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エステサロンの女社長 1
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この日、マイコさんは黒っぽいジャケットとひざ丈のスカート、光沢のあるピンクのブラウスという格好だった。服を着ていても胸の大きさがはっきりと判る。
ウェーブがかかった髪、細い眉、つややかなくちびる、ぱっちりした目。若い頃はさぞかしモテただろうと思う。もっとも、五十を過ぎている今でも、多くの男の目を引いているに違いない。
一方のミツルは、知り合いの結婚式のときぐらいしか着ることがない安物の紺のブレザーにチェックのパンツ、白いシャツにストライプのネクタイという格好だった。
フランス料理の店に行く、ということで、ミツルとしてはこれでも頑張った方である。
コース料理とワインを堪能した後、マイコさんから「もうちょっと飲んで行かない?」と言われて、彼女がときどき一人で訪れているという古風な感じのバーに移動した。カウンター席に並んで座り、二人とも黒ビールを注文した。
約一か月間、ミツルはマイコさんが経営するエステサロンの掃除をするバイトをした。もともと掃除を請け負っていた会社の女性従業員が、店内の備品を持ち帰っていたことが監視カメラによって発覚して契約を解除することとなり、新しい業者が見つかるまでの間、ミツルがピンチヒッターとして掃除のバイトをしたのだった。
ミツルをマイコさんに紹介したのは、興信所を経営している女探偵のリエコさんだった。マイコさんから臨時の清掃員を探していると聞いて、ミツルを紹介したのである。
マイコさんとリエコさんは、八年ほど前に夫の浮気調査を頼んだことがきっかけで親しい友人になったという。夫の浮気の証拠を手に入れたマイコさんは、離婚調停を有利に進め、結構な財産をぶん取ったお陰でエステサロンを開店することができたのである。事業は順調で、今では二号店もある。
ミツルは黒ビールを飲みながら、「マイコさん、美味しいコース料理をごちそうになって、ありがとうございました」と、あらためて礼を言った。「高級フレンチのコースなんて生まれて初めてでした」
「喜んでもらえたのなら、よかったわ」とマイコさんは口の片側にほうれい線を見せて笑った。「私、ときどき外食するんだけど、たいがい一人で、いくら美味しいものを食べてもあんまり楽しくないのよ。今度もまたミツルくんを誘っちたゃおうかしら」
「ええ、気が向いたらいつでも声をかけてください」
その後、マイコさんから「敬語はやめて」と言われてタメ口に変更し、何度か黒ビールのお代わりをしながら、共通の知り合いであるリエコさんや、その娘スミレちゃんの話などをした。
スミレちゃんはマイコさんが経営するエステサロンの二号店でエステティシャンをしている、もともとはミツルが働いていた引っ越し会社の後輩だった。彼女が上司からセクハラとパワハラを受けていたので、ミツルが専務にそのことを相談したところ、問題の上司は社長の甥っ子だったため、ミツルもスミレちゃんも権力にねじ伏せられる形で会社をさることになったのだった。
しかし、スミレちゃんは「エステティシャンに転職できてよかった」と言っていたので、結果オーライではあった。
ミツルもその後バイト生活をしながら、ミステリー小説の新人賞を目指すという大きな目標ができた。今のところ、予選通過はできても最終選考には残れない状態が続いているが、まだ心は折れていない。
マイコさんも、ミツルがミステリーを書いていることはリエコさんやスミレちゃんから聞いていて、コース料理を食べているときに「デビューしたら絶対に読むわ。いっぱい買って、知り合いに配るからね」と言ってくれた。また、セクハラとパワハラからスミレちゃんを守ろうとした出来事をしきりに「カッコいい」「ミツルくんは白馬の騎士よ」などと持ち上げてくれた。
お酒が進むうち、マイコさんはミツルがカウンターに置いた手の上に自身の手を重ねてきたり、笑いながらミツルの腿をさすったりするようになった。ときどき足を組み替えて、太腿をチラ見せしたりもしてきた。
ミツルは、ははあ、やっぱりかー、と思った。
マイコさんはきっと、リエコさんから聞いたのだ。あのコは義理堅くて優しい紳士で、しかも熟女好きだから、女性に恥をかかせるようなことはしない――みたいなことを。
だから掃除のバイトとしてマイコさんは雇ったのだろう。もしかしたら、リエコさんとの関係も、ある程度のことは知っているかもしれない。
そのとき、マイコさんがスマホを取り出して、「あら、もうこんな時間。そろそろ出ましょうか」と言った。
タクシーで連れて行かれたのは、マイコさんが一人で住んでいるというマンションだった。十五階建ての最上階で、通されたリビングは家具類やカーペット、照明など、いかにも選びに選んで購入したという感じの、高級感あふれるものばかりだった。
タクシーの車内で、マイコさんから「もう遅いから、ウチでよかったら泊まってく?」と言われた。「えっ、いいんですか」「私みたいなおばさんの家でよかったら遠慮しないで」「いやあ、でも、申し訳ないっいね」といったやり取りを経て、最終的に泊まらせてもらうことになった。
ミラー越しにタクシー目が合ったタクシー運転手のおっちゃんは、バツが悪そうに視線をそらせてわざとらしく小さく咳払いをしていた。
整理棚の上に、いくつかの写真スタンドが立っていた。遊園地で乗り物に乗りながら手を振っている男児、マイコさんと一緒に校門前に立っているブレザー制服姿の少年、海をバックにマイコさんと肩を組んでピースサインをして笑っている若い男性……。
ミツルが見ていることに気づいたようで、マイコさんが「息子なの。今はもう就職して一人暮らしをしてて。彼女もできたせいで年に一回ぐらいしか帰って来なくて」と言った。
「就職して何年目ですか?」
「まだ二年目よ」
だとしてら、ミツルよりも二歳か三歳下、ということになりそうである。
マイコさんが「ちょっとミツルくんと似てるかも」と言った。
「ええっ、そうかなあ……」
「身長とか体格とか、同じぐらいだし、優しげな目つきとか、あごがシャープなところとか、ほら」とマイコさんは海辺の写真が入ったスタンドを手に取って見せてきた。
まあ、似てないこともないか。ミツルは「どうでしょうか」と笑っておいた。
マイコさんから「もらいものだけど、いいブランデーがあるから飲もうよ」と言われ、並んでソファに座ってちびちびやった。
マイコさんがリモコンを操作して、大きな画面のテレビを点けたとき、ミツルは「あっ」と口にした。
マイコさんから「どうしたの?」と聞かれ、いつも見ている海外ミステリードラマが始まる時間だと気づいてつい声を出してしまったけれど、見逃し配信を後で見ればいいことだと気づいてそう説明した。
するとマイコさんは「じゃあ、見てていいわよ。私は先にお風呂をいただくから」と席を立った。
言葉に甘える形で、一人で海外ミステリードラマを見た。マイコさんはドラマ終盤になって、頭にタオルを巻いて光沢があるピンクのパジャマ姿で戻って来た。隣に座って「面白い?」と聞かれ、ミツルは「ええ、まあ」と答えた。
ほどなくしてドラマが終わり、ミツルは風呂に入らせてもらうことになった。高級マンションだけあって浴槽はサイズが大きく、足を伸ばしてゆったり浸かることができた。
身体を洗っているときに、すりガラスの向こう側に人の姿が見えて、「着替え、ここに置いとくから、よかったら使って。下着は新しいのがあったけど、服は息子のお古。ごめんね」とマイコさんの声がした。
ミツルは「あ、それはどうも」と応じた。
でもマイコさんはそのまま出て行かず、「ちょっと湯冷めしちゃったみたい。私も入ろうかなー」と言い、ミツルの返事を待たずにパジャマを脱ぎ始めたことがすりガラス越しに判った。
ここまで来たら野暮な言い訳や説明なんかお互いに不要だった。
マイコさんは身長はあまりないが、エステティシャンとして身体のメンテナンスはしっかりやっているということか、形のいいおっぱい、むっちりした太腿、ほどなく引き締まっているけれどほどほどに贅肉がついているウエストなど、熟女の魅力がそろった身体つきだった。乳首は薄めのベージュで、全身脱毛をしているのか陰部はつるつるで、そこだけが妙に子どもっぽい感じがした。
ミツルがシャワーを浴びて泡を落としている横をすり抜けて、マイコさんは浴槽に入り、「あー、あったかい」と言った。そして、ミツルのものが硬く充血してるのが見えたようで、「わお」と笑った。
ミツルが「リエコさんからいろいろ聞いたんでしょ」と言うと、マイコさんは「そうでーす」と言い、「ミツルくん、早く入って来て」と急かした。
浴槽は二人でも余裕の広さだった。マイコさんは「ミツルくーん」と両手を広げて抱きついてきて、キスを求めた。
たちまち濃厚なディープキスが始まり、二人の舌と舌がからみ合い、ミツルは浴槽内でマイコさんのおっぱいをなで回した。
マイコさんから「こうなること、どこから判ってた?」と聞かれ、ミツルが「バーでマイコさんのボディタッチが増えてきたときくらい、かなあ」と答えると、「察しのいいコね」と頭をなでられた。
マイコさんの背後に回って、おっぱいと陰部を愛撫した。
「マイコさん、つき合ってる人とかいないんですか?」
「エステサロンは女ばっかりの職場だからねー。旦那と別れた後、仕事が忙しくてほとんど遊べなくて、ずっと一人エッチばっかり。だからミツルくん、今夜は私をめちゃめちゃにしてくれる?」
「判りました。二人で楽しみましょうね」
続いて、マイコさんから浴槽内で立つよう促され、ひざまづいた姿勢でフェラチオをしてもらった。
すっぴんのマイコさんは、年齢に反して、どこか幼さが残る顔つきだった。若い頃のあどけなさのなごりが感じられる。
目と目が合うと、マイコさんは「うふん」と目を細めた。マイコさんが頭を前後させるたびに揺れるおっぱいがなまめかしく、両乳首が何度もミツルの太腿に当たった。
マイコさんはフェラチオが妙に上手で、ミツルのものの先端をなめ回したり、口先でちゅっちゅっと吸ったり、奥までくわえてじゅぼじゅぼと出し入れさせたりと、バリエーションが豊富だった。
このところ原稿書きとバイトばかりでエッチ体験が途絶えていたミツルは、たちまち爆発しそうになって「ああっ、マイコさん、やばい……」と訴えた。
マイコさんは「いいわよ、出して」と笑い、再びフェラチオを継続した。ときどき手コキも加わり、マイコさんが片手を動かすと二の腕やおっぱいが揺れて、その様子がたまらなくエロかった。
ミツルが「ああっ、本当に出るっ……」と言うと、マイコさんはミツルのものを一瞬口から離して「いいわよ、出して」と笑ってうなずいた。
一か月の間、自分の雇い主だったエステサロンの女社長が、今は素っ裸でフェラチオをしている。その事実にミツルの興奮度はマックスに達し、ついに発射した。
どくん、どくんと続けて二回、マイコさんの口の中で果てた。マイコさんは目を丸くしてからミツルを見上げ、笑って口を離した。
マイコさんはミツルの体液を手の上に吐き出さず、喉を鳴らして飲み下した。
「いっぱい出たわねー、ミツルくん。やっぱり若いコは元気ねー」
マイコさんは満面の笑顔でミツルを見上げ、ミツルのものをもう一度口にふくんでお掃除フェラをしてくれた。
敏感になっていたミツルは、「ああっ」という声と共にびくんと身体が震え、腰が砕けそうだった。
用意してもらった着替えは、新品のボクサーパンツとシャツの他、パーカーがついたグレーのスウエットの上下だった。息子さんが帰省したとき用のものだという。サイズはミツルにもぴったりだった。
マイコさんが出してくれた缶ビールをリビングのソファに座って一緒に飲んで、それから「ベッドに行く?」と聞かれ、返事をしていないうちに手を引かれて寝室に移動した。
セミダブルのベッドはいかにも高級そうで、寝転ぶと心地よい反発力があった。
マイコさんは光沢があるピンクのパジャマを脱いで、薄紫色のブラとパンティ姿になった。ミツルも自分から全裸になり、マイコさんの上に覆いかぶさってディープキスをし、それから背中に手を回してブラのホックを外し、パンティも脱がせた。
舌先と指でマイコさんのクリトリスやひだひだを愛撫すると、マイコさんは敏感に反応して、いちいち「あっ」と身体をびくんとさせたり、「いやっ」と反り返ったりした。
さらにはミツルの髪をつかんでちょっと乱暴にかき回しながら「ああーっ、ミツルくん、いいわーっ、気持ちいいーっ」と大声で言った。
マイコさんの陰部からは愛液があふれ出ていたので、ミツルは正常位で挿入した。
風呂場では気づかなかったが、マイコさんの下腹部にはうっすらと帝王切開の跡らしきものが残っていた。息子さんを産んだときのものだろう。
前後左右に強弱をつけて腰を動かすうちに、ミツルのものは早くも再び爆発しそうになった。マイコさんも「ああーっ、イくっ、イくっ……」と歓喜の声を上げている。そしてマイコさんは「中に出していいわよ。避妊薬飲んだから」と言った。
えっ、まじ?
その言葉のお陰でミツルの興奮度はさらにギアが上がった。
ほどなくしてマイコさんが「ああっ、あっ、イくううぅ……」と身体をびくんびくんとさせた。それに続いてミツルもマイコさんの中に発射した。
しばらくの間、二人とも挿入したまま放心状態で抱き合っていた。
「こんなの、本当に久しぶり。女を取り返した気分よ」
マイコさんはそうささやいてから、ミツルにディープキスを求めてきた。
これはまた近いうちに誘われそうだな――ミツルはそんなことを思いながら、マイコさんと舌をからませ合った。
ウェーブがかかった髪、細い眉、つややかなくちびる、ぱっちりした目。若い頃はさぞかしモテただろうと思う。もっとも、五十を過ぎている今でも、多くの男の目を引いているに違いない。
一方のミツルは、知り合いの結婚式のときぐらいしか着ることがない安物の紺のブレザーにチェックのパンツ、白いシャツにストライプのネクタイという格好だった。
フランス料理の店に行く、ということで、ミツルとしてはこれでも頑張った方である。
コース料理とワインを堪能した後、マイコさんから「もうちょっと飲んで行かない?」と言われて、彼女がときどき一人で訪れているという古風な感じのバーに移動した。カウンター席に並んで座り、二人とも黒ビールを注文した。
約一か月間、ミツルはマイコさんが経営するエステサロンの掃除をするバイトをした。もともと掃除を請け負っていた会社の女性従業員が、店内の備品を持ち帰っていたことが監視カメラによって発覚して契約を解除することとなり、新しい業者が見つかるまでの間、ミツルがピンチヒッターとして掃除のバイトをしたのだった。
ミツルをマイコさんに紹介したのは、興信所を経営している女探偵のリエコさんだった。マイコさんから臨時の清掃員を探していると聞いて、ミツルを紹介したのである。
マイコさんとリエコさんは、八年ほど前に夫の浮気調査を頼んだことがきっかけで親しい友人になったという。夫の浮気の証拠を手に入れたマイコさんは、離婚調停を有利に進め、結構な財産をぶん取ったお陰でエステサロンを開店することができたのである。事業は順調で、今では二号店もある。
ミツルは黒ビールを飲みながら、「マイコさん、美味しいコース料理をごちそうになって、ありがとうございました」と、あらためて礼を言った。「高級フレンチのコースなんて生まれて初めてでした」
「喜んでもらえたのなら、よかったわ」とマイコさんは口の片側にほうれい線を見せて笑った。「私、ときどき外食するんだけど、たいがい一人で、いくら美味しいものを食べてもあんまり楽しくないのよ。今度もまたミツルくんを誘っちたゃおうかしら」
「ええ、気が向いたらいつでも声をかけてください」
その後、マイコさんから「敬語はやめて」と言われてタメ口に変更し、何度か黒ビールのお代わりをしながら、共通の知り合いであるリエコさんや、その娘スミレちゃんの話などをした。
スミレちゃんはマイコさんが経営するエステサロンの二号店でエステティシャンをしている、もともとはミツルが働いていた引っ越し会社の後輩だった。彼女が上司からセクハラとパワハラを受けていたので、ミツルが専務にそのことを相談したところ、問題の上司は社長の甥っ子だったため、ミツルもスミレちゃんも権力にねじ伏せられる形で会社をさることになったのだった。
しかし、スミレちゃんは「エステティシャンに転職できてよかった」と言っていたので、結果オーライではあった。
ミツルもその後バイト生活をしながら、ミステリー小説の新人賞を目指すという大きな目標ができた。今のところ、予選通過はできても最終選考には残れない状態が続いているが、まだ心は折れていない。
マイコさんも、ミツルがミステリーを書いていることはリエコさんやスミレちゃんから聞いていて、コース料理を食べているときに「デビューしたら絶対に読むわ。いっぱい買って、知り合いに配るからね」と言ってくれた。また、セクハラとパワハラからスミレちゃんを守ろうとした出来事をしきりに「カッコいい」「ミツルくんは白馬の騎士よ」などと持ち上げてくれた。
お酒が進むうち、マイコさんはミツルがカウンターに置いた手の上に自身の手を重ねてきたり、笑いながらミツルの腿をさすったりするようになった。ときどき足を組み替えて、太腿をチラ見せしたりもしてきた。
ミツルは、ははあ、やっぱりかー、と思った。
マイコさんはきっと、リエコさんから聞いたのだ。あのコは義理堅くて優しい紳士で、しかも熟女好きだから、女性に恥をかかせるようなことはしない――みたいなことを。
だから掃除のバイトとしてマイコさんは雇ったのだろう。もしかしたら、リエコさんとの関係も、ある程度のことは知っているかもしれない。
そのとき、マイコさんがスマホを取り出して、「あら、もうこんな時間。そろそろ出ましょうか」と言った。
タクシーで連れて行かれたのは、マイコさんが一人で住んでいるというマンションだった。十五階建ての最上階で、通されたリビングは家具類やカーペット、照明など、いかにも選びに選んで購入したという感じの、高級感あふれるものばかりだった。
タクシーの車内で、マイコさんから「もう遅いから、ウチでよかったら泊まってく?」と言われた。「えっ、いいんですか」「私みたいなおばさんの家でよかったら遠慮しないで」「いやあ、でも、申し訳ないっいね」といったやり取りを経て、最終的に泊まらせてもらうことになった。
ミラー越しにタクシー目が合ったタクシー運転手のおっちゃんは、バツが悪そうに視線をそらせてわざとらしく小さく咳払いをしていた。
整理棚の上に、いくつかの写真スタンドが立っていた。遊園地で乗り物に乗りながら手を振っている男児、マイコさんと一緒に校門前に立っているブレザー制服姿の少年、海をバックにマイコさんと肩を組んでピースサインをして笑っている若い男性……。
ミツルが見ていることに気づいたようで、マイコさんが「息子なの。今はもう就職して一人暮らしをしてて。彼女もできたせいで年に一回ぐらいしか帰って来なくて」と言った。
「就職して何年目ですか?」
「まだ二年目よ」
だとしてら、ミツルよりも二歳か三歳下、ということになりそうである。
マイコさんが「ちょっとミツルくんと似てるかも」と言った。
「ええっ、そうかなあ……」
「身長とか体格とか、同じぐらいだし、優しげな目つきとか、あごがシャープなところとか、ほら」とマイコさんは海辺の写真が入ったスタンドを手に取って見せてきた。
まあ、似てないこともないか。ミツルは「どうでしょうか」と笑っておいた。
マイコさんから「もらいものだけど、いいブランデーがあるから飲もうよ」と言われ、並んでソファに座ってちびちびやった。
マイコさんがリモコンを操作して、大きな画面のテレビを点けたとき、ミツルは「あっ」と口にした。
マイコさんから「どうしたの?」と聞かれ、いつも見ている海外ミステリードラマが始まる時間だと気づいてつい声を出してしまったけれど、見逃し配信を後で見ればいいことだと気づいてそう説明した。
するとマイコさんは「じゃあ、見てていいわよ。私は先にお風呂をいただくから」と席を立った。
言葉に甘える形で、一人で海外ミステリードラマを見た。マイコさんはドラマ終盤になって、頭にタオルを巻いて光沢があるピンクのパジャマ姿で戻って来た。隣に座って「面白い?」と聞かれ、ミツルは「ええ、まあ」と答えた。
ほどなくしてドラマが終わり、ミツルは風呂に入らせてもらうことになった。高級マンションだけあって浴槽はサイズが大きく、足を伸ばしてゆったり浸かることができた。
身体を洗っているときに、すりガラスの向こう側に人の姿が見えて、「着替え、ここに置いとくから、よかったら使って。下着は新しいのがあったけど、服は息子のお古。ごめんね」とマイコさんの声がした。
ミツルは「あ、それはどうも」と応じた。
でもマイコさんはそのまま出て行かず、「ちょっと湯冷めしちゃったみたい。私も入ろうかなー」と言い、ミツルの返事を待たずにパジャマを脱ぎ始めたことがすりガラス越しに判った。
ここまで来たら野暮な言い訳や説明なんかお互いに不要だった。
マイコさんは身長はあまりないが、エステティシャンとして身体のメンテナンスはしっかりやっているということか、形のいいおっぱい、むっちりした太腿、ほどなく引き締まっているけれどほどほどに贅肉がついているウエストなど、熟女の魅力がそろった身体つきだった。乳首は薄めのベージュで、全身脱毛をしているのか陰部はつるつるで、そこだけが妙に子どもっぽい感じがした。
ミツルがシャワーを浴びて泡を落としている横をすり抜けて、マイコさんは浴槽に入り、「あー、あったかい」と言った。そして、ミツルのものが硬く充血してるのが見えたようで、「わお」と笑った。
ミツルが「リエコさんからいろいろ聞いたんでしょ」と言うと、マイコさんは「そうでーす」と言い、「ミツルくん、早く入って来て」と急かした。
浴槽は二人でも余裕の広さだった。マイコさんは「ミツルくーん」と両手を広げて抱きついてきて、キスを求めた。
たちまち濃厚なディープキスが始まり、二人の舌と舌がからみ合い、ミツルは浴槽内でマイコさんのおっぱいをなで回した。
マイコさんから「こうなること、どこから判ってた?」と聞かれ、ミツルが「バーでマイコさんのボディタッチが増えてきたときくらい、かなあ」と答えると、「察しのいいコね」と頭をなでられた。
マイコさんの背後に回って、おっぱいと陰部を愛撫した。
「マイコさん、つき合ってる人とかいないんですか?」
「エステサロンは女ばっかりの職場だからねー。旦那と別れた後、仕事が忙しくてほとんど遊べなくて、ずっと一人エッチばっかり。だからミツルくん、今夜は私をめちゃめちゃにしてくれる?」
「判りました。二人で楽しみましょうね」
続いて、マイコさんから浴槽内で立つよう促され、ひざまづいた姿勢でフェラチオをしてもらった。
すっぴんのマイコさんは、年齢に反して、どこか幼さが残る顔つきだった。若い頃のあどけなさのなごりが感じられる。
目と目が合うと、マイコさんは「うふん」と目を細めた。マイコさんが頭を前後させるたびに揺れるおっぱいがなまめかしく、両乳首が何度もミツルの太腿に当たった。
マイコさんはフェラチオが妙に上手で、ミツルのものの先端をなめ回したり、口先でちゅっちゅっと吸ったり、奥までくわえてじゅぼじゅぼと出し入れさせたりと、バリエーションが豊富だった。
このところ原稿書きとバイトばかりでエッチ体験が途絶えていたミツルは、たちまち爆発しそうになって「ああっ、マイコさん、やばい……」と訴えた。
マイコさんは「いいわよ、出して」と笑い、再びフェラチオを継続した。ときどき手コキも加わり、マイコさんが片手を動かすと二の腕やおっぱいが揺れて、その様子がたまらなくエロかった。
ミツルが「ああっ、本当に出るっ……」と言うと、マイコさんはミツルのものを一瞬口から離して「いいわよ、出して」と笑ってうなずいた。
一か月の間、自分の雇い主だったエステサロンの女社長が、今は素っ裸でフェラチオをしている。その事実にミツルの興奮度はマックスに達し、ついに発射した。
どくん、どくんと続けて二回、マイコさんの口の中で果てた。マイコさんは目を丸くしてからミツルを見上げ、笑って口を離した。
マイコさんはミツルの体液を手の上に吐き出さず、喉を鳴らして飲み下した。
「いっぱい出たわねー、ミツルくん。やっぱり若いコは元気ねー」
マイコさんは満面の笑顔でミツルを見上げ、ミツルのものをもう一度口にふくんでお掃除フェラをしてくれた。
敏感になっていたミツルは、「ああっ」という声と共にびくんと身体が震え、腰が砕けそうだった。
用意してもらった着替えは、新品のボクサーパンツとシャツの他、パーカーがついたグレーのスウエットの上下だった。息子さんが帰省したとき用のものだという。サイズはミツルにもぴったりだった。
マイコさんが出してくれた缶ビールをリビングのソファに座って一緒に飲んで、それから「ベッドに行く?」と聞かれ、返事をしていないうちに手を引かれて寝室に移動した。
セミダブルのベッドはいかにも高級そうで、寝転ぶと心地よい反発力があった。
マイコさんは光沢があるピンクのパジャマを脱いで、薄紫色のブラとパンティ姿になった。ミツルも自分から全裸になり、マイコさんの上に覆いかぶさってディープキスをし、それから背中に手を回してブラのホックを外し、パンティも脱がせた。
舌先と指でマイコさんのクリトリスやひだひだを愛撫すると、マイコさんは敏感に反応して、いちいち「あっ」と身体をびくんとさせたり、「いやっ」と反り返ったりした。
さらにはミツルの髪をつかんでちょっと乱暴にかき回しながら「ああーっ、ミツルくん、いいわーっ、気持ちいいーっ」と大声で言った。
マイコさんの陰部からは愛液があふれ出ていたので、ミツルは正常位で挿入した。
風呂場では気づかなかったが、マイコさんの下腹部にはうっすらと帝王切開の跡らしきものが残っていた。息子さんを産んだときのものだろう。
前後左右に強弱をつけて腰を動かすうちに、ミツルのものは早くも再び爆発しそうになった。マイコさんも「ああーっ、イくっ、イくっ……」と歓喜の声を上げている。そしてマイコさんは「中に出していいわよ。避妊薬飲んだから」と言った。
えっ、まじ?
その言葉のお陰でミツルの興奮度はさらにギアが上がった。
ほどなくしてマイコさんが「ああっ、あっ、イくううぅ……」と身体をびくんびくんとさせた。それに続いてミツルもマイコさんの中に発射した。
しばらくの間、二人とも挿入したまま放心状態で抱き合っていた。
「こんなの、本当に久しぶり。女を取り返した気分よ」
マイコさんはそうささやいてから、ミツルにディープキスを求めてきた。
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