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甘くて、痛くて、泣きたい
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(かわり…?)
オレが、桃井の…?
数秒遅れて、その意味を理解する。
「…っ、」
オレの意思なんかどうでもいいんだろう。
片方の手は繋いだまま、逃げることを許さないというように、睫毛を伏せ、首筋に顔を埋めてくる。
肌を擽る彼の髪から香るシャンプーの匂いが、
きゅっと絡めた二人の指が、
上に見える暗い天井や部屋の景色が、
今言われた台詞が、
…全部が、まるで夢みたいで、
ベッドの上に寝ているはずなのに、頭が、目の前が、ぐらぐらしてきた。
(オレ、なにか悪いことした…?まちがえた…?)
ただ、オレは桃井のことが好きかって聞いて、
本当は、そうじゃないよって、オレが大事なことに変わりはないって言葉を期待して、
…それだけだったのに。
「オレ、は、桃井じゃな…っ、のに…っ、ひ、ぅっ、」
だから、代わりなんか、できるはずがない。
触れるのも、…キスするのも、別の物では価値がなくて、
…好きな相手だから、意味があるんじゃないのか。
それに、
「オレは女じゃ、ない…っ、」
オレと桃井では、まず性別が違う。
だから肌の柔らかさも、髪の長さも、身長も何もかもが違うんだ。
重なる部分なんてない。
代わりっていうなら、普通は少なくとも桃井と同じ女の人を選ぶべきじゃないのか。
「…ぃ゛、ぁ、…っ、だから、代わり、なんてできないの、わかってるだろ…っ」
いつもより、肌を舐める舌が、熱い。
イッたばかりでいつもより汗ばんでいる首を、鎖骨を、肩を、丹念に優しく舐めてくる。
親指と人差し指の腹でピンと芯をもって硬くなった乳首の突起や周りをいじられ続ければ、いやおうなしに声を出してしまった。
「そうですね。勿論、貴方は香織とは違う。女性ではありません」
「…だったら、…っ、」
クチュ、と舌が這って吸う厭らしい音が、何度も耳に届いて。
だから、余計に舐められた箇所からビリビリが、熱を増す。
身体が蕩けて汗ばむ感覚が怖くて身を竦ませた。
「けれど、昨日、俺と彼女がして、…貴方が他の男としていたように、
”それ”と同じ行為はできるでしょう?」
「…――っ、」
繋いでいる手とは別の手が、腰の形を確認するように括れをなぞり、下からも肌シャツをまくり上げられながら吐き捨てられた言葉に、
息を、呑む。
今までにないほど、血の気が引く。
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