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10 乙女ゲームなら今年が本番だ
予想外な話に驚いて固まってるお母様にマダムパピヨンことシルバー婦人は熱心に口説いてくる。
「……そこまで娘の事を思ってくださるなら……」
(えぇ?!! ちょっ、お母様?!! 何陥落してんの?! ……はっ! そういえばお母様マダムパピヨンのファンだった!! ヤバい! 盲点!!)
「あの、お母「分かりましたわ! 私がデザインしたことにして売り出すのであれば了承しますわ!!」
「まぁ! ありがとうござぁいますわ!!」
「でも娘に無理はさせられません。そこだけはご理解していただけますか?」
「勿論構ぁいませんわ!」
(私の意見や意思は無視かい!!)
こうして建前上は母親がデザイナーになったけど、私は10歳にして副業も会得することになった。
そうして今度は1年後、私は念願の魔法鑑定に臨むことになり教会の鑑定室にいる。
「では、この石板に手を置いて下さい」
「はい」
すると透明な石板が水色ぽいパール色に輝いた。
「……これは治癒と状態異常除去ですね。水系ですので特に毒消しが強くなりますよ。しかもお嬢様は状態異常無効が生まれながらに付与されておりますなぁ。これは素晴らしい」
「まぁ、まぁ! 貴族にとっては有難い能力だわ!」
「おぉ!! やはり家の娘は特別だったのだな!!」
(なんと!! SSR引いた!! 物理攻撃は無理でも毒無効効果を発揮出来るのなら万々歳よ!! しかも状態異常無効って、もしや私チート転生系? 主人公?!! ……いやいやまだ有頂天になっては駄目だ! 常に最悪の事態を予想して回避を1番に考えなければ!!)
喜ぶ両親を他所に私は1人気持ちを落ち着けて魔法鑑定者の説明を黙々と聞く。
(いやまて、貴族として攻撃魔法が使えないのはいいのだろうか?)
「……あのお母様、私お父様のように水魔法が使えませんがよろしいのですか?」
「何を言っている!! 水魔法よりも毒消し効果のある状態異常魔法など貴族にとって喉から手が出るほど欲しい魔法だぞ! 誇りを持っていい!!」
「そうよ。お父様の言うとおり、この魔法はとても珍しい魔法なのよ。だから心配しなくていいわ。むしろ誘拐されないように当分はこの事は秘密にしましょうね」
(確かに状態異常回復など、この貴族社会にとっては普通の攻撃魔法より欲しいものかもしれないな。現に私も欲しかった能力だし……)
と、言うことで私はお父様と同じ水魔法であったと周囲には報告しておいた。
だが私は忘れていた。貴族令嬢がこの魔法を保持してると言うことはつまり、もっとも欲しい王家に目を付けられ、更に乙女ゲーム方面では確実に面倒な代物であることを……。
そうして本来の魔法を隠しながら私は今年16歳になった。
本来16になる貴族令嬢は2年ほど王都学園に通うのが通例だが、そんな乙女ゲームが始まる予感ビンビンの所何ぞに嬉々として行けるはずもなく、私は教会が運営する聖女学園(女子校)に通うことにした。
「はぁ。折角リコリスと一緒の学園に通えると思ってたのになぁ……」
「申し訳ございません。私の魔法のことで警備がより強固な聖女学園の方が安心だと言われたもので……」
「まぁ仕方ないよな。でも聖女学園なら変な虫は付かないし、俺としては安心出来てある意味嬉しいんたけど、やっぱり少し寂しいな」
「ご安心下さい。浮気はしませんわ」
「えっ、あっ、うん……」
どうやら長年の努力によりカイン様は私を婚約者として大切にしてくれているので今のところは安心だ。だが本番はここから。婚約破棄の兆候が見られたのなら即座に頷いて逃げるか消えるつもりだ。
なのでその資金はある程度頑張って稼いだ。勿論家族とは別の口座を作ったし、手持ちにも多少持っている。
だから……
「カイン様。1つお願いがあります」
「? 何?」
「もし学園で好きな女性が出来てしまったら嘘を付かずに話して貰えませんか?」
「えっ?」
「婚約解消に悩んでほしくないのです」
「はぁ?!! 婚約解消?!! 俺がそんなことするはずねぇよ!!」
「もしもの話でございます。人の心は分かりませんからね」
「リコリス……」
カイン様はショックを受けたように黙りこんでしまった。
「2人にとって幸せな道を開きたいのです。カイン様は少し暴走することがたまにございますでしょう? なので1人で考えずちゃんと2人で話し合いましょうと言うことですわ」
「なるほど、そっか。そうだな。確かに父上にもよく1人で暴走するなって言われてたよ」
「はい。忘れないで下さいね」
「でも、俺は婚約解消なんてそんなことしないからな!!」
「えぇ。もしもの話ですよ」
そう、釘は打っておいた。しかし乙女ゲームにこれが通用するとはあまり思っていない。
(一瞬の戸惑いがどんな作用をするか分からないけど、もしかしたらそれが命を救うかもしれないものね)
カイン様は婚約者だけど信用はしていないから自分の命をそう易々と他人に委ねたりなどもってのほかだ。
某有名漫画も「生殺与奪の権を他人に握らせるな」と言ってましたからね。
「……そこまで娘の事を思ってくださるなら……」
(えぇ?!! ちょっ、お母様?!! 何陥落してんの?! ……はっ! そういえばお母様マダムパピヨンのファンだった!! ヤバい! 盲点!!)
