【完結】今日も推しに辿り着く前に嫉妬が激しい番に連れ戻されます

カニ蒲鉾

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SS・IF・パロディー

【SS】前世の記憶sideクオーツ(3)※

 
 
 *****
 
 
 
「───ツ、クオーツ!」
「っ!っは…は……夢…?」
「おーい、大丈夫か?汗すごいぞ?」
「……ラズ?」
 
 
 長い夢から覚めた感覚に気持ちが追いつかず、心臓はバクバク暴れている。
 まだ薄暗い辺りをゆっくり見回せば、そこは昨夜普段通りラズと共に眠りについた見慣れた寝室のベッドの上だった。
 
 重だるい上半身を起き上がらせ、ベッドヘッドに背中を預けなんの夢を見ていたのか思い出そうとしても頭にモヤがかかったようにぼぉっとして思い出せない。
 顔を手で覆う私を心配そうに見上げてくるラズ。そんなラズの目が次の瞬間、ぎょっと大きく見開かれた。
 
 
「!?クオーツ、なに、泣いて……」
「え…」
 
 
 指摘されてはじめて気付く。
 自然と目尻から涙が流れていた。
 
 
「もー、なんだよ、怖い夢でも見たか~?よしよし、ラズ様がついててあげるから大丈夫だぞ~」
「っ、」
 
 
 まるで赤子をあやすように、私の頭を抱きかかえベッドに膝立ちで抱き締めてくれるラズ。番の体温とフェロモンのおかげか、暴れていた心臓が段々と落ち着いていく。
 この時不意に、この子が今こうして私の隣にいてくれる事が奇跡だと、何故か突然そう思った。
 
 
「……ありがとう」
「ふふ、どういたしまして、珍しいね、クオーツがそんななるの。どんな夢見たんだか」
「……ハッキリとは思い出せないんだけれど、大切な何かを失う悲しい夢、かな」
「ふーん……それは、泣けちゃうね。仕方ないからこのまま抱き締めて寝てあげる」

 
 起きるにはまだ早い時間帯。二度寝の為、布団の中へ私を誘うラズの無防備な唇にちゅっとキスを落とす。
 
 
「……」
「ラズ、好き」
 
 
 目を丸くするラズへそっと囁いてはもう一度唇を塞ぎ、ぐるんっと覆い被さる。されるがまま抵抗の無いことをいいことに、どんどん舌同士の繋がりを深めながら密かに滑らす手で下半身も割りさいていく。
 
 
「……は、ぁっ」
「好き……大好き、愛してる…ラズ」
「んぅ」
 
 
 少し触れただけであっという間にぐちゅっと濡れる後孔が私を受け入れてくれているようで嬉しい。
 知り尽くしているラズの良いところを執拗にかわいがり、ひっきりなしに漏れ出る声を堪能しながらぐずぐずに溶けきった体に「いい?」と聞けば、こくりと頷きが返ってくる。
 ゆっくりゆっくり身を進め、ひとつになると、ラズの中を味わいながら私で感じるラズを目に焼きつける。
 
 その姿を見て、また涙が流れた。
 
 
「……クオー…ツ?」
「っ、ラズ、私のラズ。今度こそ絶対に離さない…手放さない。最期まで私と一緒に───」
「相変わらず……んっ、激重だなぁ…大丈夫、僕は居なくならないよ」
 
 
 前世の記憶を持つラズは自分の最期を経験したことがある。そのせいかたまに達観したような顔を見せる時がある。
 ラズの前世──翡翠の最期の話だけは聞いたことは無かった。これからも聞くことは無いだろう。
 
 
 ラズとラルド、前世の記憶を持ちさらに前世でも繋がりのある二人を一番間近で見てきた私は、記憶の無い完全なる部外者。記憶が無い所か二人が生きた前世での繋がりに私は無関係なのだろう。そうそうそんな縁が輪廻を越えて再び一箇所に集まってくるとは思えない。

 しかし、運命の番という今世でのラズと一番強い繋がりを手に入れたのは間違いなく、私だ。
 ラルドを差し置いて、私に回ってきた。

 これが何を意味するのかはわからない。
 けれど、絶対に離してはいけない、一生そばに居る、私がラズを幸せにする───
 そうする事で、いつの頃からか心の底にある得体の知れない何かが満足するような、そんな感覚があった。

 

 
「ねぇラズ、好きって言って」
「ぅ、うるさいっ馬鹿クオーツ」
「お願いお願い、好きって聞かせて?」
「~~っ、───す…き」
「うん、私も、ラズが大好き」
 

 一生、共に───。
 



 
【前世の記憶】END
 
 
 
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