑張って立派な騎士になる。
そしていずれは父上を越える騎士になりたい。大好きなリコリスが誇れるような人物になるんだ!
だけど数年後、頑張りすぎて王子の護衛に抜擢され、気付けば大好きなリコリスと婚約解消の危機に陥るとはこの時の俺は思いもしなかった。
直ぐにリコリスは運び出され医者にかかり、マーガレットは大人に無実の証明を一生懸命語っていた。
(本当にマーガレットは厄災だ……なんで両親はこうなる前に対処しなかったんだ!! リコリスに傷が残ったらお前もそれ以上に傷付けてやる!!)
そして今回、いくら位が高いと言っても被害にあったのは貴族令嬢だし、子供と言えど沢山の目撃者もいた。なのでマーガレットが無実を主張しようとしても現状はリコリスの傷で嘘はすぐにバレた。
「あの子がカインたちにちやほやされるなんて許せない……カインの婚約者があんな子供なんて駄目よ!!」
最後に意味不明な主張をして辺境へと帰ったが、どうしてマーガレットの意見を俺が汲まなきゃならない。余計なお世話だ!
「カイン……すまなかったな。もう辺境伯とは縁を切る。今までは色々世話になっていた分、令嬢のことは大目に見ていたが年下の令嬢に殺人未遂を犯すような危ない子とはもう付き合えん!」
「……遅すぎですよ。それに謝るのは俺にじゃない……」
「そうだな。アルファー伯爵にも顔向け出来ん……」
昔何があったのかは知らないが、あんな傲慢な令嬢を野放しにしている辺境伯にも問題があるだろう。見た目は厳つい爺さんなのに末っ子には甘々なのかもしれない。
「リコリス……傷はもう無いみたいだけど気分はどう?」
「はい。もうすっかり回復しました。ピアノも無事みたいで安心しましたよ」
「ピアノ?」
「はい。辺境伯令嬢に水を掛けられた時、ピアノまで濡らされて浸水したかもしれないと焦りました」
「……いや、ピアノより自分の体を心配しろよ……」
「その時は濡れただけですし、自分より最高級のピアノが駄目になるかもしれないことが心配でした」
やはりリコリスは変わってる。普通、マーガレットじゃなくても貴族令嬢なら泣き出すか怒り狂うかのどちらかだ。
でもリコリスは匠が作り出した最高傑作をこんなことで失いたくないと何故か必死だったらしい。……俺の婚約者殿はたくましいな……。
そして今回は事件のお陰でもうあのマーガレットと会うこともない。それが嬉しくて仕方ないのにリコリスはまた改めて俺の誕生日を上書きして楽しいものにしようと言ってくれた。
散々な俺の誕生日。本当は最後まで楽しく終わらせたかった。マーガレットの追放は嬉しかったけど、それでも俺は悲しかったんだ。
「…………ありが……とぅ……」
気付けば恥ずかしくも泣いていた。リコリスはそんな俺を優しく抱きしめて泣き止むまで背中をさすってくれていた。
だから少し恥ずかしくなって謝ると、リコリスは優しい笑顔で「頼ってくれて嬉しかったです。カイン様、楽しい誕生日を期待して下さいね!」と手を握ってくれた。
……あぁ、嬉しいな……可愛いなリコリス……
……好きだなぁ……
俺はこの瞬間、恋に落ちてしまった。運良く相手は婚約者だ。どうしよう嬉しくて……ドキドキが止まらない……
翌日屋敷に帰るリコリスを見送る。正直もっと一緒にいたかったけど、俺のためにもう一度楽しい誕生日を開くと言ってくれたので、会いに行く予定が出来たのでそれはそれで嬉しい。
馬車を見送った後、側にいた父上に俺は決意表明をする。
「父上!! 俺、稽古頑張るよ!!」
「ん? どうした急にやる気になって……」
「べ、別にいつもやる気あるだろ!! 気合いを入れるために宣言したんだ!」
「……ふーん。ま、そういうことにしておこう……」
父上はニヤニヤしながら俺の頭を撫でた。なんだか見透かされてるようで少し恥ずかしいが、リコリスを守る為にもっと頑張って立派な騎士になる。
そしていずれは父上を越える騎士になりたい。大好きなリコリスが誇れるような人物になるんだ!
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