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目覚めました
しおりを挟む「リス…レリス…!」
誰かが必死に叫ぶ声にゆっくり目を開けると、
目の前には豪華絢爛な天井。
右手が握られているのに気づき目を向けると、初老の男性が悲痛な顔でこちらを凝視している。
「気がついたか…!心配したのだぞ…!」
うっわ、公爵!?なんで?!
…は!そういえばなんか私レリス様と入れ替わったような気がしたんだったっけ!
…けど、え、まじ!?
いやいやいや、
前世で事故に遭ってから18年間、貧困にもいじめにも必死に耐えてきたのにハッピーエンド目前にしてにいじめてきた相手と入れ替わるとかありえないでしょ!?
え、神様ありえない!!
信じたくないけど…転生があるんだからきっと入れ替わりもありえるんだろうな…
え、まじありえない…
「レリス、ぼうっとしてどうしたんだ。どこか打ったのか??」
「公…いえ、お父様、大丈夫ですわ。」
公爵、泣いてるじゃない…
こんなに愛してくれる親がいたのに
レリスは体を入れ替えてでもあのレービットと結婚したかったの?
「ところでお父様、先ほどのパーティーはどうなりましたの?」
「ああ、パーティーか…
くそっ、王太子のやつ、柄にもなく根回ししておって…
国王からも婚約破棄について了解を取っておったわ。
あのボンクラにこんな芸当できないはずだが…
宰相の息子あたりが入れ知恵しておったのか?
何はともあれ、あんな大勢の前での宣言だ。
婚約は正式に取りやめるしかあるまい…
せめて解消には持っていきたいところだが…」
な、るほど。そりゃ、そうですよね。
ボンクラ王太子を一生懸命盛り立てて、私がめちゃくちゃ入念に根回しして、臨んだんだもの。
そりゃきちんと破棄されてくれないと困る。
あれ、でも今困ってるのは私だよね??
え、私自分で自分の首絞めたんだっけ?
…っ、いかん、困難してきた。
「すみません、お父様、私少し疲れてしまったようで、少し一人にしていただけますか…?」
「おお、そうか、ゆっくり休むといい。私は何があってもレリスの味方だからな。何かあればいうのだぞ。」
公爵は本当に娘を溺愛していたのね…。
私からしたらいつも怖い顔してるし抜け目ないし、
脅威以外のなんでもなかったんだけど。
「ありがとうございます。お父様。」
そうして、公爵はこちらを気にしながらも部屋を後にしていった。
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