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1【妊娠】
1-21 不眠症(6)※
しおりを挟む楓真くんの綺麗な手からドロッと垂れる二人分の精液が手首まで伝っている。そんな光景をぼぉっと眺めていると、反対の手を伸ばした楓真くんがローテーブルにあるティッシュを取り、拭おうとする。
それがなぜか、もったいない、と思ってしまった。
考えるより先に身体が動き、両手で楓真くんの腕を取ると口元まで引き寄せ、手首まで伝った白濁にそっと舌を這わせる。
ぺろりと舐めた瞬間、ビクッと楓真くん全体に震えが走った。
「!?つかささん何を」
「んん、変な味……」
「当たり前じゃないですかぁもう…ぺってして!」
ぺっぺ!と言いながらティッシュを口元に当てられる。別にそこまでじゃないのに…と思いながら、もう何も残ってないですアピールで後ろを向き楓真くんの目を見ながら舌をべっと出して見せた。
そんな僕にもぅ~っとくしゃっと笑うと結局使わなかったティッシュで素早く自分の手を拭い、そのまま頬を軽く握りぶちゅっと潰される。不細工なタコの口にされ抗議を込めてんんんっと声を上げていると、真正面からぶちゅっと唇が合わされた。
すぼまった唇をハムハムはまれ、唇で唇を割開かれる。あっという間に再びキスに夢中になり、顔だけを後ろに向けて楓真くんの首に腕を回していると、不意に外気に晒されたもう長いこと触れられてこなかった狭い穴の入口に、直接チュッと合わさる固さをもった質量を感じる。
「っあ……」
唇を離し、股の間から下に視線を向けるとまさに楓真くんの性器の頭が僕の入口に擦り付けられている、そんな光景が広がっていた。
つい逃げる力が働き、膝に力を込め腰を上げてしまう。だけど逆に丁度いい高さで腰の位置を捕まれ、何度もチュッ、チュッと、後ろからけっして中には入らないよう意識された動きで合わさる生身の楓真くんと僕の下の穴。膝はガクガク揺れ、次第にじわりと濡れだす穴に触れる度、くちゅっと水音があたりに鳴り響く。それはとても、
―――もどかしい。
そのまま入れて欲しい……のに、腰を掴む逞しい腕がそうはさせてくれない。
「ん、んぅ、ふう、まく……や、お腹、切ない」
さっきから、お腹の奥深くがきゅんきゅん疼いて仕方がない。その固い楓真くんのそれで一気に奥まで貫いて欲しかった。
「っ、つかささん、腰、揺れてる……絶景」
「―――ぁうっ、」
そんな思考を邪魔するかのように不意に背中をべろっと舐められた途端、勢いよく仰け反ってしまう。上半身を覆うシャツを胸まで捲られ、後ろから回った手がピンッと主張する胸の頂点をこねくり回す。触れられない前の性器は一度精を放ったというのに再びすぐに痛いくらい張り詰め、ひとりでにフルフル震えている。
全てがじわじわと僕を追い詰めた。
「ふ、うまく…はやく、ふうまくん――」
腰を浮かせたおかげで目線が僕より下の楓真くんに、涙目で早く楓真くんが欲しいのだと訴えれば、どこからともなく取りだしたコンドームを口にくわえ器用に封を切ると無言で自分のものに被せだす。
あっという間に行われたその手は冷静を装っているが実際にはあまり余裕のない様が楓真くんの表情から見て取れた。
それがとても嬉しかった───
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