225 / 369
彼と私の秘密(桃井side)
1
***
「……う、そ…」
感嘆に声が漏れる。
とあるスーパー。
やけに人の視線を惹きつけている男がいると思った。
サラサラそうな黒髪と、息を呑むほどの美貌。
上質なスーツを身に纏う、すらっとした長身を目にした瞬間、これは運命なのだと思った。
もしかしたら、と思ってここまで来た。
けど、無理だって諦めてて、
「…っ、咲人…!!」
勢いよく腕を掴んだ私の方を、少し目を見開き、驚いたように振り返る綺麗な顔。
(…嘘、本当に会えるなんて、)
奇跡だった。
咲人に会いたい。
咲人と、話がしたい。
もう一度、咲人と…
なのに、学校に出勤してこない。
音海が体調不良で休んでいることを教師から聞いた。
そのせいで咲人まで休み続けて、なんて奴だろうと思う。
看病までさせて、きっと今頃音海は大事にされているのだろう。
許せない。
許せない。
私だって、
私のほうが先に会っていれば、
私の方が、咲人を先に執事にしていれば、
今音海の位置にいるのは、私だったはずだったのに。
そう思って、会いに来た。
いないかもしれないと思ったのに、…彼と会えた。
”さっくんに触れるな”なんて馬鹿なことを言う音海の言葉を守る気なんて全くなかった。
信じてる。
咲人があれを全て音海に言わされたんだってこと。
本人から早く聞きたい。
嘘だったんだって。言わされたんだって。
私が聞いてあげないと。
「咲人、会いたかった…っ、!!」
溢れる想いのまま抱き付く。
ああ、咲人の香り。愛しい身体。
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
【花言葉】
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
【異世界短編】単発ネタ殴り書き随時掲載。
◻︎お付きくんは反社ボスから逃げ出したい!:お馬鹿主人公くんと傲慢ボス
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
一度も話したことないイケメンのクラスメイトと二人組になったらめちゃくちゃ執着されてた
時
BL
「はい、じゃあ二人組作って」──あまり人付き合いが得意ではない夏稀(なつき)にとってそれは地獄の言葉。
けれど高校ではちがう。なぜなら新しくできた友達と『二人組』協定を結んだから。
もう二人組なんて怖くないと思っていた矢先、その友達が風邪で欠席。
ほかに組む相手が見つからず、先生と組むことも覚悟する夏稀だったが、そこで声をかけてきたのは美形の転校生──緒川聖夜(おがわ・きよや)だった。
「俺と二人組にならない?」
その一言をきっかけに聖夜は夏稀との距離を急速に縮めてきて──。
執着美形攻め×平凡受けのちょっと不穏な学園BL。
約九万字、全三十話+αの物語です。