「神造生体兵器 ハーネイト」

トッキー

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第七話 史上最凶最悪の微生物生命体 サルモネラ伯爵3世登場!

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ハーネイト遊撃隊7


 天日城を破壊するため起動した、からくり攻城兵器「富岳王」の囮になるため、迷霧の森に入ったハーネイトは、富岳王の捕獲及び転送には成功するも、街に戻れなくなっていた。ダグニスたちが居場所を確認しようとするも、町から遠ざかるばかりであった。彼らが疑問に思う中、ハーネイトは2人の男と、1人の少女に出会うのであった。
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ハーネイトが迷霧の森に入って帰ってこないまま夜を迎えた。日之国は季節を通じて過ごしやすい環境ではあるが、迷霧の森はその真逆である。常に霧が森を満たしているため、とにかく湿度が高く日中は気温も上がるため、体力の消耗が激しい領域である。

 「兄貴は今森のこの辺りですね。生体反応も問題なしです。」

  ダグニスは、ハーネイトの居場所をレーダーで把握し、捉えていた。

 「便利ですね。あの怪しい霧のなかでも位置を特定できるとか、これなら見つけるのも容易ですね。」
 「むう、確かにあの森が自然現象で発生した霧でああなっているなら、我らが迎えにいっても問題はない。」
 「しかしあの霧は、強い魔力を帯びていると。これは本当に手も足も出せない。ご先祖様が魔銃使いだったと聞くから俺にも魔法耐性あるかと思うが、分かんねえなこれ。」

  現状を理解するも、もどかしくこぶしに力が入るリシェル。リシェルの話す魔銃使い、それは魔法と近代武器の融合により生み出された魔銃で敵と戦う者のことである。実は彼にもその先祖以上の力が存在するが、彼はこの時はまだ気づいていなかった。そしてエレクトリールも不安な表情を浮かべている。それでも、エレクトリールは考えをまとめ話す。

 「いまここで話をしてもあれですし、一旦城に戻って報告したあと、作戦を考えましょう。もう暗いですし、これ以上外にいるのは危ないかもしれません。」
 「確かに、今回のことは早く殿にお伝えしなければ。皆のもの、城に戻るぞ。」

 八紋堀らは一旦城に戻って報告をすることにした。その頃ハーネイトは、近くにあった木の切り株に座り、ポケットに入っていたナッツバーの袋を開け、一口かじる。彼は不安な時は甘いものが手放せないようだ。

 「今回待ち合わせの件も含め敢えて霧のなかに入ったが、さて、少しは報告しとかないと。ウェンドリット!」

 「ハーネイトがそう叫ぶと、上空から、一羽のフクロウが現れ、舞い降りながらハーネイトの元に来た。」

 「いきなり呼び出すとは、荒いな。しかも霧の中とは。ほほう、さては迷ったな?」

ハーネイトの肩に止まり、顔を覗き込むようにそのフクロウ、ウェンドリットは話しかける。

 「少ししくじっただけだ。そして計算のうちでもある。しかしすまないが、これを日之国のお城まで届けてきてほしい。」

  ハーネイトは、ウェンドリットに白い手紙を渡し、残っていた干し肉をウェンドリットにあげる。

 「んむ、分かった。しかしお主、嘘をついているだろう?やはり迎えでも呼んでおこうか?ほう?」

  ウェンドリットは、ハーネイトのついた嘘を容易く見破る。しくじったという部分について、迷霧の森の中に忍者が住んでいる里があることを知っていたこと、そして彼が以前から忍者と言う存在に興味を持っていたことから、待ち合わせの件も合わせて偶然を利用して会いに行くのではないかとかまをかけたのだ。

 「やれやれ、何でばれるのか。迎えはいい。それよりも、王様たちは元気か?」

  ハーネイトの質問に、ウェンドリットは険しい表情でこう言う。

 「元気にはしとる。それよりもメイドたちが表情を鬼にしていたような気がするホウ。特にミレイシア、彼女にまた会った時は、切腹でも覚悟しとくといいかもホウ…。」

  見るからに怯えているウェンドリット。この梟は原住生物だが、幻獣の域に達したカムドフクロウと呼ばれる個体である。人語を理解し、魔法使いの使い魔としても非常に優秀なフクロウである。このカムドフクロウらは、博識かつやや上から目線な性格の持ち主が多い中、ウェンドリットは少し違うところがある。ややヘタレな一面があり、特にとある人物には口答えがまともできないほどという状態である。

