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第五話『恋せよ乙女! ロマンスラバー誕生!』
その5 彼女の秘密
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第五話『恋せよ乙女! ロマンスラバー誕生!』
その5 彼女の秘密
teller:星野 愛歌
「はじめましてっ、星野愛歌でーす! こずこずとはお友達として仲良くさせてもらってるよ! よろしくねー!」
「……はあ……どうも」
放課後、あたしは可愛いコウモリ・ゼロさんに屋上へ呼び出された。
鈴くんも一緒だ。
どうやら、あたしのハーツ・ラバーとしての戦い方についてお話があるらしい。
こずこずも一緒に来る予定だったけど、授業が終わった途端、しぃちゃん――河本詩織ちゃんに攫われてしまった。
鈴くんの話によると、朝も似たようなことがあったらしい。
しぃちゃんってばどうしたんだろう。
あたしも混ぜてくれればいいのに。
そして、目の前にいるのは茶髪の男の子。
こずこずの弟くんらしい。
名前は小枝拓海くん。
なんでも、この子もハーツ・ラバーのサポート役なんだとか。
「ねーちゃんに……女の友達……」
「なんや拓海、ヤキモチか」
「ちっげーよ! 感動してるんすよ!」
けらけらと笑う鈴くんに、拓海くんが怒鳴る。
そんな二人を見て、あたしはぽんと手を叩いた。
「あ! たくみくんだからあだ名はたっくんとかどうかな!」
「は!? た、たっくんって呼ぶな!」
「……星野さん、あだ名付けるの好きやなあ」
あはは、と鈴くんが呆れたような笑顔を浮かべる。
それから鈴くんは、フェンスに寄りかかる。
その体勢のまま鈴くんはぱたぱたと飛ぶゼロさんを睨んだ。
「で、や。アホコウモリ。手短に説明してやり。ワイも拓海もこれから部活なんやから」
「アホコウモリ言うなっつってんだろエロガキ。さて……いいか、星野愛歌。改めて、俺様の名前はゼロット。ハーツ・ラバーをサポートする妖精だ。よろしくな」
「うんっ! よろしくねー! ゼロさん!」
「ああ。いいか、お前たちハーツ・ラバーはオーディオによる地球侵略を阻止する為に戦わなくちゃなんねえ。これはこずえからも聞いてると思うけどな。とにかく奴らが繰り出すアニマを倒せ。手段は問わん。殴って、蹴って、奴らを形作るエモーションを解放させりゃいい」
「えー、こないだみたいに歌うだけで解決しないのー?」
そっちの方が平和でいいと思うんだけどなあ。
いくら相手が怪物でも、暴力は好きじゃない。
歌うことなら、いくらでも頑張れるけど。
でも、ゼロさんの声は硬かった。
「言ったろ? お前がこずえのエモーションを助けられたのはそこのエロガキ・一希の声もあったからだ」
「エロガキエロガキ言うなやアホ!」
「お前の力は、ナハトみたいに小人数のエモーションを支配する能力には圧倒的に有利だ。だが、ネス――他の幹部には、無差別に大人数からエモーションを搾り取ってアニマにする力を持つヤツもいる。そうなったら、歌だけで解放するのは難しくなってくる。エモーションが多くなればなるほど意思はごちゃまぜになる。それじゃあ響くもんも響かねえからな」
「ほへー……」
なんか、難しい話だなあ。
頭こんがらがってきちゃった。
はっ!
だめだだめだ!
あたしはすっごいバカからちょっとバカに成長するって決めたんだもん!
ちゃんと考えなきゃ!
話聞かなきゃ!
「ま、難しい顔すんなよ。お前らのやるこた、さっきも言ったが至って単純! アニマをぶっとばせ! アニマを弱らせれば、お得意のお前の歌も沢山の人間に届くだろうよ」
「ほんと!?」
「ああ、本当でぃ」
えへへ、嬉しい。
やっぱり沢山の人にあたしの歌、聞いてもらいたいもんね!
それが誰かを助けることにも繋がるなんて、すっごくすっごく嬉しいもん!
「お前らの正体が世間にバレたらコトだからな。戦い以外のサポートは一希と拓海に任せとけ。頼って頼って頼りまくれ!」
「うんっ! 頼っちゃうー!」
「ははっ、そう素直に頼られるとなんか照れるわー」
鈴くんと、にこにこし合う。
鈴くんは明るくて元気だから、話してて楽しいなあ。
こずこずも、鈴くんのこういう所に助けられてるんだろうなあ。
その時。
ふと、凄く視線を感じた。
何だろう。
たっくんが、物凄く険しい顔であたしを見ている。
そう言えばたっくん、さっきから一言も発していない。
あたしの手にしている雑誌を物凄く注視している。
「たっくん、どしたの?」
「……なんすか、それ」
「へ? ファッション雑誌だよー。アイドル志望たるもの、オシャレも研究しないと――」
「表紙の、それ……」
「え、表紙? えへへー? 綺麗でしょー! 美人さんでしょー! カリスマ女子高生モデルの秋風千雪さん! アンニュイな表情と抜群なスタイルで全国の女の子の憧れの的なんだよー!」
と、私が言った途端。
「は」
ぽかん、とたっくんが大きく口を開けて。
はくはく、としばらく言葉も出ない様子で。
それから。
「はあああああああああああ!?」
急に叫んで、あたしの手から雑誌をひったくるとドタバタと屋上から飛び出して行った。
階段を駆け下りたたっくんに取り残されたあたし達。
しばらくして。
「……窃盗や……」
そんなことを、鈴くんが呟いた。
第五話『恋せよ乙女! ロマンスラバー誕生!』
その5 彼女の秘密
teller:星野 愛歌
「はじめましてっ、星野愛歌でーす! こずこずとはお友達として仲良くさせてもらってるよ! よろしくねー!」
「……はあ……どうも」
放課後、あたしは可愛いコウモリ・ゼロさんに屋上へ呼び出された。
鈴くんも一緒だ。
どうやら、あたしのハーツ・ラバーとしての戦い方についてお話があるらしい。
こずこずも一緒に来る予定だったけど、授業が終わった途端、しぃちゃん――河本詩織ちゃんに攫われてしまった。
鈴くんの話によると、朝も似たようなことがあったらしい。
しぃちゃんってばどうしたんだろう。
あたしも混ぜてくれればいいのに。
そして、目の前にいるのは茶髪の男の子。
こずこずの弟くんらしい。
名前は小枝拓海くん。
なんでも、この子もハーツ・ラバーのサポート役なんだとか。
「ねーちゃんに……女の友達……」
「なんや拓海、ヤキモチか」
「ちっげーよ! 感動してるんすよ!」
けらけらと笑う鈴くんに、拓海くんが怒鳴る。
そんな二人を見て、あたしはぽんと手を叩いた。
「あ! たくみくんだからあだ名はたっくんとかどうかな!」
「は!? た、たっくんって呼ぶな!」
「……星野さん、あだ名付けるの好きやなあ」
あはは、と鈴くんが呆れたような笑顔を浮かべる。
それから鈴くんは、フェンスに寄りかかる。
その体勢のまま鈴くんはぱたぱたと飛ぶゼロさんを睨んだ。
「で、や。アホコウモリ。手短に説明してやり。ワイも拓海もこれから部活なんやから」
「アホコウモリ言うなっつってんだろエロガキ。さて……いいか、星野愛歌。改めて、俺様の名前はゼロット。ハーツ・ラバーをサポートする妖精だ。よろしくな」
「うんっ! よろしくねー! ゼロさん!」
「ああ。いいか、お前たちハーツ・ラバーはオーディオによる地球侵略を阻止する為に戦わなくちゃなんねえ。これはこずえからも聞いてると思うけどな。とにかく奴らが繰り出すアニマを倒せ。手段は問わん。殴って、蹴って、奴らを形作るエモーションを解放させりゃいい」
「えー、こないだみたいに歌うだけで解決しないのー?」
そっちの方が平和でいいと思うんだけどなあ。
いくら相手が怪物でも、暴力は好きじゃない。
歌うことなら、いくらでも頑張れるけど。
でも、ゼロさんの声は硬かった。
「言ったろ? お前がこずえのエモーションを助けられたのはそこのエロガキ・一希の声もあったからだ」
「エロガキエロガキ言うなやアホ!」
「お前の力は、ナハトみたいに小人数のエモーションを支配する能力には圧倒的に有利だ。だが、ネス――他の幹部には、無差別に大人数からエモーションを搾り取ってアニマにする力を持つヤツもいる。そうなったら、歌だけで解放するのは難しくなってくる。エモーションが多くなればなるほど意思はごちゃまぜになる。それじゃあ響くもんも響かねえからな」
「ほへー……」
なんか、難しい話だなあ。
頭こんがらがってきちゃった。
はっ!
だめだだめだ!
あたしはすっごいバカからちょっとバカに成長するって決めたんだもん!
ちゃんと考えなきゃ!
話聞かなきゃ!
「ま、難しい顔すんなよ。お前らのやるこた、さっきも言ったが至って単純! アニマをぶっとばせ! アニマを弱らせれば、お得意のお前の歌も沢山の人間に届くだろうよ」
「ほんと!?」
「ああ、本当でぃ」
えへへ、嬉しい。
やっぱり沢山の人にあたしの歌、聞いてもらいたいもんね!
それが誰かを助けることにも繋がるなんて、すっごくすっごく嬉しいもん!
「お前らの正体が世間にバレたらコトだからな。戦い以外のサポートは一希と拓海に任せとけ。頼って頼って頼りまくれ!」
「うんっ! 頼っちゃうー!」
「ははっ、そう素直に頼られるとなんか照れるわー」
鈴くんと、にこにこし合う。
鈴くんは明るくて元気だから、話してて楽しいなあ。
こずこずも、鈴くんのこういう所に助けられてるんだろうなあ。
その時。
ふと、凄く視線を感じた。
何だろう。
たっくんが、物凄く険しい顔であたしを見ている。
そう言えばたっくん、さっきから一言も発していない。
あたしの手にしている雑誌を物凄く注視している。
「たっくん、どしたの?」
「……なんすか、それ」
「へ? ファッション雑誌だよー。アイドル志望たるもの、オシャレも研究しないと――」
「表紙の、それ……」
「え、表紙? えへへー? 綺麗でしょー! 美人さんでしょー! カリスマ女子高生モデルの秋風千雪さん! アンニュイな表情と抜群なスタイルで全国の女の子の憧れの的なんだよー!」
と、私が言った途端。
「は」
ぽかん、とたっくんが大きく口を開けて。
はくはく、としばらく言葉も出ない様子で。
それから。
「はあああああああああああ!?」
急に叫んで、あたしの手から雑誌をひったくるとドタバタと屋上から飛び出して行った。
階段を駆け下りたたっくんに取り残されたあたし達。
しばらくして。
「……窃盗や……」
そんなことを、鈴くんが呟いた。
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