君と僕と先輩と後輩と部長とあの子と宇宙人とメイドとその他大勢の日常

ペケペケ

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先輩と部長・2

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「キエェェェェ」

「部長、いきなり奇声を上げないでくれませんか?」

「いや、すまない。特に理由は無いが奇声を上げたくなってしまった」

「割と集中したいのでなるべく静かにして下さいね?」

「ああ、分かった」

「………………」

「……………………キエェェェェェェェェェ!」


「何なんですか! 全然集中させる気ないでしょ!」

「すまない、でも君はなるべく静かにしてくれと言っただけじゃないか、私としてはなるべく静かにしてるつもりだから怒るのはやめてほしい」

「……はぁ、分かりました。少し話をしましょうか、何かあったんでしょ?」

「そこに気づくとは君はエスパーか?」

「部長が奇行に走る時は大体何かあった時でしょ? 流石に一年も一緒に部活をしてたらわかりますよ」

「そうか、ありがとう。私は友達が少ないからな、君のそういう言葉は素直に嬉しいよ」

「部長にはいつもお世話になってますからね、気にしないで下さい」

「お互いさまという事か。まあ少し気恥ずかしいが本題に入らせて貰おうか、唐突だが君は恋愛をした事はあるか?」

「……恋愛、ですか?」

「そうだ、恋愛だ。実は元々私は恋愛小説を書くのが苦手でね、方々から書いてくれと言われていたのだが全て断っていたんだが、遂に断れない仕事が来てしまったんだ」

「部長が恋愛物を書くのが苦手っていうのは初耳ですね。あれ? でも部長の書くSFモノとかファンタジー系の小説では主人公たちは恋をしたりしてますよね?」

「それは血の繋がってない男女が命を掛けて守ったり守られたりすればそういう感情を抱くだろうさ。それに私の書くキャラクターたちは割と勝手に動いてる節があるから私の人格はあまり反映していないよ」

「部長の良くいう勝手にキャラクターが動く現象ですか、あんまり経験は無いですけど、まあ分からないでもないですね」

「うん、だからいざ恋愛物を書くぞと意気込むとどうしても上手く入り込めないんだ。そもそも私自身が恋愛とは無縁なのに恋愛小説など書ける訳がないだろう?」

「いや、それは違うと思いますよ部長」

「違うとは?」

「部長は実際にファンタジーな世界に転生したり魔法や剣で魔物を倒したりした事がありますか?」

「……なるほど、そういう事か。苦手意識のせいで少し創作意欲に欠けていたようだ」

「そうでしょう?」

「なるほど、理屈は分かった。だがやはり恋心という物を知らない事には面白い物が書けるとは思えないな」

「確かに、恋愛物は恋をした事があるかどうかは面白さに直結しそうですよね。部長は恋愛小説とかは読まないんですか?」

「読むには読むんだけどね、正直共感出来る事の方が少ないから他のジャンル程読み込んでいないな」

「その共感がしにくいって意見には賛成ですね、面白い作品は共感出来たりするんですけど結構突拍子も無く人を好きになったりする作品とかは、えっ? ってなりますよね」

「その感覚が私が恋愛小説を読んで感じる感覚だよ。まあ大半の読者が共感出来るから売れているんだろけど、どうも私は苦手でね」

「なるほど。しかし恋心ですか、参考になるかわかりませんけど実体験としては誰かを好きになってすぐはソワソワして落ち着かなくなりますね」

「実体験、以外だな。君は恋愛をした事があるんだな」

「俺の事を何だと思ってるんですか、そりゃ人並みに恋くらいしますよ」

「いやすまない、君のその手の話を全く聞いた事が無かったからつい」

「まあいいですけどね」

「差し障りがなければ後はどんな気持ちなのか教えて貰っても良いだろうか?」

「そうですねえ、後はその人の事を結構延々と考えちゃったりとか、少しでも話とか出来ると舞い上がっちゃたりとかですかね?」

「ふむふむ…………ん?」

「どうかしましたか?」

「いや、なんでも無い、続けてくれ」

「あとその人が異性と楽しそうに話をしてるとムッとしたり、何とか仲良く出来ないかなってちょっと友達に手を貸してもらったりするくらいですよ。まあ実際に彼女が出来た事は無いから恋愛をしてたというよりは一人で恋をしてただけですね」

「………………」

「部長?」

「そうか、そうだったのか」

「おーい、聞こえてますかー」

「すまない、今日はもう帰るから後の戸締りを頼む」

「えっ、まあいいですけど」

「ではお先に」

「お疲れ様です」


 何か思いついたのかな? 参考になったなら良いんだけど。


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