 「メモは残したんだがなあ。ミレイシアはまずい。彼女ほど怖い女性はいないと断言できる。なんであんな人雇ってしまったのだろうか。」

  ハーネイトは事務所で雇っているメイド、ミレイシアの恐ろしい表情を思い出し、体を自身で抱きしめながら身震いをした。天然で力が人知を超えた強さのハルディナに対し、理性的かつ、確実に追い込み、主人に対しても厳しく物事をいうミレイシアとのやりづらさに、ほとほと頭を抱えていたのだった。彼の胃も精神的に荒れているだろう。

 「きちんと通信道具で連絡していない主も悪い。やれやれ、あとで合流した時、弁明と遺言の言葉でも考えておくんだな。

  他人事だと思い、いやらしく笑いながら彼はそういう。

 「やはりそうくる?怖い、ああ怖い。遺言は嫌。とにかく、手紙の件はお願いする。」
 「任せてくれ。では早速。まあ気を付けるんだな主よ。」

フクロウのウェンドリットは、ハーネイトから渡された手紙をしっかりと爪で掴むと霧の中を突っ切るように飛び去り、日之国の方向に向かった。

ウェンドリットを見送った後、ハーネイトは以前ダグニスから聞いた忍の話を気にしていた。長年旅をしてきた彼も、霧の森以南の情報について知っている点は少ない。ウェンドリットの指摘したとおり、ハーネイトは霧の森の周辺の情報を集めるために、偶然とはいえ富岳王に対し囮作戦で、自然に自身が森に入るように仕向けたのだ。唯一の誤算は、予定以上に森の奥まで入っていったことである。ダグニスに位置を知らせる魔導レーダーを持たせており、発信機となるペン型投げナイフも所持しているため、魔法使いでもいれば救出は時間の問題ではあった。しかしよくよく考えれば今のメンバーで正式な魔法使いは自身だけだということを思い出し苦笑いしていた。

  その頃、ダグニスらは城の中で話をしながらハーネイトの位置をレーダーで確認していた。

 「はあぁ、ハーネイトの兄貴大丈夫かなあ。(ハーネイトさんの作戦、把握しました。以前私に話した、忍に会ってくるつもりですね?わかります。)」
 「彼はかつてあの森から無事に帰還した。大丈夫だ。しかしなぜこの状況で。」

  夜之一は、ハーネイトがかつて森から帰ってきたことと、何故、今森の中に入っていったのかを疑問に思っていた。

 「分かりませんね、とにかく位置が分かっているならば問題ないですね。」

  彼、ではなく彼女は位置を把握できることに安堵していた。

 「しかし、無理に囮などせずとも最小限に被害を抑えて倒すことも出来なくはなかっただろうに。やはりおかしいな。無理がたたっているのだろうか。」

  今度は八紋堀も同様の疑問を口に出した。そして彼の様子について思ったことを口にした。

 「もしかして忍者に会いたくなったとか?ほら、前にリシェルさんが言っていたあの話ですよ。」
 「げっ、あいつらと?」

  リシェルは、忍者と言う言葉に敏感に反応した。よっぽど忍者にトラウマがあるのか、確かにトラウマはあるにはあるのだが、その嫌がり方は尋常ではなさそうだ。

 「おや?リシェルさんでしたけ?忍者が怖いのですか?」

  ダグニスが嫌な顔をしているリシェルに少しニヤニヤして問いかける。

 「ち、ちげえよ。ただ昔色々あっただけだ。」

  少しうろたえながらお茶を濁そうとするリシェル。

 「ふうん、その話気になる。って外から白い鳥がこっち向かってるんだけど。ってウェンドリット!」

ダグニスは外を指差し、こちらに向かってくる一羽の白い鳥を教える。彼女もたびたび事務所に遊びに来ているため、彼の使い魔たちとは知り合いではある。

 「ハーネイトの伝説の使い魔、ウェンドリットではないか。久しぶりに見たのう。」

 八紋堀はそういい窓から腕を出す。そしてウェンドリットは城の窓の前で、爪で掴んでいた手紙をそっと爪から離し、素早く飛び去った。

 「なんだなんだ。手紙か。ってハーネイトさんの使い魔と言うことは、師匠か!」
 「そうですね、って師匠呼びですか。とにかく中を見てみますね。」

エレクトリールは八紋堀から手紙を渡してもらい、畳んだ手紙を開いて文章を確認する。

 「えーと、しばらく迷霧の森の調査を行います。昨日は済みませんでした。以上に強力な助っ人と待ち合わせをしているのですがその間、町の警備や不穏分子の摘発をリシェルらは行ってほしい。と書いてありました。また何かあれば使い魔をよこします。ということです。」

 「ちょ、ハーネイトさん!なんか嫌な予感がする。」
 「はあ、うすうすそうかとは思ったが。しかし異常に強い助っ人か、それはいい話だ。」 
 「調査か、やれやれだな。あとで捕らえたあの男の尋問でもしようか。ハーネイト風に、足から頭の先までたっぷりとな。」
 「ほどほどにしておけよ、あと唐辛子攻めはさすがに引くからやめておけ。彼が帰るまで警備を強化しておくかの。

