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状況を整理しましょう
しおりを挟むさて、一度状況を整理しようじゃないか。
私はベッドからそろそろと降り、
部屋にあった特大の姿見の前に立つ。
そこには、国内外でも名高い美女の姿があった。
プラチナブロンドの髪は、まるで月の光を溶かしたかのように、滑らかなストレートで背中に流れている。
見る者を射抜くような鋭さを持ちながらも、伏せられれば優雅な曲線を描く切れ長の吊り目。その奥で、ルビーのような真紅の瞳が、冷たい光を宿して輝いている。
陶器のように白い肌は一切の瑕疵なく、その体はグラマラスでありながら、なぜか腰だけは信じられないほどに細く、全女子が憧れるような見事なくびれを描いていた。その完璧なプロポーションは、彼女がそこに立つだけで周囲の空気を支配し、すべての視線を釘付けにする。誰もがその美しさに圧倒される、そんな容姿をレリスは持っていた。
「ほんっと、綺麗な人。」
私、マリアももちろん、ヒロインとして並ではない容姿に恵まれていた。悪役令嬢と対するように、まるで春の陽光を閉じ込めたかのような桃色のふわふわとした質感の髪に、常に潤んでいるかのようなアイスブルーの瞳。涼やかな色合いながらも、優しげに少し下がった目尻が、穏やかで親しみやすそうに見せていた。
全体的に華奢で小さめの身長だが、胸はそれなりに豊かで、その愛らしい外見とのギャップが、男どもの心を鷲掴みにしていた…と自負している。
やらしい目線を向けられるのなんぞ慣れたものだったわ。
だが、やはり世界級のレリスと比較すると劣ってしまうというもの。レリスは王太子以外全く見向きもしない真っ直ぐさと、救いようのない程の性格の悪さがなければ、その美貌だけで国内外の男を虜にできる正真正銘傾国の美女なのだ。
お金持ちで権力もあって美貌もある。
より取りみどりなのだから、何もあんなおバカな王太子ではなくてもっと良い人と結婚すればいいのに…人って分からないものだわぁ。
「にしても、どうしたものかな…」
そもそも、レリスとの婚約は破棄するよう焚き付けたものの、マリアとしては自分が王妃になるつもりなぞ、はなからなかった。
何が良くてあんな激務かつ腹の探り合いばかりの貴族社会を束ねていかなければならない王妃になりたいものか。本当は愛妾にだってなりたくない。王族になんてなりたくないのだ。
だが、やんごとなき事情があり、私は王家に縁づかならなければならない。
だから、せめて王妃になっても愛妾を優しく目こぼししてくれそうな令嬢に事前に王妃への道も打診し、秘密裏に承諾ももらった上で、万全を期してレリスとの婚約破棄を仕掛けたのだ。
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