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エンディングを迎えたはずでした
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「レリス・ブルージュ嬢、この1年間マリアを虐めていたのは分かっている!
そんな君が王妃として国民に慈愛を与えられるわけがない!
王太子ルービット・マーシャルの名において君との婚約を破棄する!」
突如、王太子の声が会場に響き渡った。
そしてその瞬間、会場から卒業を祝う声がぴたりとやみざわめきが広がっていく。
きたきたきたきた!これよこれ!
ついにやり遂げたわぁ…
世の中の一世を風靡した『愛しのマリアージュっ!』の世界のヒロイン、マリアに転生して18年、
極貧の赤ん坊からスタートした時はどーなるかと思ったけどやっとここまで来たわ。
何でそこはサクッと15歳くらいから転生させてくれなかったかなぁ…
しかも、悪役令嬢のレリスはしっかりいじめてくるし。
階段落ちるのって、体験すると本当恐怖だから。
無視されるのも普通に精神的にくるから。
誘拐とか絶望だから。
...許すまじ、レリス。そして作者。
まぁ、何はともあれここまでくればもうエンディングを待つのみ、
こうしてヒロインは王子様と結ばれましたとさ、、、でハピエンで決まりでしょ!
...っと、ダメ押ししとかないとね!
「ルービット様、マリアはレリス様が謝ってくださればそれで良いのです!そんなに責めないであげてください…」
ルービットは感動したような顔をして優しい眼差しを向けてくる。
「...っ、なんて優しいんだ、マリアは!
こんな奴にも慈悲を施すなんて...」
そして、レリスの方を睨みつけながら、
「それに比べて君は、謝ろうともしない。
本当に品性のかけらもないな...恥を知れ!」
そうして、ルービット様は私を抱き寄せた。
その瞬間、クラっと世界が歪み急に目の前が暗くなった...
気がしたけどすぐに元に戻る。
何だ今の...貧血かな。
よし、気を取り直してもう一丁!
目を閉じて聖女のようにお祈りポーズで、、、
「ルービット様、レリス様も一生懸命だったのですよ、そんなにいったら可哀想です、、、」
はい、これで
「マリアは優しいな...まるで聖女のようだ!
やはり私にふさわしいのは君しかいない...!」
ってなるのよね、分かってる分かってるって。
...っと思ったのだけど、何も聞こえてこない。
ん?感動しすぎて声も出ない的な?
ゆっくりと目を開けるとルービット様含め皆がこちらを凝視している。
やだ、そんなに感動しちゃった?笑
...いや、それにしても驚きすぎじゃない?
そして、ルービット様が一言。
「お前...とうとう頭もおかしくなったか?」
...これってもしやドン引きされてる!?
それにこれまで「お前」なんて...呼ばれたことないのに。
え、私なんかまずいこと言った、、、?
急になんで...?
…ん?
って言うかなんでルービット様と向かい合っているのだろう。
さっきまで横にいたはず、、、って、
え、なんで私が見えるの!?
「えーっと、レリス...?
いつから君は自分に敬称をつけるようになったんだ?
そして、なんだその顔は。マリアを真似してその、かわいい表情をしてもだな、自己弁護は通用しないぞ...?」
その声を最後に再び静まり返ってしまった会場。
いや、え、、、、
うそよね、、、
もしかしての可能性に固まってしまった体を叱咤して、ゆっくりと自分が来ているドレスを見下ろす…
真っ赤
つまり私が来てた桃色のふりっふりなドレスじゃない、、、
今度は顔をあげてルービット様を見つめる。
そしてその脇に抱き寄せられているふりっふりのピンクドレスの女を、、、
その瞬間、こちらを向いた『私』がニヤッと笑ったのを私はみてしまった。
これって...
もしかしてのもしかしてのもしかしてだけど...
私達入れ替わってるー!?
そこで、私の意識は途絶えた。
そんな君が王妃として国民に慈愛を与えられるわけがない!
王太子ルービット・マーシャルの名において君との婚約を破棄する!」
突如、王太子の声が会場に響き渡った。
そしてその瞬間、会場から卒業を祝う声がぴたりとやみざわめきが広がっていく。
きたきたきたきた!これよこれ!
ついにやり遂げたわぁ…
世の中の一世を風靡した『愛しのマリアージュっ!』の世界のヒロイン、マリアに転生して18年、
極貧の赤ん坊からスタートした時はどーなるかと思ったけどやっとここまで来たわ。
何でそこはサクッと15歳くらいから転生させてくれなかったかなぁ…
しかも、悪役令嬢のレリスはしっかりいじめてくるし。
階段落ちるのって、体験すると本当恐怖だから。
無視されるのも普通に精神的にくるから。
誘拐とか絶望だから。
...許すまじ、レリス。そして作者。
まぁ、何はともあれここまでくればもうエンディングを待つのみ、
こうしてヒロインは王子様と結ばれましたとさ、、、でハピエンで決まりでしょ!
...っと、ダメ押ししとかないとね!
「ルービット様、マリアはレリス様が謝ってくださればそれで良いのです!そんなに責めないであげてください…」
ルービットは感動したような顔をして優しい眼差しを向けてくる。
「...っ、なんて優しいんだ、マリアは!
こんな奴にも慈悲を施すなんて...」
そして、レリスの方を睨みつけながら、
「それに比べて君は、謝ろうともしない。
本当に品性のかけらもないな...恥を知れ!」
そうして、ルービット様は私を抱き寄せた。
その瞬間、クラっと世界が歪み急に目の前が暗くなった...
気がしたけどすぐに元に戻る。
何だ今の...貧血かな。
よし、気を取り直してもう一丁!
目を閉じて聖女のようにお祈りポーズで、、、
「ルービット様、レリス様も一生懸命だったのですよ、そんなにいったら可哀想です、、、」
はい、これで
「マリアは優しいな...まるで聖女のようだ!
やはり私にふさわしいのは君しかいない...!」
ってなるのよね、分かってる分かってるって。
...っと思ったのだけど、何も聞こえてこない。
ん?感動しすぎて声も出ない的な?
ゆっくりと目を開けるとルービット様含め皆がこちらを凝視している。
やだ、そんなに感動しちゃった?笑
...いや、それにしても驚きすぎじゃない?
そして、ルービット様が一言。
「お前...とうとう頭もおかしくなったか?」
...これってもしやドン引きされてる!?
それにこれまで「お前」なんて...呼ばれたことないのに。
え、私なんかまずいこと言った、、、?
急になんで...?
…ん?
って言うかなんでルービット様と向かい合っているのだろう。
さっきまで横にいたはず、、、って、
え、なんで私が見えるの!?
「えーっと、レリス...?
いつから君は自分に敬称をつけるようになったんだ?
そして、なんだその顔は。マリアを真似してその、かわいい表情をしてもだな、自己弁護は通用しないぞ...?」
その声を最後に再び静まり返ってしまった会場。
いや、え、、、、
うそよね、、、
もしかしての可能性に固まってしまった体を叱咤して、ゆっくりと自分が来ているドレスを見下ろす…
真っ赤
つまり私が来てた桃色のふりっふりなドレスじゃない、、、
今度は顔をあげてルービット様を見つめる。
そしてその脇に抱き寄せられているふりっふりのピンクドレスの女を、、、
その瞬間、こちらを向いた『私』がニヤッと笑ったのを私はみてしまった。
これって...
もしかしてのもしかしてのもしかしてだけど...
私達入れ替わってるー!?
そこで、私の意識は途絶えた。
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