  手紙の内容を確認し、リシェルは嫌な予感を感じる。その一方で夜之一は新たな仲間を期待し、八紋堀が昨日捕らえたホールズと言う男について尋問を行おうとしていた。こうして各々が得意なことをするため、各人は部屋を後にするのだった。一方で全員、若干彼の考えていることが理解できなかったのは確かである。

その頃、ハーネイトのメイドたちとアレクサンドレアル6世、ルズイークとアンジェルはトレーラー型移動拠点「ベイリックス」に搭乗し、シャムロックの運転の下リノスを越えて、街道を走っていた。

 「しかしこの車、乗り心地いいな。トレーラー部分には部屋が幾つもあるし、移動拠点の名は伊達じゃないな。」

 独立した運転席から、外の景色を眺めつつルズイークはベイリックスの評価をする。

 「お褒めに預かり光栄です。これもハーネイト様のためですよ。」

その言葉に、シャムロックも自慢げに各機能について説明をする。

 「しかしまあ、こんなものをよく作ったわねシャムロック。一人で車を作るとかやはり変態的だわ。」

  その言葉に、シャムロックは趣味ですからと軽く答える。今は無きマッスルニア帝国の元王子だったこの男は、ハーネイトの噂を聞き王子のプライドを捨ててまで彼の元に来たある意味変態であり、一種の信者と化していた。その異様な体と風貌、格好から、最初にハーネイトの事務所に訪れた際にはお帰りくださいとだけ言われたという。それに彼も対抗し、得意な技術を見せつけ、ハーネイトに付きまとう内に、その熱意に彼が根負けして、正式に雇うことになったという。正直こうなるとストーカーのレベルだが、それでもシャムロックにとって、ハーネイトの生き方や在り方は魅力的であり、忠義心についてはミロクよりも上である。

 「本当に、お主のこういった熱意は恐ろしいな。儂もハーネイト様に命を救われ、腕を見込まれて今はこうしているが、王子の座を捨ててまで誰かに仕えようとするのは正気の沙汰ではないな。」
 「確かに。だから変態なのよ。その格好も。」

  ミレイシアとミロクは、元は仕事の依頼主であり、同時に影からハーネイトを支援する団体「バイザーカーニア」の一員でもある。実は派遣されている身でもあるこの2人だが、ミレイシアがハーネイトの元に訪れ、とある依頼をすることから始まる。結果として、ハーネイトはしっかりしたミロクを雇うことにするが、この際にミレイシアはまさかの脅迫まがいなことをし、ハーネイトに自身を雇わせたというらしい。ミレイシアは今ではほぼ絶滅したとされる、本物のこの星の古代人であり、同じ匂いのするハーネイトに興味と、そして心の中で危機感を抱き、何が何でもそばに置いておきたいという理由があるため、強硬手段に出ている。本当は彼のことが大好きなのだが、気持ちを伝えるのが下手なため互いにずれた状態となっている。

 「あなた方には、この服の良さが理解できないだけです。」

  シャムロックいわく、この黒いゴスロリメイド服こそ自身の最高の衣装であると豪語する。その服を着るものが、身長が2m30cmを越え、筋骨隆々で顔が怖くなければという話だが。

 「誰もが、あんたの姿を見れば二度と一生忘れられないだろうな。」

  ルズイークのその意見に、シャムロックは大笑いする。

 「ハッハッハ、それも少しは狙っているが。さて、先を急ぐぞ!」

  始終丁寧な言葉遣いをするシャムロックは、車のアクセルを踏み、車体を加速させるとガイン荒野を突っ走るのであった。

 真夜中を過ぎ、時間にして丑三つ時になる。ハーネイトは魔法で光を作り、夜の森を優しく照らしていた。濃い霧の影響で、光は不規則に拡散し幻想的な風景を照らし出す。この森は生き物の気配がほとんどない、不気味な森である。事務所のあるリンドブルグの周辺に存在する森とは違う雰囲気に、ハーネイトも神経を尖らせていた。

 「やはり見通しが悪いのと霧の魔力が辛いな。あまりモタモタしているわけにはいかない。」

 彼がそう考えながら、魔法の明かりをじっと見つめていると、すぐ近くで突然、巨大な魔方陣が展開する音が聞こえ、すかさず立ち上がり一瞬で身構える。

 「おいでなすったな、この世で最も凶悪かつ邪悪な存在よ。」

  ハーネイトが魔方陣の音が聞こえた場所を確認し、その方向に首を向けると、そこには角が頭から生えた、青髪の、がたいの良い不気味なオーラを発する男と、金髪で華奢な、背中から羽を生やし露出の高い紫のハイレグタイツの服を着た少女がそこにいた。青髪の男がハーネイトに気づき、元気な声で話しかけた。

