【本編完結】欠陥Ωのマタニティストーリー

カニ蒲鉾

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1【妊娠】

1-20 不眠症(5)※

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 ふに、と触れた唇が一瞬の接触だけで満足しすぐに離れようとした瞬間、首の後ろに回った手がそれを阻止する。あ~んと開いた口がこちらへ向かってくる光景はまるで楓真くんに食べられてしまうんじゃないかとそう思った。
 
 
「んぅっ」
 
 
 気持ちのいいくらいぴったり重なる唇。
 何度も角度を変え、求められる事に喜び必死に呼吸をしながらその要求に答えていると、不意にれろっと舐める舌が唇を上下に割開き中まで入ってくる。反射的に口を閉じようとすると後頭部を覆う手が項をくすぐり、あっと声が漏れ自然と口が開いてしまう。
 しばらくは歯列や上顎を擽っていた舌がとうとう引っ込んでいた僕の舌を絡めとり……くちゅ、と触れ合った瞬間、全身に甘い痺れが走った。
 
 
「っふ、」
 
 
 けっして激しいキスではない。
 ゆっくり、ねっとりと、感性を引き出されるようなそんなキス。それにお互い夢中になって唇を重ね、気付いた時には楓真くんの身体に乗り上げ、跨ぐようにして向かい合っていた。
 
 
 最後にここまで深く唇を重ねたのは妊娠発覚してすぐ、勤務中楓真くん専用仕事部屋でのこと。その時は盛り上がりかけた雰囲気を第三者の訪問で無理やり終わりを告げられた。だけど今日は、僕らを邪魔するものは何も無い。
 まだまだ明るい平日の真昼間のリビング。
 そんな場所で楓真くんに跨り、首に腕を回してそっと耳元に顔を持っていく。そして―――
 
 
 
「……楓真くん―――したい」
 
「っ、つかささ……ん」
 
 
 
 目を見ながらわざと煽るようにゆっくり唇を重ねた。
 
 
 楓真くんと共に大崎さんから妊娠中の性行為についてしっかり注意事項を聞いている。感染症や激しい動きにさえ気を付けて行えば、その行為は逆にオメガにとって番との安心感を得られる最適な行為だった。
 今までは僕の体調が芳しくなくそういう雰囲気にはなかなかならなかったが、今なら大丈夫だし、むしろ、楓真くんと繋がりたい。
 心から楓真くんを感じたい。
 そんな僕の想いを受け入れてくれたのか、唇を重ねながらそっと服の中に入り込んだ楓真くんの手がゆっくりと背中を撫でていく。直接肌に触れられるだけでビクッと反応してしまう身体。でも、もっと触って欲しい。そんな想いを込め、布越しに触れ合う下半身をぐりっと押し付けた。
 
 
「っ、つかささん、あんま煽んないで」
「楓真くん、もっと……」
「~~、体制変えましょ、つかささんがつらくない体位」
 
 
 そう言って楓真くんの膝の上に向かい合って座っていた身体を持ち上げられると、すぐさま反対向きに座らされる。楓真くんを背中に感じる背面座位。
 
 
「キツかったら、すぐ言ってください」
「……うん、わかった――んっ」
 
 
 無防備に晒す項にチュッとキスをされ、左胸に手が回される。布越しでもその頂点がツンと主張しているのがわかった。
 
 
「つかささん…なんか、胸大きくなった?」
「ん、そう、かも…母乳は出ないのに不思議…」
 
 
 実際妊娠の影響か、身体は至る所が丸みを帯びていると感じていた。少しふっくらした胸を直接触る楓真くんはわぁ…と楽しそうに揉んでいる。
 
 
「……楓真くん、もしかしておっぱい好き?」
「つかささんのだから好き」
 
 
 巨乳好きだったら申し訳ないと思って聞いただけなのにキッパリ言い切られ、ついあはっと笑いが漏れてしまった。
 
 
「あ、なんですかぁその余裕は」
「あははそんな事ない――んっ」
 
 
 ムスッとする楓真くんがかわいいなぁと思って油断していると、胸を揉んでいた手が下へと伸ばされ、あっと思った時には一気に性感を引き上げられる。
 ぐりぐりと布越しに触られる下の前後。
 
 
「ぁ、っん…んん」
「下のつかささんのお口、直接触りたいけどダメですもんね…指も、俺のココも、服やゴム越しでしかつかささんを感じられないのが残念」
「んんぅ…僕、も…楓真くんそのままが…いい」
「~~~っだから、煽らないでって!」
 
 
 切羽詰まった楓真くんの声を後ろで感じ、嬉しい…と思いながら僕もそっと後ろ手に手を伸ばし既に固く身を起こしかけている楓真くんを撫でさする。すると不意打ちにビクッと揺れる楓真くん。ニヤリと笑うと悔しそうに睨まれ、そこからはお互い意地の張り合いのようにお互いのものをたかめあった。
 
 
 どちらからともなく邪魔な布を脱ぎ払い、股の間から伸びる楓真くんと僕のものを合わせて擦り合う淫妖な空間。聞こえるのはぐちゅぐちゅと鳴る水音と僕の喘ぎ声そして時たま楓真くんの息を呑む声も。
 どんどんたかめられる感度に脚はガクガク揺れ、ついに――イきそ…、と小さく耳元で喘げば、一緒にイこ、と囁かれ唇を塞がれる。

 まもなく楓真くんの大きな手の中に二人して精を放っていた。
 
 
 

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