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4【就任披露パーティ】
4-15脱出(1)
しおりを挟む「さて……まずはどうやってここから出るか、ですよね」
「うむむむ……」
腹を割ってじっくり話し合うことができたものの、時計のないこの空間であの二人組が去ってからどれだけの時間が経過したのかがわからない。
なんなら、パーティ会場から誘拐されてからで考えると尚のこと不明―――。
けれど、ここから逃げ出すためには美樹彦さんとの協力が必要不可欠。この話し合いのおかげで僕に対する態度がだいぶ軟化してくれたのは嬉しい結果で、重要な時間だったと思える。
だから、願わくば……まだ船に動きはないと思いたい。
「……ひとつ気になる事といえば、外の見張りがあまり見張りの役割を果たしてない点、ですかね」
「ん?どういうこと?」
「先程僕たち、けっこうな声量で話していたと思うんですけど、注意するどころか覗きにも来ない」
「あ……確かに」
窓がない密閉された空間だとはいえ、外からの足音は聞こえた部屋だ。逆に言えばこちらの声や音も外に聞こえているはずで、先程の美樹彦さんの泣き声はそのラインをゆうに越えていた。
「そもそも、本当に見張り役はいるんでしょうか」
「……試してみる?」
「え、美樹彦さん?」
すくっと立ち上がった美樹彦さんは今から何をするのか説明するより先にすたすたと扉までたどり着くと振り上げた腕を―――
ドンドンドンッ!!!
「!?」
「ねぇぇっトイレ行きたいんだけどーーー!」
あまりにも突然のことに、ぽかん……と呆気にとられてしまったが、はっと我に返ると慌てて立ち上がり美樹彦さんを扉から引き離した。
「ちょ、ちょっ、何をしているんですか!?」
「見張りがいるか試してみよっかなーって」
「そんな危ないこと突然しないでくださ―――」
ガチャッ
「Shut up! Be quiet!」
「うわっ」
「っ」
二人してビクッと肩を震わせながら、咄嗟に美樹彦さんを抱き込み豪快に開いた扉を凝視する。
結論から言うと、見張りは、いた。
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