 「やって来たぜ、相棒。あれから結構変わったようだな、老けたか?」
 「疲れているだけだ。まさかこうして手紙を出して、会わなければならない事態が来るとは思わなかった。」
 「それもそうだな。内容を見た時はびっくりした。もう5年目か、早いものだ。」

  ハーネイトの前にいる男は、サルモネラ伯爵3世という。通称伯爵と言い、今から約6年前にこの世界に来て、かつて一度死闘を演じたことのある男、いや謎の超生命体である。

 「お久しぶりです、ハーネイト様。あれからどうですか?私は常に魔法の腕を磨いていましたよ。」
 「ああ、久しぶりだな。元気にやっていたか?」
 「おかげさまで、伯爵との旅はとても楽しかったです。粋な計らい、とてもよかったです。ハーネイト様、昔に比べ弱っていますか?」

  このもう一人の声が落ち着いた、優しそうな少女はエレナ・エリザベス・リリ-という。またの名をティンキー・リリーとも。ハーネイトが6年前に助けた、地球から異次元ルフループではなく、転移してきた元人間であり、サルモネラ伯爵の大切な人である。そして一年間だけハーネイトと行動を共にし、魔法使いの中でも最も名誉である位名持ちである。「花」の魔法師の名前を持つ非常に優秀な魔法使いでもある。

 「ああ。色々あってね、精神的に参っているというやつかな。そういや2人とも、あれから何かあったか?」
 「まあいつも通りだな。てか大丈夫か相棒?ヤバイ連中がここまで来ているのは部下たちの情報で分かってるさ。微生物あるところならまるっとすべてお見通しだ。もっとド派手に動けるならあれだが、俺が動くといろいろ騒ぎになりそうだ。」

  伯爵は、今起きている事態について全て知っているという。それは事実であり、彼のあまりに特異な能力がそれを実現させている。彼は人間ではない。ではなにか。それは、その気にさせれば全人類を軽く死に絶えさせることも可能な、死神ともいえるこの世全ての災厄と言われる。しかしそんな彼も、ハーネイトとの出会いで人が変わっている。

 「以前のようにはいかない感じだな。しかし相変わらず恐ろしい能力を持っているな。その気になれば、この世のすべてを見ることも楽勝だな。」

  彼は伯爵の怖さを身をもって知っており、敵に回せばまず勝ち目がないと考えている。その言葉に、伯爵も彼の体を軽くひじ打ちしながらこう返す。

 「そういう相棒こそ一国の王よりも影響力と知名度あるじゃねえか。うらやましい。認められる存在ってのは動きやすくていいな。」

  伯爵は、ハーネイトこそ自身にはない力をいくつも持っていると指摘する。

 「はあ、俺はそういう存在にはなりたくない。化け物呼ばわりされて、大切な人に嫌われると、胸が張り裂けそうだ。」
 「お前さんは昔からいつも考えすぎだ。それなら俺様なんかどうすりゃいいんだ?確実に力使えばビビられるし。ハーネイトが側にいてくれたらと旅の中でそう感じた。」
 「それもそうね。心細い時もあったわハーネイト。でもこれからはずっと一緒ね!」

  ハーネイトの言葉を聞き、伯爵は相変わらず変わっていないところがあるなと思いつつ、自身のことと、そしてハーネイトがいないとどれだけ面倒だったかについてリリーと同意見を言った。

 「そんなにか、そうか。2人はさ、そんなに俺のこと気になる?」
 「ああ、いろいろな。」
 「異世界に来て助けてもらって、伯爵に会わせてくれた。偶然かもしれないけどハーネイト、あの時貴方がいなかったらダメだったと思うわ。」

  2人がこうして、ハーネイトに感謝の意を述べ、仲がよいのか。それは5年前に起きた事件と、伯爵、リリーの壮絶な過去がそうさせるのである。

 「その通りだな。本当に頭上がんないぜ。大切な存在も故郷も一度は消えたが、それでもこうして戻ってきたからな。」

  伯爵自身は別の世界の住民であり、今も王様をしているが、自身とは別の生命体であるハーネイトにここまで入れ込み、まるで昔からの友達のように付き合うのは様々な思惑と、伯爵なりの感謝の伝え方でもあった。そしてハーネイト自身が知らないことを、伯爵は知ってしまったからだ。彼が実は人間ではないということを。

 「ええ、そしてハーネイト、貴方の旅の事情を聞いた以上、なにもしないわけにはいかないわ。」
 「ああ、これからはずっとそばにいさせてくれ。俺の側にいていいのは相棒、あんただけだ。」

