116 / 356
学校とさっくんと桃井
16
しおりを挟む今日の朝、教室で、さっくんを執事にしたいって言われた時にふわって香った匂いと…同じ香りが、今のさっくんからもする。
ほとんど教室にいなかった桃井。
普段より着崩れてるさっくんの服となくなったネクタイ。
朝とは確実に違う雰囲気と、同じ香りの二人。
真新しい二つのキスマーク。
…性の知識に疎い自分でも、これだけ証拠があればわかる。
「さっくんは、桃井とも…キスしたのか?」
「…っ、」
不意打ちだったらしい。
オレの問いに、さっくんの表情が微かに変化した。
図星を突いた、そんな感じだった。
「…したんだ」
落胆したような声が零れた。
一気に気分が萎えていく。
別にさっくんが誰とキスしようが、いかがわしいことをしようが、匂いがつくくらい抱きしめあってようが、今のオレには前みたいにそれを制限する権利はない。
(でも、でもさ、)
「さっくんって、案外軽いんだな」
「……っ、゛」
家族とのキス以外は、すっごく大切な人とするキスしかないって言ってたのに。
…桃井はさっくんの家族でもなければ、ほんの昨日までただの生徒でしかなかったはずの人間だ。
なのに、執事になったからってほいほい簡単にするなんて、おかしいだろ。
「……それか、やけに女の扱い上手いっていうか…女慣れしてるし、キスくらいなんでもないのか」
(もしそうでなければ、もう恋人ってやつになったのかもしれない)
随分関係が進展するのが早いんだな。
まぁ、そりゃあお互いに好きなら教師と生徒ってこと以外に何の問題もないのかもしれないけど。
だからって授業さぼらせてまで桃井と…その、いちゃいちゃするのは良くないことだと思う。
「…したいんなら、素直に桃井のところに行けよ」
「オレで遊んでないでさ」と付け加え、気丈に振舞って、身体を起こす。さんざん身体を弄ばれた後だから、腰から崩れおちそうになって、ぐ、と必死にこらえた。ここでみっともない姿を見せられるか。
…きっと、大方、桃井が疲れたのかなんだかで寝てて、だからオレをからかって暇を潰してたんだろう。
18
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる