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学校とさっくんと桃井
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しおりを挟むオレだけが、取り残されている。
「あの執事に優遇されることに慣れ過ぎたんだよお前は」
「…そうかも、しれない」
「……あと、さっきのは一応確認しただけで、家族で恋人とかありえねぇから聞くまでもないことだったな」
「うん」
それも、ちゃんと覚えてる。
家族、友達、親友、色々な関係があって、その中でも家族と恋人が一番ちかいものらしい。
…だから、正孝が言うには、オレとさっくんは特にずっと一緒にいるから、その家族に対する気持ちを恋人に対するものだと勘違いしやすいそうだ。
(……確かに、なんだか今の感覚は少女漫画で読んだ主人公の気持ちににているような気がする)
……うむ。これは区別が難しいな。と改めて思った。
教えてもらった漫画にも家族や親友への想いを恋だと勘違いして、後で凄く後悔してる人もいた。
それに、さっくんは大人で、オレはまだ高校生だから、恋人になるのははんざいになるらしい。
そういう意味でもありえないって言ってた。
「まぁ、普通に考えれば、…絶壁胸板男よりぼっきゅんぼんで可愛い女に仕える方が男としても幸せってもんだろ。常にエロ本の女と一緒にいるようなもんなんだから」
「…う、確かに。それはわかる」
「だろ?桃井は顔良いし、胸でかいし、男の憧れだし、普通の男なら喜ばないやつはいねーと思うけどな。俺があの執事の立場なら願ったりかなったりってやつだ」
「…そうだな」
無理やりに笑顔を作った。
「しかも桃井の方もあの執事のことマジで好き好きオーラ出しまくってたし、お互いに万々歳だろ」
「…うん。大好きって感じだった」
それは見てればわかった。
…けど、好きっていっても、先生として好きとか、尊敬してるとか、そういう意味じゃなかったのか。
正孝に聞いたら、絶対にそっちの好きじゃねえだろ、と途方に暮れたような表情で即否定された。
「…本当に教師と生徒…いや、それももう違うか…執事と主人の関係でおさまれてるか、見ものだな…」
「……?」
クククと楽しそうに喉をならして小さく呟いている正孝に、?と頭を捻ると、なんでもねーよと頭を撫でられる。
「あー、お姫様抱っこ?の時なんかぜってぇ執事にデカパイわざと当ててただろうし、並の男ならたまんねーだろうな。案外今頃保健室で楽しくやってるんじゃねーの」
「…楽しくって、」
桃井は体調が悪いんだぞ、と少し窘めるように言うと、ばかにしたような、呆れたようなため息が返ってくる。
「なんだよ。その顔」
「……まぁ、なんにせよだ。夏空から見たら、その大事な家族が今まで以上に幸せそうに見えたんだろ?だったら、素直に喜んでやれよ」
「…よろこぶ、」
「そうだ。俺の母さんも弟が結婚するときは辛かったって言ってたけど、相手の幸せをために、そこはぐっと我慢して見送ったらしいからな」
「…そうなのか」
皆、そうなんだ。
どの家族もこの痛みに耐えて、先を生きてるのか。…すごいな。
「おう。家族だからこそ、邪魔はできない」
「……じゃま、か…。……うん。そうだな。正孝の言う通りだ」
流石だ、とこくん。頷く。
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