君と僕と先輩と後輩と部長とあの子と宇宙人とメイドとその他大勢の日常

ペケペケ

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先輩と部長

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「私が部長だ」
「知ってますよ、なんで虚空に向かって話しかけてるんですか?」
「その言葉使いはなんか小説の一文みたいだな」
「まあ文芸部員ですから」
「そうか……まるで自分たちが小説の登場人物になった気がした思春期みたいな言葉使いだな」
「おい、なんで言い直した? まるで俺が厨二病患者のような口ぶりを今すぐ止めるんだ」
「物書きの大体は厨二病だろ、私が言うんだ間違いない」
「否定できないのが悲しいところです」
「時に後輩くんはどうした?」
「ああ、なんかモナリザみてくるってルーブル美術館に行きましたよ」
「相変わらずフットワークの軽い子だな」
「その一言で済むような事ですかね?」
「済むんじゃないか? 特に問題はないと思う」
「はは、この部長にしてあの後輩在りか、納得だ」
「あの子なら、という条件付きだからな? 私には真似できない」
「真似が出来る人間が世にどれだけいるのかって話ですよ、部長が全く同じ事し始めたら流石にドン引きしますね」
「そういえば後輩くんの書いた小説読んだよ、書き方はめちゃくちゃだったけど内容は良かった、君がちゃんと指導したら形になると思うよ」
「普通は部長が教えるものじゃないんですか?」
「私はプロだから時間があまり取れないだろ? その点君は暇だ、となれば必然的に君が教えるべきだと思わないかい?」
「はぁ、まあそうですね」
「そういえば君の私への締め切りが近いが大丈夫か? 私が妥協とか許さない質なのは良く知っているだろ?」
「暇だと言いながら〆切の話ですか、まあ問題ないですよ、後は詰めですから、今度こそ面白いと言わせてみせます」
「そうか、それは楽しみだ」
「時に部長」
「なんだね?」
「部長はどうしてあいつをこの部にいれたんですか?」
「それは後輩くんのことか? そうだったら君の紹介だったからに決まってるだろ?」
「いやそうじゃなくて、だって部長、俺は全然入部させてくれなかったじゃないですか」
「……確かに、言われてみれば謎ではある」
「でしょ?」
「だが答えは出た」
「早いですね」
「プロは仕事が早いものさ」
「で、その心は?」
「やはり君の紹介だったからだな」
「あの、答え変わってませんよ?」
「それ以上の答えなどないよ」
「相変わらず部長も意味不明ですね」
「いやいや、君と後輩くんには負けるよ」
「後輩と同じくらい変とか首吊るレベルですね」
「そこまでか?」
「そこまでです」
「まあ何はともあれ私はこれから仕事だ、〆切が近いから明日からはまた来れない、文芸部は頼んだぞ」
「頼んだぞって言われたってただ部室来て執筆してるだけですけどね」
「それが大事な事なんじゃないか」
「まあ承りましたよ」
「ああ、ではな」


 部長は黒いコートを翻し、部室から出て行った。


「俺の紹介だったからに決まってる、か、それなら俺が中々入部出来なかったのは、なんでだ?」


end
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