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知らなかった
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しおりを挟む「はぁ…ッ!ぁ…っゆいと…っ、」
「…ッ」
後ろから伸びてきた手にぐちゅぐちゅと前の勃起したソレを扱かれて。
今俺の性器を触っているのが彼の手だと感じた瞬間、思考する間もなく一瞬でイッた。
背筋から駆け上るような快楽に肉体は大きく痙攣する。
身体の奥の部分が熱くなって意識が混濁した。
性器の裏側を擦られるという快感と、今自分は好きな相手にそうさせられているのだという幸福感。
激しい突き上げにすぐに射精感が湧き上がってくる。
「やっ、ゆいとッ、つぎ、つぎはいっしょ…!いっしょに…ッ」
また自分だけ先にイクなんて嫌だ。
涙を零して懇願すれば、直後ビクンと一際大きくナカで唯人の性器が脈打った。
「ゆいと…っゆ、…!」
「…ッ」
俺が射精した直後、唯人のモノも熱を放った。
温かい。
その熱で肚が満たされるのが嬉しくて目頭が熱くなる。
これがセックスなんだと思った。
相手を受け入れるってことがどういうことか、初めて知った。
「…は…ッ…ゆいと…すき…」
「…っ、…俺も…お前のこと…好きだよ…」
「…ッ」
まさか思わず口から出た言葉にそんな返事が返ってくるなんて思ってなくて。
…幸せだ。幸せなんだ。
きっと今この瞬間、俺は世界中の誰よりも幸せだった。
「…っ、ぅ…」
シーツに隠すように強く顔をくっつける。
嘘だってわかってる。
彼は俺に合わせて嘘をついてくれた。
…”好き”だなんて、俺にとってこれ以上ないほど最上級の嘘をついてくれた。
「…っ、――ッ」
油断すれば口から零れそうになる音を唇を痛いほど噛んで堪える。
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