「あの、お母「分かりましたわ! 私がデザインしたことにして売り出すのであれば了承しますわ!!」
「まぁ! ありがとうござぁいますわ!!」
「でも娘に無理はさせられません。そこだけはご理解していただけますか?」
「勿論構ぁいませんわ!」
(私の意見や意思は無視かい!!)
こうして建前上は母親がデザイナーになったけど、私は10歳にして副業も会得することになった。
そうして今度は1年後、私は念願の魔法鑑定に臨むことになり教会の鑑定室にいる。
「では、この石板に手を置いて下さい」
「はい」
すると透明な石板が水色ぽいパール色に輝いた。
「……これは治癒と状態異常除去ですね。水系ですので特に毒消しが強くなりますよ。しかもお嬢様は状態異常無効が生まれながらに付与されておりますなぁ。これは素晴らしい」
「まぁ、まぁ! 貴族にとっては有難い能力だわ!」
「おぉ!! やはり家の娘は特別だったのだな!!」
(なんと!! SSR引いた!! 物理攻撃は無理でも毒無効効果を発揮出来るのなら万々歳よ!! しかも状態異常無効って、もしや私チート転生系? 主人公?!! ……いやいやまだ有頂天になっては駄目だ! 常に最悪の事態を予想して回避を1番に考えなければ!!)
喜ぶ両親を他所に私は1人気持ちを落ち着けて魔法鑑定者の説明を黙々と聞く。
(いやまて、貴族として攻撃魔法が使えないのはいいのだろうか?)
「……あのお母様、私お父様のように水魔法が使えませんがよろしいのですか?」
「何を言っている!! 水魔法よりも毒消し効果のある状態異常魔法など貴族にとって喉から手が出るほど欲しい魔法だぞ! 誇りを持っていい!!」
「そうよ。お父様の言うとおり、この魔法はとても珍しい魔法なのよ。だから心配しなくていいわ。むしろ誘拐されないように当分はこの事は秘密にしましょうね」
(確かに状態異常回復など、この貴族社会にとっては普通の攻撃魔法より欲しいものかもしれないな。現に私も欲しかった能力だし……)
と、言うことで私はお父様と同じ水魔法であったと周囲には報告しておいた。
だが私は忘れていた。貴族令嬢がこの魔法を保持してると言うことはつまり、もっとも欲しい王家に目を付けられ、更に乙女ゲーム方面では確実に面倒な代物であることを……。
そうして本来の魔法を隠しながら私は今年16歳になった。
本来16になる貴族令嬢は2年ほど王都学園に通うのが通例だが、そんな乙女ゲームが始まる予感ビンビンの所何ぞに嬉々として行けるはずもなく、私は教会が運営する聖女学園(女子校)に通うことにした。
「はぁ。折角リコリスと一緒の学園に通えると思ってたのになぁ……」
「申し訳ございません。私の魔法のことで警備がより強固な聖女学園の方が安心だと言われたもので……」
「まぁ仕方ないよな。でも聖女学園なら変な虫は付かないし、俺としては安心出来てある意味嬉しいんたけど、やっぱり少し寂しいな」
「ご安心下さい。浮気はしませんわ」
「えっ、あっ、うん……」
どうやら長年の努力によりカイン様は私を婚約者として大切にしてくれているので今のところは安心だ。だが本番はここから。婚約破棄の兆候が見られたのなら即座に頷いて逃げるか消えるつもりだ。
なのでその資金はある程度頑張って稼いだ。勿論家族とは別の口座を作ったし、手持ちにも多少持っている。
だから……
「カイン様。1つお願いがあります」
「? 何?」
「もし学園で好きな女性が出来てしまったら嘘を付かずに話して貰えませんか?」
「えっ?」
「婚約解消に悩んでほしくないのです」
「はぁ?!! 婚約解消?!! 俺がそんなことするはずねぇよ!!」
「もしもの話でございます。人の心は分かりませんからね」
「リコリス……」
カイン様はショックを受けたように黙りこんでしまった。
「2人にとって幸せな道を開きたいのです。カイン様は少し暴走することがたまにございますでしょう? なので1人で考えずちゃんと2人で話し合いましょうと言うことですわ」
「なるほど、そっか。そうだな。確かに父上にもよく1人で暴走するなって言われてたよ」
「はい。忘れないで下さいね」
「でも、俺は婚約解消なんてそんなことしないからな!!」
「えぇ。もしもの話ですよ」
そう、釘は打っておいた。しかし乙女ゲームにこれが通用するとはあまり思っていない。
(一瞬の戸惑いがどんな作用をするか分からないけど、もしかしたらそれが命を救うかもしれないものね)
カイン様は婚約者だけど信用はしていないから自分の命をそう易々と他人に委ねたりなどもってのほかだ。
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