8 / 16
新たな交流計画
しおりを挟む興奮冷めやらぬまま、私はローズ宮の自室に戻り、
マルタさんに今日のお茶会の様子を興奮気味に伝えた。
「マルタさん、聞いてください!今日のアシュレイ様とユリウス様ったら、もうすごくて…!」
私の話に、マルタさんはにこにこと耳を傾けてくれる。一通り話し終え、少し落ち着いてきたところで、ふと疑問が湧いた。
「そういえばマルタさん、この国のこと、もっと色々と知りたいんです。例えば、アシュレイ様が話していた『幻のフルーツ』とか、この国にはどんな珍しいものがあるのか、すごく気になってしまって」
私が尋ねると、マルタさんは頷いた。
「この国は豊かな自然に恵まれておりますので、聖女様の興味を引くものがたくさんございますでしょう。幻のフルーツは『ルーシェの実』のことでございましょうか?あれは…」
マルタさんは、ルーシェの実について丁寧に説明してくれた。それを聞いているうちに、私は、ただお茶会でイケメンと話すだけでなく、この異世界の文化や暮らしにももっと触れてみたいという気持ちが強くなった。
「ねえ、マルタさん。せっかくここにいるんだから、もっとこの国のことを知りたいな。それで、イケメンとも交流できるなら、最高なんだけど…」
私の本音とも建前ともつかない言葉に、マルタさんは微笑んで、素晴らしい提案をしてくれた。
「でしたら、聖女様。お茶会だけでなく、他の日常生活の場でも、少しずつ男性方と交流なさってはいかがでしょうか? 例えば、お食事をご一緒になさったり、お庭を散策なさったり…」
「え、日常生活でも!?」
私の目が輝いたのを見て、マルタさんはさらに続けた。
「ええ。まず、さすがに昨日の今日でアシュレイ様とユリウス様を続けてお茶会にお呼びするのは、他の貴族の方々に対して不公平となりかねません。ですので、お茶会は、まだ聖女様にお会いしたことのない、初見の方々を中心にお呼びしましょう」
私は納得して頷いた。確かに、毎日同じイケメンたちとばかり会っていたら、他のイケメンに出会う機会を逃してしまう。
「そして、日常生活での交流は、すでに聖女様がお話になったことのある方の中から、またお話ししたいとお感じになる方を、聖女様ご自身でお選びになる形にしてはいかがでしょうか?そうすれば、聖女様のご負担も少ないかと存じます」
その提案は、私にとってまさに渡りに船だった。初見のイケメンに出会える喜びと、お気に入りのイケメンとより深い交流ができるという、まさに一石二鳥の計画だ。
「マルタさん、天才!ありがとうございます!」
私は思わずマルタさんの手を握って喜んだ。
「ふふ、聖女様がお喜びいただけて何よりですわ。では、早速明日から、そのように手配させていただきますね」
マルタさんはにこやかに微笑んだ。
「ちなみに、既にこれまでお気に止まった御仁はいらっしゃいましたか?少し気になる程度でもよろしいのでお聞かせいただけいただけると」
私は少し思案して、
「最初に会ったセドリック様はやっぱり最初なだけあって印象深かったですね。あとはロバート様とはお散歩の約束したし、アシュレイさんとユリウスさんは明日も来ると言っていたしなぁ…」
「なるほど、承知しました。それでは御仁ともスケジュールを確認して再度交流できるように致しますね」
「ありがとうございます!マルタさん。」
これで、私の異世界イケメンライフは、さらに彩り豊かになること間違いなしだ。どんなイケメンに出会えるのか、そしてどんな交流ができるのか、明日のことを想像するだけで、私の胸は期待に満ちていた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
完【恋愛】婚約破棄をされた瞬間聖女として顕現した令嬢は竜の伴侶となりました。
梅花
恋愛
侯爵令嬢であるフェンリエッタはこの国の第2王子であるフェルディナンドの婚約者であった。
16歳の春、王立学院を卒業後に正式に結婚をして王室に入る事となっていたが、それをぶち壊したのは誰でもないフェルディナンド彼の人だった。
卒業前の舞踏会で、惨事は起こった。
破り捨てられた婚約証書。
破られたことで切れてしまった絆。
それと同時に手の甲に浮かび上がった痣は、聖痕と呼ばれるもの。
痣が浮き出る直前に告白をしてきたのは隣国からの留学生であるベルナルド。
フェンリエッタの行方は…
王道ざまぁ予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる