貴方は俺を愛せない

和泉奏

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雪華(せつか)

28


普段、服も含めた全てをさっくんに任せてるから、アクセサリー系はなおさら全然わからない。

だから、出かける時は雪華が行きたい場所に行くんだけど…人酔いも増して店員と話すのも苦手で、かつ今回は色々貴重な宝石が入ってて云々長い文章で説明され、頭の中が情報過多の思考停止状態だった。

裏面に2人だけの刻字ができることを聞いた雪華が喜んでいて、確かそれも追加になった。

さっくんと暮らすことが決まった時に親が渡したらしいクレジットカード。

(会いに来ないくせに一応死なせないためなのか)どれだけ使っても困らない程数えられない桁の金額が入っていたから、口座の残高は気にしなくても問題はない。

むしろこれからもずっと会いに来ないつもりなら、慌てふためくぐらいに使ってやろうとも思ってきた。

……この信じられない桁数の金額をどうやったら使い切れるか、まだ全然思いつきもしてないけど、たくさん買いまくれば少なくとも目標達成には近づけるだろう。


「ハロウィン、…約束してたのに行けなくなってごめん」

「ええっ、謝らなくていいってさっきも言ったでしょ。夏空は身体が弱いんだから、むしろ風邪が悪化しなかったのを喜ばないと。ね?」


「私は夏空とショッピングできたし、いっぱい買ってくれたし、……思いがけず、…告白、してくれたし……デート、楽しかったから大大大満足」って、急に行けなくなった日も楽しみにしてたはずなのに明るく笑ってくれる。


「これからも、2人でいろんなところに行って、……今までできなかったこともして、幸せに過ごそうね」

「うん」


「約束だよ…?」と、小さい子どもがするような仕草で小指を出してくる雪華に、なんだか懐かしいような気持ちになって少しだけ笑みが零れた。

そんなオレの反応に、「…っ、……もぅ、しなくていいもん…っ、」って、頬をほんのり赤らめながら、照れくさそうにぷくーっとふくらませる。

手を下げようとする彼女の小指に、するりと自分のを絡めて「約束」と言葉にすれば、ほっと安心したように笑顔を浮かべた。


―――――――


(……やっぱり、そうだ)

(雪華の傍にいると、癒されるのに…泣きたくなるほど胸が苦しい)

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