悪役令嬢と入れ替わったヒロイン

Ao

文字の大きさ
1 / 4

エンディングを迎えたはずでした

しおりを挟む
「レリス・ブルージュ嬢、この1年間マリアを虐めていたのは分かっている!

そんな君が王妃として国民に慈愛を与えられるわけがない!

王太子ルービット・マーシャルの名において君との婚約を破棄する!」

突如、王太子の声が会場に響き渡った。
そしてその瞬間、会場から卒業を祝う声がぴたりとやみざわめきが広がっていく。

きたきたきたきた!これよこれ!

ついにやり遂げたわぁ…
世の中の一世を風靡した『愛しのマリアージュっ!』の世界のヒロイン、マリアに転生して18年、
極貧の赤ん坊からスタートした時はどーなるかと思ったけどやっとここまで来たわ。

何でそこはサクッと15歳くらいから転生させてくれなかったかなぁ…

しかも、悪役令嬢のレリスはしっかりいじめてくるし。

階段落ちるのって、体験すると本当恐怖だから。
無視されるのも普通に精神的にくるから。
誘拐とか絶望だから。
...許すまじ、レリス。そして作者。

まぁ、何はともあれここまでくればもうエンディングを待つのみ、
こうしてヒロインは王子様と結ばれましたとさ、、、でハピエンで決まりでしょ!

...っと、ダメ押ししとかないとね!
「ルービット様、マリアはレリス様が謝ってくださればそれで良いのです!そんなに責めないであげてください…」

ルービットは感動したような顔をして優しい眼差しを向けてくる。

「...っ、なんて優しいんだ、マリアは!
こんな奴にも慈悲を施すなんて...」

そして、レリスの方を睨みつけながら、

「それに比べて君は、謝ろうともしない。
本当に品性のかけらもないな...恥を知れ!」

そうして、ルービット様は私を抱き寄せた。
その瞬間、クラっと世界が歪み急に目の前が暗くなった...

気がしたけどすぐに元に戻る。

何だ今の...貧血かな。

よし、気を取り直してもう一丁!
目を閉じて聖女のようにお祈りポーズで、、、

「ルービット様、レリス様も一生懸命だったのですよ、そんなにいったら可哀想です、、、」

はい、これで
「マリアは優しいな...まるで聖女のようだ!
やはり私にふさわしいのは君しかいない...!」
ってなるのよね、分かってる分かってるって。

...っと思ったのだけど、何も聞こえてこない。

ん?感動しすぎて声も出ない的な?

ゆっくりと目を開けるとルービット様含め皆がこちらを凝視している。

やだ、そんなに感動しちゃった?笑


...いや、それにしても驚きすぎじゃない?

そして、ルービット様が一言。


「お前...とうとう頭もおかしくなったか?」


...これってもしやドン引きされてる!?

それにこれまで「お前」なんて...呼ばれたことないのに。

え、私なんかまずいこと言った、、、?
急になんで...?


…ん?

って言うかなんでルービット様と向かい合っているのだろう。
さっきまで横にいたはず、、、って、

え、なんで私が見えるの!?

「えーっと、レリス...?
いつから君は自分に敬称をつけるようになったんだ?
そして、なんだその顔は。マリアを真似してその、かわいい表情をしてもだな、自己弁護は通用しないぞ...?」


その声を最後に再び静まり返ってしまった会場。

いや、え、、、、
うそよね、、、

もしかしての可能性に固まってしまった体を叱咤して、ゆっくりと自分が来ているドレスを見下ろす…


真っ赤


つまり私が来てた桃色のふりっふりなドレスじゃない、、、

今度は顔をあげてルービット様を見つめる。
そしてその脇に抱き寄せられているふりっふりのピンクドレスの女を、、、

その瞬間、こちらを向いた『私』がニヤッと笑ったのを私はみてしまった。

これって...
もしかしてのもしかしてのもしかしてだけど...

私達入れ替わってるー!?


そこで、私の意識は途絶えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!

杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。 彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。 さあ、私どうしよう?  とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。 小説家になろう、カクヨムにも投稿中。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

「そうだ、結婚しよう!」悪役令嬢は断罪を回避した。

ミズメ
恋愛
ブラック企業で過労死(?)して目覚めると、そこはかつて熱中した乙女ゲームの世界だった。 しかも、自分は断罪エンドまっしぐらの悪役令嬢ロズニーヌ。そしてゲームもややこしい。 こんな謎運命、回避するしかない! 「そうだ、結婚しよう」 断罪回避のために動き出す悪役令嬢ロズニーヌと兄の友人である幼なじみの筋肉騎士のあれやこれや

醜悪令息レオンの婚約

オータム
ファンタジー
醜悪な外見ゆえに誰からも恐れられ、避けられてきたレオン。 ある日、彼は自分が前世で遊んでいたシミュレーションRPGの世界に転生しており、 しかも“破滅が確定している悪役令嬢の弟”として生きていることに気付く。 このままでは、姉が理不尽な運命に呑まれてしまう。 怪しまれ、言葉を信じてもらえなくとも、レオンはただ一人、未来を変えるために立ち上がる――。 ※「小説家になろう」「カクヨム」にも投稿しています。

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

処理中です...