  2人は、これからずっとハーネイトと行動を共にすると言った。お互い多くのところを見て回り、改めてその上でハーネイトの側にいて活躍したいと考えていた。

 「そうか、わかった。はは、お前らも物好きだな。しかしこのタイミングでこう3人が揃うとか、敵にとっては悪夢でしかないな。」
 「まあそれは相棒がもっと全力だせる状態ならばの話だがな。」
 「ねえ、悩みがあるならどんどん言って?前にいろいろ聞いて、辛いことがたくさんあったのは分かったわ。」

  ハーネイトのいうことに対し、伯爵やリリーは本調子ではない状態の、今の彼を気遣っていた。前はもっと自由に動いて活気もあったのに、今では落ち着いていて頼りがいはあるものの、何か物足りなさを感じていた二人であった。
  実際彼は大きな悩みを抱えていた。旅をしていた理由である出生や力の謎についてまだわからずじまいであったこともあるが、何よりも彼は力を恐れていたのだ。力を奮わなければ守れない、しかし奮いつづれば畏敬され嫌われる。いつしかそう考えるようになり、どうしても慎重になってしまうようになったのだ。昔あったある事件で彼は人間に対し不信感をどこか持つようになったという。そして何よりも、嫌われることを恐れそれが足枷となり、彼を苦しめている状態であった。これは伯爵も似たような状態ではある。しかし伯爵は既に自身の存在などそんなものだと割り切っており、そうでない彼とは違う所が見受けられる。彼を元に戻すには、周囲の人がいかなる時でも彼を受け入れる姿勢を見せ嫌わないことが大切となるだろう。そしてそれは、ある形で解放されることになるのだが、それはまだ少し先の話であった。

 「ああ、ありがとうリリー。全力を出せば今の状況なんか全部吹っ飛ばして、念願の休暇を手に入れられるけど、怖がられるのは嫌だな。」
 「ハーネイト……。」

  ハーネイトの言葉にリリーはそれ以上言葉を返せなかった。そんなとき、ハーネイトの背後から何か音がする。

 「誰だ。」

  彼は、瞬時に刀の柄を握り抜く構えをとる。すると、茂みの向こうから大きなため息が聞こえてきた。

 「そこの茂みにいる奴、早く姿を表した方がいいぜ。でないと何が起こるかわかんねえぜ。」

 伯爵の言葉に反応しそれは茂みから素早く飛び上がり、ハーネイトたちの頭上を飛び越えて、すっとそれは着地した。

 「はいはい、出ましたとも。これでよいか?」

  ハーネイトたちは目の前に現れた男をよく観察する。 金髪の癖毛が強い、迷彩柄の和風な衣装を着た、その姿は如何にも、アメリカ人などの外人が無理して忍者のコスプレをしたような、違和感のある出で立ちの男であった。ハーネイトも伯爵も忍者の話は聞いていたが、彼らの思った姿とは大分かけ離れていた。

 「忍者にしては、不思議な服装だな、本で読んだのとかなり違う。」

  その見慣れない服装にハーネイトは質問する。

 「あ、ああ。如何にも俺は俗に忍者と呼ばれるものだ。数世紀前に別の世界からここに飛ばされた人らの末裔って所だな。」

  その男はこの世界での忍者について、世俗一般的にこの世界で伝わっていることを簡潔に説明した。

 「へえぇ、中々変わった服を着ているのね貴方。」
 「あれが忍装束とよく言われる衣装らしい。機能性が高いらしいな。」
 「考えて作られている、のかな?しかし、今まで見たことない服ね。」

  2人はその男の服に興味津々で、凝視し続けていた。

 「んで、忍者と分かったが名は何と言うのだ?」
 「お、俺の名は南雲。南雲流星だ。あんたらは一体何者だ?こんな霧の中に平気で立っているとか只者じゃない。」

  軽い口調でそう自己紹介するこの男こそ、かつてリシェルやルズイークが出会った忍者、南雲である。

 「それは、貴方もでしょ?ニンジャさん?」
 「確かにそういえるが。あんたらは何て言うんだい?」

  南雲に名を聞かれ、順番に自己紹介する。

 「俺様はサルモネラ、サルモネラ・エンテリカ・ヴァルドラウンだ。まあ伯爵と言ってくれるとうれしいけどな。」
 「私はリリー、エリザ・エリザベス・リリーよ。」
 「私はハーネイト・ルシルクルフ・レーヴァテインだ。よもや顔写真とか見たことないとか言うなよ?」

