VRMMOで神様の使徒、始めました。

一 八重

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本編

第11話 マヨイは確認する。

前章のリザルト回です。
説明文多めです。
────────────────

 翌日、夏休み2日目の日曜日。
 僕は朝食を食べてすぐ"Continued in Legend"にログインした。昨日の激闘の末に獲得した新しい覚醒やスキルの内容が気になって仕方がなかったからだ。

「冷たっ!?ここは噴水の中か!」

 ログインした先は強制的にログアウトさせられた専用フィールドではなく、専用フィールドへ移動する直前にいた噴水の中央に置かれた像の側だった。
 噴水の水飛沫を浴びた僕は慌てて噴水から脱出、広場の片隅に設置されたベンチに腰を下ろした。

「はぁ……ん?なんだこれ」

 予期せぬ事態から脱し、一息ついた僕はメニューの通知欄が点滅していることに気がついた。まだフレンド登録した相手もいない僕に心当たりはない。
 それでも確認しないわけにもいかないのでメニューから通知欄を確認すると、それは運営から連絡だった。


[CiL運営]緊急メンテナンスのお詫び
[CiL運営]一部仕様変更のお知らせ
[CiL運営]不具合修正のお知らせ


 まず1番上の『緊急メンテナンスのお詫び』は深夜に行われた4時間ほどの緊急メンテナンスのお詫びのようだ。この場合の緊急メンテナンスとは、その文字の通り運営側にとって可及速やかに対処しなければならない問題を解決するためのメンテナンスだ。
 お詫びの品として添付されていたのは美味しそうなリンゴジュースだった。

 名称:リンゴジュース
 内容:CoL運営からのお詫びの品
    取引対象にできない
    飲むと爽やかなリンゴの風味が喉を潤す
 効果:獲得経験値量2倍/4時間


 せっかくなのでレベリングする直前に飲もう。
 4時間の効果時間は長いように感じるが、メンテナンスに掛かった時間分の補填ということなんだろう。

 次に『一部仕様変更のお知らせ』だ。
 内容としてはアルテラの西にある森"アルテラ大森林"をパーティ毎に振り分けられるインスタントフィールドから、全てのプレイヤーが一堂に会するオープンフィールドになったそうだ。それに伴ってエリアボスを討伐しなくても先のフィールドに行けるようになったらしい。おそらく緊急メンテナンスの理由の大半はこれが原因だろう。

 最後は『不具合修正のお知らせ』だ。とあるクエストの専用フィールドが本来のものではないものと入れ替わっていたらしい。これに関しては詳しい説明は書かれていないので分からないが、もしかしたら"蒼神の使徒"のことかもしれない。

「さて、次はステータスだ」

 若干の高揚感を覚えながらメニューから自分のステータスを確認する。


◼︎パーソナル
名前:マヨイ
性別:男
位階:27
資質:狩人/魔術士/神使
覚醒:灰神の使徒/蒼神の使徒
称号:灰神の寵愛/蒼神の祝福

◼︎ステータス
体力:23854
魔力:76099
筋力:32
耐久:32
器用:7376
敏捷:11831
知力:8942
精神:10481

◼︎スキル
①探索
②魔力弾
③灰の神威
④灰神の法器
⑤蒼の神威
⑥蒼神の法器

◼︎アイテム
名工のナイフ
アルテラの旧い地図


「は?」


 ツッコミどころが多すぎてフリーズしてしまった。
 まずステータス、記憶が正しければ位階が上がったというアナウンスはなかった。聞き逃していてるだけだっとしても、位階27で4桁や5桁はおかしいだろう。もし正確な数値ならレベル差によるステータスの差が相性の有利不利すら覆しかねない……と思う。ここまで一気に上がってしまうとゲームバランスを心配してしまう。

 念のため運営に確認を取っておこう。
 不具合の意図的な利用でアカウントを削除されるのは嫌だ。このゲームのサポートセンターは余程のことがなければAIが対応してくれるらしいので少し不安ではあるがメニューから問い合わせ画面を開く。

『はい。運営のニノマエです』

「こんにちは。マヨイといいます。昨日、連続接続制限で強制的にログアウトされ先ほどログインしました。ステータスを確認すると数値が信じがたいほど上昇していたのですが、これは正常な動作でしょうか」

『少々お待ちください……はい、マヨイ様の現在のステータスは正常です。ステータスの詳しい計算式はヘルプからご確認いただけます』

「ありがとうございます」

 これで正常な動作らしいが、やはり不安なのでヘルプを確認することにした。それによると体力と魔力を除いた筋力や知力などのステータスは[5+位階+素質補正値×位階+覚醒補正値×位階^2]で計算されているようだ。

