好きな男が他の女と結婚する

和泉奏

文字の大きさ
1 / 7
知らなかった

1

しおりを挟む


***

ずっと…好きだった。


「んぅ、ふっ……んぅっ…!」

「……は…っ、…ッ」

「…ぁッ!!はぁ…っ、奥…っ熱……」


ナカに放たれた白濁液を感じて熱い吐息を零す。初めてにも関わらず太いモノをずっぽりと咥えこむ自分の尻穴に緩い笑みを浮かべた。

……はじめてだから、すごく痛い。
痛いけど、でもそんなの気にならない程、初恋の相手と繋がっている”今”に満足していた。涙が零れるくらい幸せだった。


「…ッ、は…っ」

「あッ、あぐ、ぅッ、」


俺に腰を打ち付けてくる男も余裕なさげに息を荒げている。
こうして繋がることを求めなければ、きっと一生目にすることなんてできなかった。

色っぽい声。熱を帯びた吐息。
程よく鍛えられた身体。

今俺が彼に興奮を与えているんだということが嬉しくて堪らなくて、揺れて大きな音を鳴らすベッドにも構わずに尻を突き出しながらもっと奥にいれてほしいと懇願するように腰を自ら振る。

コイツさえ傍にいてくれれば、他の全てを失ってもいいとさえ思った。
友達としてじゃなく、本気で…好きだった。愛してた。


「…ッ、おまえ…っ、えろすぎ…ッ」

「は…っ、なれてんだよ…っこういうの…ッ」


唯人の声に鼻で笑って返す。
そんな自分の声音とは裏腹に心臓は引き裂かれたようにずっと痛みを訴えてくる。


「…っ、へぇ…ッ、そうか、よッ!」

「ぁぅ゛…っ、!!ぐ゛っ!」


…嘘だった。

全部、初めてだった。
こうやって男に挿入されるのも、自分から誰かにセックスしようと誘いをもちかけたのも。

全部この男が、…唯人が初めてだった。

でも、初めてだなんて知られたらきっと相手は重いと感じる。
ショックを受ける。
もしかしたらこの行為さえ、やめようと言い出されてしまうかもしれない。

(…そんなの、絶対に嫌だ)

だから、わざと慣れているふりをした。
お前が初めてじゃないんだって嘘をついた。

そうでもしないと、今すぐにでも身体の奥から込み上げる感情に負けて泣いてしまいそうだった。


「……ッ、…おまえ、実は男もイケたんだ……っ?」

「…っ、は…っ、ぁ゛…ッ」


どことなく嘲りを含む声に、強く胸を突き刺されたような痛みが走る。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

好きな人に迷惑をかけないために、店で初体験を終えた

和泉奏
BL
これで、きっと全部うまくいくはずなんだ。そうだろ?

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。 青春BLカップ31位。 BETありがとうございました。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 二つの視点から見た、片思い恋愛模様。 じれきゅん ギャップ攻め

キミと2回目の恋をしよう

なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。 彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。 彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。 「どこかに旅行だったの?」 傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。 彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。 彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが… 彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

処理中です...