3 / 38
第一話『お友達から始めましょう』
その3 はじまりは握手から
しおりを挟む
★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第一話『お友達から始めましょう』その3 はじまりは握手から
――今。
今、南雲はなんて言った?
俺は教室に突っ立って、大混乱していた。
頭の中が、真っ白一歩手前だ。
だって、だって。
南雲が、とんでもないことを言ったんだ。
友達になりたい?
俺と?
俺なんかと?
どうして?
あちこちがシステムエラーを起こし使い物にならなくなった俺を見て、南雲は困ったように眉を下げる。
「だめ、でしょうか」
いや、だめも何も。
俺は何とか我に返り、震える声で問いかけた。
「……どうして」
「……え?」
「どうして、俺なんだよ……?」
南雲の眠たげな瞳が、俺を真っ直ぐに捉える。
女の子に、しかも漠然と可愛いと思っていた子に見つめられて、俺の心臓はもう爆発寸前だ。
南雲は眼鏡越しの視線を俺に送りながら、訥々と言った。
「神室くんは、面白いです」
「……面白い?」
「はい」
面白い。
俺が。
……いやまあ、中二病を拗らせた俺の姿は確かに滑稽ではあるんだろうけど。
俺が眉を顰めていると、南雲はこうも付け加える。
「椋は、神室くんのこともっと知りたいです。神室くんとお友達になれたら、きっと楽しいのです」
――それは。
それは、俺がずっと望んで求めて止まない言葉だった。
嬉しくて、胸がいっぱいになって。
危うく涙が零れそうになる。
けれど意地っ張りな俺は愚かだった。
「……ふっ」
「ふ?」
「ふはははははは!!!!」
俺は盛大に高笑いを始める。
何やってるんだ馬鹿野郎。
俺の中のもう一人の冷静な俺が、今の馬鹿な俺を全力で殴り飛ばす音が聴こえた気がした。
しかしそれでも懲りずに、俺はびしっと人差し指を南雲に突き付ける。
「そこまで言うなら仕方ねえな!! お前がどうしてもって言うんなら友達になってやるよ!!」
…………俺の、馬鹿ーーーーっ!!!!
そう叫びたくなる自分が確かに居た。
折角友達になりたいと言ってくれたのに、折角優しい言葉をかけてくれたのに。
これじゃあ台無しだ、最悪だ。
何でこんな高圧的な態度を取ってしまったんだ。
これじゃあ南雲も流石にドン引きだろう。
『終わった……』とさっきとは別の意味で泣きそうになる。
けれど、予想に反して南雲は。
「……良かった……」
「へ?」
ふわり。
これ以上ない程、南雲が柔らかく綺麗に笑う。
「断られたら、どうしようかと思ったのです」
……は?
待ってくれよお前それは可愛すぎるだろ。
何だその笑顔、そんな顔できるのか。
いつもの眠たげな表情しか知らないから、新たな一面を見れて俺の頭がまたパニックを起こす。
しかしそんな俺の気持ちも露知らず、南雲は俺に手を差し出して来た。
意図がわからず俺が首を傾げていると。
「握手、してください。神室くん」
「握手?」
「友情の、証なのです」
友情……友情……。
なんて良い響きだろうか。
正直俺は舞い上がりまくっている。
しかし俺は馬鹿なので、変にかっこつけた笑いを浮かべながらその手をゆっくりと握った。
小さくて柔らかい手、すべすべの肌。
俺とは全然違う。
……こんな時に変態じみた感想を抱くんじゃねえよ、俺。
そう、自分で自分にまた呆れ返る。
ここでこうして、南雲と握手を交わして、友情の契りを結んで。
……俺は、中二病を拗らせてから初めて友達という存在の温かみを知ったんだ。
――今。
今、南雲はなんて言った?
俺は教室に突っ立って、大混乱していた。
頭の中が、真っ白一歩手前だ。
だって、だって。
南雲が、とんでもないことを言ったんだ。
友達になりたい?
俺と?
俺なんかと?
どうして?
あちこちがシステムエラーを起こし使い物にならなくなった俺を見て、南雲は困ったように眉を下げる。
「だめ、でしょうか」
いや、だめも何も。
俺は何とか我に返り、震える声で問いかけた。
「……どうして」
「……え?」
「どうして、俺なんだよ……?」
南雲の眠たげな瞳が、俺を真っ直ぐに捉える。
女の子に、しかも漠然と可愛いと思っていた子に見つめられて、俺の心臓はもう爆発寸前だ。
南雲は眼鏡越しの視線を俺に送りながら、訥々と言った。
「神室くんは、面白いです」
「……面白い?」
「はい」
面白い。
俺が。
……いやまあ、中二病を拗らせた俺の姿は確かに滑稽ではあるんだろうけど。
俺が眉を顰めていると、南雲はこうも付け加える。
「椋は、神室くんのこともっと知りたいです。神室くんとお友達になれたら、きっと楽しいのです」
――それは。
それは、俺がずっと望んで求めて止まない言葉だった。
嬉しくて、胸がいっぱいになって。
危うく涙が零れそうになる。
けれど意地っ張りな俺は愚かだった。
「……ふっ」
「ふ?」
「ふはははははは!!!!」
俺は盛大に高笑いを始める。
何やってるんだ馬鹿野郎。
俺の中のもう一人の冷静な俺が、今の馬鹿な俺を全力で殴り飛ばす音が聴こえた気がした。
しかしそれでも懲りずに、俺はびしっと人差し指を南雲に突き付ける。
「そこまで言うなら仕方ねえな!! お前がどうしてもって言うんなら友達になってやるよ!!」
…………俺の、馬鹿ーーーーっ!!!!
そう叫びたくなる自分が確かに居た。
折角友達になりたいと言ってくれたのに、折角優しい言葉をかけてくれたのに。
これじゃあ台無しだ、最悪だ。
何でこんな高圧的な態度を取ってしまったんだ。
これじゃあ南雲も流石にドン引きだろう。
『終わった……』とさっきとは別の意味で泣きそうになる。
けれど、予想に反して南雲は。
「……良かった……」
「へ?」
ふわり。
これ以上ない程、南雲が柔らかく綺麗に笑う。
「断られたら、どうしようかと思ったのです」
……は?
待ってくれよお前それは可愛すぎるだろ。
何だその笑顔、そんな顔できるのか。
いつもの眠たげな表情しか知らないから、新たな一面を見れて俺の頭がまたパニックを起こす。
しかしそんな俺の気持ちも露知らず、南雲は俺に手を差し出して来た。
意図がわからず俺が首を傾げていると。
「握手、してください。神室くん」
「握手?」
「友情の、証なのです」
友情……友情……。
なんて良い響きだろうか。
正直俺は舞い上がりまくっている。
しかし俺は馬鹿なので、変にかっこつけた笑いを浮かべながらその手をゆっくりと握った。
小さくて柔らかい手、すべすべの肌。
俺とは全然違う。
……こんな時に変態じみた感想を抱くんじゃねえよ、俺。
そう、自分で自分にまた呆れ返る。
ここでこうして、南雲と握手を交わして、友情の契りを結んで。
……俺は、中二病を拗らせてから初めて友達という存在の温かみを知ったんだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる