5 / 16
ワイルド系も素敵ですね
しおりを挟む次の日、2人目のお茶会相手がやってきた。
次に私の前に現れたのは、
カーライル侯爵家の三男、ロバート様。
セドリック様とはまたタイプの違う、情熱的な赤茶の髪と、琥珀色の瞳が印象的だ。
鍛えられた体からは騎士らしい精悍さが漂い、微笑むと口元に浮かぶのは、どこか茶目っ気を感じさせる笑みだった。
彼の登場に、私の内心は「うっひょー!今度はワイルド系イケメン!最高かよ!」とさらにヒートアップ。
しかし、今回も平静を装い、「ロバート様、ようこそお越しくださいました」と優雅に挨拶を交わす。
ロバート様は、セドリック様とは対照的に、もっとざっくばらんに話すタイプだった。
「聖女様は、元の世界では何を食べていたんだ?俺は肉が好きでな。特に獲れたての猪を焼いたやつは最高だぜ」
と、豪快に笑いながら尋ねてきた。
私は内心で「え、猪!?ワイルドすぎない!?」と驚きつつも、
「日本の食事は、色々な食材を組み合わせて、見た目も美しいものが多かったです」
と、当たり障りなく答える。
するとロバート様は、
「ほう、それは興味深い。いつか聖女様の故郷の料理とやらを味わってみたいものだな」と、瞳を輝かせた。
さらに、「聖女様は、こうして屋内で過ごすのが好きか?俺は体を動かすのが好きなんでな。もしよければ、庭で散歩でもどうだ?新鮮な空気を吸えば、気分も晴れるぞ」
と、積極的に提案してくる。
私は内心で「え、庭園デート!?それもいい!」と前のめりになりつつも、今はこっちの世界を楽しむべく室内用のドレスを着てみたりなんてしている。きっと外に出るなら違う服に着替えなきゃなんだろうな…そんなことしてたらお話しする時間少なくなっちゃう。
よし次の機会にしよう!
「こうして静かに過ごすのも好きですが、外も歩きたいと思っておりました。今日は準備ができていないのでまた次の機会にぜひご一緒させてくださいね」
と、今日のところは断りつつも次の約束を匂わせてみた。
そんな私を見て、ロバート様は楽しそうに笑った。
「はは、聖女様は本当に優しくていらっしゃる。外に出る時は是非とも供をさせてもらえると嬉しい」
と、太陽のような笑顔で笑いかけられて顔に熱が集まるのを抑えるのに必死だった。
たっぷり2時間のお茶会は、あっという間に過ぎ去った。
ロバート様が去った後、
私はソファに深く沈み込み、ため息をついた。
「はぁ~、もうほんっとに最高!異世界に召喚されてよかったかも」
今日のロバートの顔を思い出しながら、ひたすらニヤニヤしていたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
完【恋愛】婚約破棄をされた瞬間聖女として顕現した令嬢は竜の伴侶となりました。
梅花
恋愛
侯爵令嬢であるフェンリエッタはこの国の第2王子であるフェルディナンドの婚約者であった。
16歳の春、王立学院を卒業後に正式に結婚をして王室に入る事となっていたが、それをぶち壊したのは誰でもないフェルディナンド彼の人だった。
卒業前の舞踏会で、惨事は起こった。
破り捨てられた婚約証書。
破られたことで切れてしまった絆。
それと同時に手の甲に浮かび上がった痣は、聖痕と呼ばれるもの。
痣が浮き出る直前に告白をしてきたのは隣国からの留学生であるベルナルド。
フェンリエッタの行方は…
王道ざまぁ予定です
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる