魔闘少女ハーツ・ラバーズ!

ハリエンジュ

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第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』

その7 大切なトクベツ

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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ! 
第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』
その7 大切なトクベツ


teller:秋風あきかぜ 千雪ちゆき


「こずえちゃん、いい子だね」

 秘密基地で、拓海くんと二人きり。
 他愛もない話でひとしきり盛り上がった後、私はぽつりとそんな言葉を洩らした。

 拓海くんは不思議そうに眉を顰め、首を傾げる。
 何でそんな変な表情してるんだろう。
 こずえちゃん、素敵じゃんかよ。

「どこがだよ、おどおどびくびくしてるだけだろ、あんなの」

「そんなこと言っちゃって。大好きなくせに」

 拓海くんの相変わらずのこずえちゃんに対する素直になれなさに、思わず吹き出してしまった。
 そういう所が拓海くんの魅力だとも思うけど。

 しばらくくすくす笑った所で、拓海くんの視線を強く感じた。
 拓海くんの方を見ると、拓海くんは何とも言えない顔をしていて、その頬は赤くて。

 どうしたんだろう、と訊ねるよりも先に、拓海くんが口を開いた。

「……なあ、こないだの話だけど」

「こないだ?」

「……オレがねーちゃんを一番好きなんじゃないかって話」

「……ああ」

 我ながら恥ずかしい子どもじみた嫉妬をしてしまったと思う。
 こずえちゃんには申し訳ないことをした。

 でも、そのくらい、私にとって拓海くんはたった一人の特別だから。
 世界で一番、大好きだから。

 拓海くんが、また言葉を紡ぐ。

「……ねーちゃんは、そりゃ大事だよ。たった一人のねーちゃんだから。家族だから」

「うん、わかってる」

 それから、拓海くんは少し迷う素振りを見せて。
 ――でも、最後は私の目をまっすぐに見つめて。

「でも、千雪は……オレの一人だけの特別だよ。これは、自信持って言える」

 とくん。

 心臓が、不思議と甘く高鳴った気がした。

 なんだろ、この気持ち。
 いつもの胸が温かくなる感じとは、ちょっと違う。

 気のせい、かもしれないけど。
 でも、なんか、変な感じ。

「……ほんとに?」

「……ああ。すっげー大事だし大切」

「私は、拓海くんのトクベツ?」

「……おう」

「……そっか」

 嬉しいような、胸が締め付けられるような、不思議な感覚。
 でも、決して不快さはない。

 この気持ちは何なんだろう。

 首を傾げたくはなった。
 でもまあ、今はとりあえず。
 目の前の、この男の子がひたすらに大好きで。

「ぎゅーっ」

「は!?」

 拓海くんがめちゃくちゃ焦った声を上げた。
 一方私は、甘えるように拓海くんにぎゅうぎゅうと抱きついている。
 実際甘えてるんだけど。

「な、ななな何してんだよ!?」

「甘えたくなったから、ぎゅーって甘えてる」

「んなもん見たらわかるよ! だーっ! 離れろっての! 恥ずかしい!」

「いいじゃん、マブダチなんだから」

「急に現実突き付けてくんのやめろ!」

「何の話?」

「なんでもねーよ、千雪のばーか!」

 拓海くんの怒鳴り声が応接室に響く。
 拓海くんはしばらく私を引き剥がそうと奮闘していたけれど、やがて諦めてくれた。

 ヤッタ。これで、思う存分くっつける。

 ああ、なんだろ。
 私、今、すっごく幸せ。
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