ハーネイトの名前を聞いた瞬間、南雲の表情が固まり、口が空いたままになる。

 「なんだと、もしかして解決屋のハーネイト様ですか?」
 「ああ、如何にもその呼び名で通ってるが。」

ハーネイトの言葉を聞き確信した南雲は突然涙を流す。

 「あう、うっ…。こんなに早く見つかるなんて、何て運がいいんだ。うおおおおおお!」

 叫ぶ南雲を、やや引き気味に見ながらハーネイトは話しかける。

 「顔を知らなかったのか。まあいいが何かあったのか?南雲よ。怖いぞ。」

  あまりの様相に、少し怖いと感じる彼。泣きまくる南雲の話を聞くと、南雲は依頼でハーネイト探しの旅に出たところ、持病の方向音痴で道に迷い、絶望に暮れていた所、偶然ハーネイトたちの姿をこの森で見つけたという。

 「そうか、しかしこの辺りは忍者とかの縄張りではないのか?私もこの霧のせいでこの一帯以南の調査や仕事ができずに困っているが、話によればこの森のなかにあるらしい。どうなのだ?」
 「確かに里はこの森の中だ。しかしよく道を間違えてしまう。」

  南雲は里についてハーネイトの言葉を肯定し、なおかつ道によく間違えることを伝える。
 「それ仕事する上でかなり問題ではないのか?」

  それに伯爵は冷静に突っ込みを入れる。

 「確かにその通りだ。そのせいで中々仕事が来なくての、やっと仕事が来たと思ったらやらかすし。」
 「困った、忍者さんですね。」
 「はうっ、それを言うな、言うな…。」

ティンキーの優しくも、悪戯心を含ませた一言で南雲は項垂れた。

 「とにかく整理すると南雲は私を探しにきたが道に迷い絶望していたところ運よく目標が出向いてくれた、てことかい?」
 「その通りです。」
 「そうか、しかしこの南雲が数年前、機士国まで彷徨い基地を滅茶苦茶にした奴なら、ってさすがにそれはないか。」

ハーネイトはさりげにリシェルが出会した忍者の話をする。すると南雲の顔が青ざめた。

 「な、なんでその話を!」
「当たりとはな!やれやれだな。リシェルに会わせたら喧嘩しそうだな。」

ハーネイトがその事実に思わず驚き、やれやれと呆れ気味に言ったその時、森全体に地響きが起こり、複数の鋭い眼光が森の奥から、ハーネイトらを包囲しつつ睨み付ける。

 「ふん、魔獣か。この反応は。」
 「蜥蜴のような魔獣が8体、完全に囲まれてる。」
 「リルパスか、この辺りにもいるとはな。あとで記録だな。生態系調査も自然管理の観点から必要な仕事だ。」

そういう彼らの周囲を、リルパスという魔獣がジリジリと近づいてくる。4足歩行する、大型のトカゲであるリルパスは気性が荒く、縄張りに入るものすべてを食い殺すという。リルパスたちは息を切らし涎を流し、今にも噛みつきそうな勢いである。

 「まずいっすね。こいつら濃い霧というか瘴気を吸って正気を失っていますよ。」
 「いや、彼らの縄張りに入ったのだろう。仕方ないが、倒さないといけないか。あまり数が多いと、他の生物が住みづらくなりかねない。」

ハーネイトが素早く鞘から刀を抜き、弧月流の構えにはいる。そして数体のリルパスがハーネイトに襲いかかろうとしカウンターをハーネイトが取ろうとしたとき、突然眩い光と轟音が森中に響き渡る。

 「今度はなんだ、新手か?」
 「なーにやってんの?早く片付けないと瘴気が迫ってるよ!ほらっ!」

 声のした方向を全員が向き、確認すると木の上に、南雲と似た格好の女が、爆弾をリルパスらに投げつけていた。

 「来たか、風魔。相変わらず荒いな。」
 「何よ、道によく迷う南雲に言われたくないわ!てか早く戦いなさいよ。」

 風魔と呼ばれる女は軽やかに木々を駆け抜け、勢いよく円盤形の大型手裏剣を投げつけて、リルパス1体の胴体を引き裂き倒す。無駄のない動きにハーネイトは感心する。

 「ああ、ではやるか。」

 南雲は飛び上がり、敵陣のど真ん中に飛びこむ。すると無数の手裏剣の嵐がリルパス4体を覆い、無数に切り刻んでいく。そして変身を解除し元に戻ると、リルパスは肉片と変わり果てていた。

 「武器に変身するのか、イジェネート使いか?」

ハーネイトが南雲の戦いを冷静に分析していると、仲間のフェロモンに気づいて更にリルパスの群れがやって来た。

 「やるか、伯爵!」
 「応よ!俺たちの前に敵はあらず、ただ屍残るのみだ。正直言えば何か文句言うやつらは力を見せつけて反論させ泣けなければいいんだが。相棒も気楽にいこうぜ、な!」

ハーネイトの掛け声の後、伯爵は笑顔で笑いながらそう言う。ハーネイトは伯爵の前向きな発言を受け止めつつも少し困惑していた。そして彼は刀から橙色の魔閃を連射し、リルパスたちを焼き炎上させる。

 「刀を杖代わりに使うのも悪くない。」

ハーネイトがニヤっと不敵な笑みを浮かべながら高圧の魔閃を刀から射出し続ける。伯爵と言う、複雑な関係だが友とも呼べる存在に思わず以前の片鱗を見せる。

 「相変わらず変なやつだな、魔法使いって定義が揺らぐぜ。ハッハッハ!」

ハーネイトの戦う姿を見て、腕を組みながら豪快に笑う伯爵。しかし彼の背後にはリルパスのボス個体、リリテラパスが今にも伯爵を噛み殺そうと迫っていた。

 「後ろ!来てるわ!」

しかしリリーの声は届かない。南雲と風魔はそれに気づき、急いで伯爵の元に向かう。間に合わないかと思ったそのとき、伯爵は突如紫色の霧となりリリテラパスに瞬時にまとわりつく。するとリリテラパスが跡方なく消え、伯爵がまた現れた。伯爵は「体は菌で出来ている」という菌界人という生命体であり、全身を無数の微生物で構成されている。自在に結合分離でき、それにより一旦リリテラパスにまとわりつき、それを分解し食べたのである。なぜこのような生命体がいるのか不思議ではあるが、これもある存在により生み出された者であるという。

 「いま何が起こった?」
 「な、なんでリリテラパスが一瞬で!?」

 二人は動揺していた。忍でも一人では苦戦する魔物を彼はいとも簡単に一瞬で消した。その事実にその男が容姿も合わせ只者ではないことを悟った。

 「フハハハッ、いい養分だ。では、フィナーレだ。」
 「では私もだ。亡者の魂 混沌の湖。掬い上げ丸め無念を返す。魂の質量に震えて泣いて潰れるがよい!大魔法の11の号、混魂光弾!」
 伯爵は指パッチンをし、右腕を紫色の霧に変えると、それをリルパスの残りの個体すべてに、火炎放射器のように放射した。そしてハーネイトは大魔法の詠唱をし、全てを押しつぶす魔法の白い弾、混魂光弾をリルパスたちに発射する。

 「グアアアアアアアア!!ギャア!!!!」

すると、伯爵が放った霧を浴びたリルパスらは急にもがき苦しみ、跡方もなく分解され絶命した。そして光の弾に飲み込まれた他のリルパスたちもその重い弾丸に押し潰され絶命した。

 「終わったか、伯爵も相変わらず戦い方が怖い。もっと剣とか使えば怪しまれないだろうに。」
 「それは互いにそうだろ。てか大魔法か、なんてパワーだ。くぅう、習いたいぜ!」
 「暇ができたら教えてあげるよ。お互い、なんか似た者同士だよね。色々と。」

ハーネイトと伯爵が互いに戦い方について話をしている。そして二人の戦いをすべて見た忍者二人はあまりの強さに、恐怖で体が震えていた。ハーネイトとは違う理由で伯爵が恐ろしく、人類にとって危険か。それは菌界人の特性であるこの世に存在する微生物を無限ともいえる数を従え、自身の体の一部にできる能力者であるからと言えよう。
  改めて菌界人とは、特定の菌種、例えばサルモネラ菌やカンピロバクターなどの菌の概念が核となり、それに無数の微生物が肉体を構築、1人の人間状生命体として存在を確立している者である。こいつらの何よりも恐ろしいところは、いかなる攻撃も意味をなさず、その彼らが放つ攻撃も防御が一切不可能という所にある。自在に体を構成する微生物を自在に結合、分離できるため、切られようがくっつき、爆風で吹き飛ばしても周りの微生物が取り込まれ、肉体を再形成することができる。彼らを倒すには、3つの方法があるが、どれも非常に現実的ではない。もしその一つをしようものなら、人類も全滅してしまうからだ。
  伯爵はその中でも最も強く、先ほどの放出攻撃「菌弾・放射砲」も特異な体を利用し、有害性の非常に高い微生物を敵の体内に送り込ませ、菌で分解して絶命させたのだ。これを聞いて勝てると思う人はいないはずである。それすらも仲間にしてしまうハーネイトの器量の方が恐ろしいという人がいるかもしれないが、どちらもそうである。

 「次元が違うとはこの事か、あのトゲ蜥蜴の群れを一蹴とかおかしいだろ。」
 「何者なのよあの人たちっ、ってああああっ、こんな、ところで…。」

 風魔はハーネイトの方を見ると、突然気絶し木の上から倒れ落ちる。

 「おい、風魔っ、どうした!?」

 風魔が気絶したのを見たハーネイトと伯爵はすぐに駆け寄り、ハーネイトが風魔の体をしっかり抱きかかえた。

 「大丈夫か?って、気絶しているだけか。」

ハーネイトは抱えた風魔を木に寄りかからせる。しばらくして、風魔が目を覚ます。

 「うーん…。はっ、私ったら何を。って顔近いっ!」

 風魔はハーネイトの顔を見て顔を赤くする。

 「具合が悪いのか?」
 「たぶんちげえよ、ハーネイトのファンとかか?顔が赤くなっているし。」
 「はい…。ハーネイト様にこんなところで会えるなんて、はああ…嬉しいです。貴方が解決屋を始めた時からずっと尊敬していますわ。」
 「そ、そうか。それはどうもだ。」

  風魔のうっとりした表情に疑問を思いながら、ハーネイトは自身のことについて一応聞いてみた。

 「はい!実際に会ってみると、益々よいです。もしかしてこの森で迷ったのですか?良かったら里まで案内しますよ?お話、たくさん聞かせてほしいです。」

  積極的に顔を近づけ、目をキラキラさせる風魔。それに対し困った顔をしつつも、里に行きたかったため案内を頼むハーネイト。今ではファンと言うか、それに属したものが多く存在するもここまで嬉しそうにしていたのは他にはダグニスぐらいではないかと彼は考えた。そして昔異能の力で迫害されたり、化け物扱いにされていたことを思い出しつつ、世界も変わったなと思うのであった。

 「では風魔、案内を頼もうか。南雲の件もあるしな。」
 「勿論です。では見失わないようにしてくださいね?」
 「んじゃついてくぜ。」
 「私もよ。楽しみだわ。」

こうしてハーネイト一行は、2人の忍者とともに忍の里に向かうことにした。

  その頃、敵の幹部フューゲルは本部から派遣されている上司のミザイルとある店のバーで話をしていた。

 「ここ最近、妙な男がいるのですが、ミザイルさんは何か心当たりはありますか?」

  彼は一枚の写真を、ミザイルと言う男にみせる。それを手に取り、ウィスキーを片手によく見る。

 「知らないな。これがどうかしたのか?」
 「実は、この男がDGの作戦を邪魔しているようなんです。」

  その言葉に、ミザイルは表情を変化させる。

 「ほう、それは面白いな。」

  彼の言葉に、さらにフューゲルは一言付け足す。

 「しかも、この男からは古代人の気を強く感じるのです。この男は、イジェネートと呼ばれる力を使い、更に偶然居合わせた偵察機械兵によると、異形の姿に変身し、その姿はまるで悪魔のようであったと。
 「そうか、それは一度見てみたいな。」

  ミザイルはそう言い、酒を飲み続ける。知らないと言いつつも、ミザイルは彼の姿を知っていた。ミザイルにも秘密があるが、それは古代人であること。尚且つ、この世界とは違う場所にある「天神界」という所からDGを監視に来たスパイであるのだ。それを隠すため似たような、しかし別の気を感じるフューゲルを警戒し少しはぐらかしながらそう答えたのである。

  彼の名はミザイル・オフクローク・レスティネイシスという。天神界からDGの監視、そしてとある人物の捜索について任務を受けていた。

 「この先会う可能性もありますね。気を付けておいた方がいいかと思いまして。」
 「そうだな、分かった。ほら、これで何か食べていくといい。」
 「ありがとう、ございます。」

  ミザイルは机の上に少しのお金を置き、先に自身の会計を済ませ外に出た。

 「白い男も探しているあれか。これは面白いことになってきた。」

  ミザイルはそう考えながら夜の街に消えていった。ミザイルのもう一つの任務は他の天神界人と協力し、以前行方不明になった神造兵器の捜索であった。

 「しかし、食えない男だ。かつてDカイザー様が天神界を攻めたというが、彼もその出身とは何を考えているのだろうか。」

  フューゲルは飲み物を頼んで飲みながらそう考える。このフューゲルと言う男も相当厄介と言うか、存在自体が問題のある物であった。この星特有の問題、異世界からの侵略が一つに挙げられるが彼はその侵略者の息子である。そしてDGについて因縁のある同じく侵略者であり、彼の父であるDカイザーは息子に潜入捜査をさせていたのだ。時にその侵略者である力を使い、悪魔に変身しながら活動していたのである。

 「とにかく写真の男がDカイザー様の言った空から来た男であることは間違いないのは確認済みだ。これからどうするか悩むな。」

  そう考えながら彼は外の景色を見ていた。このミザイルとフューゲルも、のちにハーネイトと言う存在の元に集うことになるとはこの時予想もしていなかったのである。
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