一年に一度のハロウィン

アロカルネ

文字の大きさ
3 / 3

青年と使い魔2

しおりを挟む
盗賊団を捕まえ、潤沢な資金で潤った事もあり、アルスは今日は豪華なメニューを食べている。
僕はそれを正面で眺めながら、美味しそうに食べるアルスの姿に癒やされる。
「はぁ~、やっぱり寒い時には温かい料理が一番だなっ!!」
「うんうん、いっぱい食べて大きくなるんだよ~」
「お前も食えるんだから食えば良いのに」
「今の僕は使い魔だからね。君の魔力があるだけでお腹いっぱいなんだよ」
嗜好品として食べる事も出来るけれど、そこまでして食べたいとは思わない。
何よりもアルスの食べっぷりを見ているとそれだけでお腹がいっぱいになってしまう。
「アルス、これからはどうするの?」
「そうだな。しばらくはこの街に滞在して、冒険者ギルドで依頼を受けて過ごすつもりだな」
「そっか」
今後の方針を話していると、アルスはそわそわしたように僕の方に視線を向けてくる。
「なあ、そろそろ俺の膝の上に乗ったりとかしねぇの?」
「はぁ~」
このやり取りは結構前からしているのだが、僕は見た目とは違って子供じゃないから、そんな事をしても恥ずかしいだけだ。
「あのね、僕にも羞恥心って物があるんだよ?」
「そう思うなら、被っているカボチャ外せよ・・・・」
「これは僕のアイディンティティだからいいの!!」
色んな人たちに言われるのだが、こんなに立派で上質なカボチャの被り物を外させたがる意味が分からない。
呆れたようにアルスはため息を漏らしながら、最後の一皿を食べ終わると二十枚ぐらいある大皿の上に積み重ねていく。
ちらっと厨房を見ると、汗だくの店主さんが安心したように肩で息をしている。
(アルスってよく食べるから、作る方も大変だよね。うんうん・・・)
「じゃあ、食べ終わった事だし、冒険者ギルドに・・・」
「まだデザートが終わってないだろ。すいませーん。ここからここまでのメニューください!!」
そのオーダーに店主は遠い目をしながら、親指を立ててOKのサインを出すのだった・・・・・
一時間後、僕たちは冒険者ギルドで依頼票を物色している。
『薬草採取』
『魔獣討伐』
『マジックアイテムの配送』
『護衛』
今ある依頼はカテゴリーにしたら、こんな感じ出揃っている。
「それでアルスはどれにするの?」
「んー・・・お前はどれやりたい?」
「僕は基本的に見てるだけだからどれでも良いよ」
「いや、薬草採取なら手伝えるだろ?」
「雪をかき分けて冷たい薬草触る野嫌だから、別のにしようか」
「しょうがねぇな~」
僕のワガママにアルスはあっさりと頷いてくれており、こういうところが本当に僕に甘いなっと感じさせる。
とはいえ、前にも言ったが僕は戦闘能力はないし、マジックアイテムとかの配送をするにも注意点が分からない。
そんな事を思っている内にアルスは魔獣討伐の依頼を取ると、それを受付へともっていく。
受付の人はアルスの姿を見ると、顔を真っ赤にしながら照れ笑いをして依頼内容を確認して処理していく。
(アルスって黙ってればイケメンだからな~)
この街では黒髪はそこまで珍しくもないし、忌み嫌われてもいないから今のアルスは普通にイケメンでモテモテだ。
「ん? どうした?」
「いや、アルスは格好良いなって思ってさ」
「・・・・お前、昼間っから誘うなよ・・・」
「僕から誘う事はまずないから安心してくれると嬉しいな」
ただでさえ、僕のお尻は毎朝ピンチで、朝にはヒヨコ歩きが日常になっているのに、誘った日にはベッドから起き上がれる自信がない。
「ちぇっ・・・・」
即答する僕にアルスは口を尖らせており、そういう所は子供の頃と変わってなくて可愛いと思ってしまう。
あれこれしている内に、僕たちは街から東の森に来ており、そこで依頼された魔獣を探している。
「そういえばアルス、魔物の方は大丈夫なの?」
「おう、こいつなら杖で撲殺出来るから問題ないぜ」
「たまには魔法使ったら、初級魔法とかなら僕がいても使えるでしょ?」
「魔法って身体がなまるから使いたくねぇんだよな~」
見た目は完全に魔術師なのに、戦い方は格闘家な彼に僕は苦笑しながら、魔物討伐を眺めるのに精を出すのだった。
そして、無事に依頼を終えた僕たちは宿屋に戻ると、いつものようにカボチャを外される。
「んむっ・・・んんはぁ・・・はぁっ・・んぅ・・・」
服を脱がされて裸体を晒しながら、乳首を優しく撫で回されながら、男の象徴が丁寧に愛撫されていく。
それが気持ち良くて、でも恥ずかしくて、アルスを見ると鍛えられた逞しい身体で覆い被さられている事に頬が熱くなる。
「顔真っ赤だな・・・」
「誰の所為だと思ってるのかな?」
「俺の所為だな。だからたっぷり責任取るぜ?」
「本当にアルスは漢前になったよね・・・んぁ・・・ふぁああ・・・」
アルスのキタエラエレタ硬い指先が、僕の身体を撫でる度に僕は甘い声を漏らしていくのだった。
こんな日常が続くなんて、ハロウィンの夜には夢にも思わなかった。
なんやかんやあるけど、今の僕はとっても幸せで、それが少し怖いぐらいだ・・・だって昔の僕は・・・・
「っ・・・・」
「おい、辛そうな顔してどうした、痛かったのか?」
「うううん、何でもない。それよりも続きしてよ」
「・・・・・・・・」
それを誤魔化すように自分からキスをしてしまい・・・・
「あ゛っ」
唇を離してから、アルスのギラついた瞳に僕は心の中で締まったと悲鳴を上げる。
「へへっ、了解だ。たっぷりしてやるぜ」
「い、いや、今のは言葉の綾で・・・んやぁんっ・・ま、まってえぇぇえ!!!」
自分からのお誘いをしてしまった事に、僕は航海士ながらたっぷりとねっとりと可愛がられてしまうのだった。



しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

子持ちオメガが運命の番と出会ったら

ゆう
BL
オメガバースのblです。

振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話

雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。  諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。  実は翔には諒平に隠している事実があり——。 諒平(20)攻め。大学生。 翔(20) 受け。大学生。 慶介(21)翔と同じサークルの友人。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

処理中です...