「いや、2乗は強すぎでしょ」

 もちろん位階が急上昇したせいもあるが、ほぼレベル分しか上昇していないステータス(筋力や耐久)と覚醒の恩恵を強く受けたステータス(敏捷や精神)の差は歴然だ。
 ちなみに覚醒として新たに獲得した【蒼神の使徒】のステータス補正値と称号として獲得した【蒼神の祝福】はこのようになっている。


 【蒼神の使徒】
 蒼神の神威を代行する者
 敏捷+11 器用+7 知力+5 精神+3

 【蒼神の祝福】
 蒼神から祝福を賜った証。
 金属装備ペナルティ軽減(60%)


 金属装備ペナルティについては初耳だ。
 ヘルプによると探索関連スキルの精度や隠密行動にマイナスの補正値が掛かるらしい。あとは装備に使われている金属が原因で魔術の使用が妨げられることもあるようだ。それが6割も軽減されるというのはメリットとしては大きいのだろうが、それでもデメリットをわざわざ被る必要はないので金属装備を装備するかはそれの性能次第になるだろう。

 次に新しく習得したスキルの確認だ。
 これまた神様関係のスキルなので性能がおかしい。
 まずは既に獲得済みの"灰の神威"と名前が似ている"蒼の神威"からだ。やはり名前が似てるということもあってか効果もどこか似ているように思える。

名称:蒼の神威
分類:補助 神聖
対象:自身
射程:なし
効果:最大攻撃速度+100%
   被ダメージ減少(50%/残り体力50%以下)
   ステータス増減効果倍加
再使用:0秒


 最大攻撃速度の上昇は全ての攻撃に恩恵があるそうだ。僕の場合は魔力弾の射出速度が上がるのは超強化と言っていいだろう。

 被ダメージ減少は自身の残り体力が50%を下回った場合に発動する効果のようだ。これは昨日倒した蒼神の使徒に対して与えるダメージが途中から減少した原因だろう。積極的にダメージを負うつもりはないけど、それでも保険としては十分なほど強力な効果だ。

 ステータスの増減効果倍加に関しては本格的にゲームバランスを心配する内容だった。効果の説明を読む限りでは"灰の神威"の効果によって減少値が増加値に反転した場合であっても倍加は適用されるようだ。
 自分を弱体化させるデメリットを持ったスキルがあれば更にステータスを上げることができるだろう。

 そして"灰神珠の瞳"という獲得した時点でゲームバランス的にどうかと思っていたスキルが"灰神の法器"というスキルに変化した。その効果は単純な上位互換だ。


名称:灰神の法器
分類:補助 神器 瞳
対象:自身
射程:なし
効果:両眼を魔法媒体として扱える
   スキルの思考発動解禁
   スキルの並列発動解禁
   補助スキル効果+100%
   攻撃スキル効果+100%
再使用:0秒

 補助スキル効果の増加の恩恵は恒常的なスキルには働かないようなので現時点では宝の持ち腐れだ。やはりステータスの増減に関するスキルを習得したい。

 攻撃スキル増加の増加の恩恵は僕のメインウェポンとも言える魔力弾の威力が単純に2倍になるようだ。何度も言うけど本当にゲームバランス大丈夫なの?

 そして最後は"蒼神の法器"だ。これもスキル名から予想できる通り、ゲームバランスの調整を間違えてるとしか思えないものだった。


名称:蒼神の法器
分類:補助 神器 心臓
対象:自身
射程:なし
効果:心臓を魔法媒体として扱える
   補助スキル効果重複解禁
   スキル使用後の硬直削除
   補助スキル効果+100%
   攻撃スキル効果+100%
再使用:0秒


 "灰神の法器"と違う点は3つ。1つは魔力媒体化する部位が瞳ではなく心臓であることだ。これに関しては目を抉られた際の予備の魔法媒体という意味では有用かもしれないけど目を抉られたい訳ではないので、これ以上は考えないことにした。

 2つ目は補助スキルを重ね掛けした場合の処理の変更だ。本来なら同じステータスを増減する補助スキルは後から使用した方のスキルに上書きされてしまうところを2重の強化を得られるようになる効果だ。ただし、同じ名前の補助スキルの効果は今までと同様に後から使用したもので上書きされてしまうようなので、有効活用するなら複数の補助スキルを習得する必要があるだろう。

 3つ目はスキルの技後硬直をなくす効果だ。これも今の僕には無用の長物ではあるが、持っていて損はない効果だろう。

 補助スキルと攻撃スキルの効果上昇については効果を読んでも重複するかどうかは分からなかったので運営に問い合わせた。その結果、同名の効果は高い方の補正値が適用されるだけで重複はしないことを知ることができた。

 獲得した覚醒と称号については非公開情報にした僕は昨日受けたクエストを消化するためにアルテラ大森林に向かった。

──────────────
お読みいただきありがとうございます。

文脈がおかしな部分を修正しました(2020/10/20)
スキル表記の[再使用:なし]を[再使用:0秒]に変更しました。
(2020/11/27)
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