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※番不在の発情期(8)sideクオーツ
それから、もう何日目かわからない連続の交わり。
最低限、生きていくために必要なことをする時間以外は文字通りずっと、ラズと交わり続けていた。
「ぁっあっ、あっ激し……っあんっぅ」
「ほら、ラズ、まだ赤ちゃんできるには足りないよ、頑張って」
「んんぅっ、」
もはや喘ぎすぎて声も枯れ枯れな状態でも尚、フェロモンは私を求めている。
その証拠に、繋がったそこは私のソレを強く捕らえて離さない。
そんな仕草ひとつが全ての雄を刺激するのだと、わかっているのだろうか───。
しかしそれも今日で殆ど落ち着くだろう。
あれだけ濃かったフェロモンがだいぶ薄れてきていた。
既に出るものも出ないラズが射精を伴わない絶頂を迎えたと同時に私も中でイく。
「あっ、ぁ…あ……」
「───っ」
長く小刻みな絶頂。
ゆっくり、じんわり迎えた絶頂を噛み締めるよう正面から抱きしめ合いながら、共にその余韻に浸っていた。
「……は、はぁ、も、できない」
「ふふ、そうだね、ずっとヤリっぱなしだったね」
発情期もすっかり落ち着き、正気を取り戻したラズが疲れたと言わんばかりにパタンとベッドへ体を投げ出すのを囲った腕の間から見下ろす。
額に張り付いた前髪をそっと梳いてあげるとされるがまま目を細める姿がかわいい。
「うえぇ…べとべと…気持ち悪い…」
「お風呂入ろうか」
「入るぅ…」
暗に運んで、と両手を伸ばしてくるラズにクスッと笑うと、腕を首に巻き付けさせそのまま持ち上げる。
軽く腰にタオルは巻くも、誰の目も気にせず、お互いラクな格好でベッドがある主寝室から併設された浴室へ向かうと、バスタブにはいつでも入れるよう常に新しいお湯を張らせておいた。
現に何回かラズのフェロモンが落ち着いた拍子にお湯に浸かる時間も設けていた。そして毎回、なし崩しに湯船の中で事が始まるのだが……ラズは覚えていないだろう。
大人二人は余裕で足を伸ばして入れるバスタブにそっとラズをおろすと、お湯が染み渡っているのか気持ちよさそうにふえぇぇ…と沈んでいく。
「ふふ、溺れないでね」
「ん~」
ろくに話を聞いていない事が丸わかりの生返事に苦笑しながら私もラズの隣へ身を入れると、発情期の余韻なのか、いまだ甘えたモード継続中のラズは自ら私の足の間に腰を下ろし背中を預けてくる。
ていのいい背もたれにされる事を喜んで受け入れ、満足するまでお湯に浸かり続ける穏やかな時間が流れていた。
バスタブの縁に頬杖をつき、目の前の後頭部を見下ろしていると、襟足から覗く項に刻まれた痕に目がいった。
そこには新しいものから古いものまで、全て私が付けた痕跡。
無意識に吸い寄せられるそこに、ちゅっと軽く口付けを落とせば「ひょ!?」っと上がる色気もない声。
バッと項を押さえ、「いきなりなんだよ…」と睨んでくるラズに溢れる想いが止まらなかった。
「──ラズ、私との未来を見てくれて、ありがとう」
「は?……別に、クオーツがひとりじゃ寂しぃ~って言うから仕方なく、───んぅ」
照れ隠しのラズの言葉を遮り塞ぐ唇。
華奢な体を壊してしまわないよう慎重に抱きしめながらの口付けは始めは一方的なもの。それが次第に応えてくれるようになるのが嬉しい。
隙間なくぴったり吸い付く唇の感触を心ゆくまで堪能した。
*****
一週間たっぷり籠り、突発的なラズの発情期は無事終了した。
その間、放棄した外交遠征の件やその他公務などやらねばならない事は死ぬほど溜まっていたが、満たされた心はすべてを難なく片付け、常に上機嫌な様は、主な尻拭いに奔走していたトールから呆れた目を向けられた。
そんな平穏な日常が流れるこの国に、さらに祝福が訪れるのはそれから数週間後。
それは、国民全てが待ち望んだ知らせ。
王妃懐妊の一報が国中に知らされた───。
番不在の発情期 -END-
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