22 / 38
第三話『ギャクシン!!(逆身長差の意)』
その1 ツンツン×デレデレですか?
しおりを挟む
★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第三話『ギャクシン!!(逆身長差の意)』その1 ツンツン×デレデレですか?
「おいコラ、俺の目ぇ見んかい。どこに目ぇつけとんのや、どう落とし前つけてくれんのや、って聞いとるやろ?」
前略、おふくろさま。
俺、神室鶫は、ただいま絶賛ピンチです。
ピンチと言うか、言うなれば命の危機です。
まあ単純に、前方不注意と言うか、俺が完全に悪いのですが。
人と、思いっ切りぶつかりました。
そのぶつかった相手と言うのが、運が悪いことにクラス1の不良少年でした。
村瀬静流。
身長は低く小柄だが、性格はかなりキツく、冷たく、喧嘩っ早い男の子。
育った環境に西生まれの人間が居るらしく、関西弁混じりに喋る。
ちっちゃいけどケンカはかなり強いらしく、良く暴走族を一晩で潰した、だの、ヤのつく自由業の人たちからも一目置かれている、だの、悪い噂が流れている。
俺みたいな、ヒョロガリ中二病男子なんかは絶対に関わっちゃいけないタイプの人種。
なのに俺は、こうして関わっちゃいました。
俺は本当に、馬鹿だと思います。
喉がカラカラに渇いたように、言葉が出て来ない。
せめて謝罪の言葉をまともに紡げれば良かったのだが、恐怖で身動き一つ取れない。
そんな俺の様子を見て、村瀬はますます不機嫌そうに眉を顰めた。
どうしよう、俺個人がボコられる分には、問題ないのかもしれないが、今、俺の隣にはせっかく俺と友達になってくれた女の子・南雲椋がいる。
椋を危険な目に遭わせるわけにはいかない。
どうしよう、どうしよう――。
「おい、何とか言ったらどうや、神室――」
「シズくんっ!」
突然、第三者の弾んだ声が聞こえた。
女子の声だ。
『え』、と思っていると、村瀬の身体がよろけた。
次の瞬間、俺は目の前の光景に目を疑った。
村瀬が。
あの村瀬が、女子に抱きつかれている。
しかも、とんでもない美少女に。
そこに居たのは、八ツ橋麻耶。
彼女も、俺たちのクラスメイトだ。
村瀬と違って背が高く、愛嬌もあり、普段から多くの女子に囲まれている人気者の女の子。
そんな子が、どうして村瀬に?
疑問を口に出したのは、隣に居た椋だった。
「……おふたりは、付き合ってるのですか?」
「ちゃうわアホ」
「えへへ、将来結婚する予定です!」
「せんわ。このスットコドッコイ。ただの幼馴染や」
ぺしりと村瀬が、心なしか優しい力で八ツ橋の頭を叩けば、八ツ橋はすぐに離れた、笑顔で。
幼馴染。
普段周りに注目していないせいか、意外な関係性を知ってしまい正直、俺はかなり戸惑っている。
「シズくん、シズくん、一緒にかえろー! もう、用事済んだでしょ? 行こ行こ!」
「うざいわ。引っ張るなや、アホウ」
村瀬はぶつぶつと文句を言っていたが、そんな村瀬を八ツ橋は有無を言わさず引きずっていった。
俺と椋だけが、教室の出口の所に取り残される。
……八ツ橋に助けられたな。
安心感から、がっくりと項垂れていると。
「よしよし」
椋が、優しく俺の頭を撫でてくれた。
……その温もりに、俺はどうしようもなく泣きたくなっちまったよ、ちくしょうめ。
「おいコラ、俺の目ぇ見んかい。どこに目ぇつけとんのや、どう落とし前つけてくれんのや、って聞いとるやろ?」
前略、おふくろさま。
俺、神室鶫は、ただいま絶賛ピンチです。
ピンチと言うか、言うなれば命の危機です。
まあ単純に、前方不注意と言うか、俺が完全に悪いのですが。
人と、思いっ切りぶつかりました。
そのぶつかった相手と言うのが、運が悪いことにクラス1の不良少年でした。
村瀬静流。
身長は低く小柄だが、性格はかなりキツく、冷たく、喧嘩っ早い男の子。
育った環境に西生まれの人間が居るらしく、関西弁混じりに喋る。
ちっちゃいけどケンカはかなり強いらしく、良く暴走族を一晩で潰した、だの、ヤのつく自由業の人たちからも一目置かれている、だの、悪い噂が流れている。
俺みたいな、ヒョロガリ中二病男子なんかは絶対に関わっちゃいけないタイプの人種。
なのに俺は、こうして関わっちゃいました。
俺は本当に、馬鹿だと思います。
喉がカラカラに渇いたように、言葉が出て来ない。
せめて謝罪の言葉をまともに紡げれば良かったのだが、恐怖で身動き一つ取れない。
そんな俺の様子を見て、村瀬はますます不機嫌そうに眉を顰めた。
どうしよう、俺個人がボコられる分には、問題ないのかもしれないが、今、俺の隣にはせっかく俺と友達になってくれた女の子・南雲椋がいる。
椋を危険な目に遭わせるわけにはいかない。
どうしよう、どうしよう――。
「おい、何とか言ったらどうや、神室――」
「シズくんっ!」
突然、第三者の弾んだ声が聞こえた。
女子の声だ。
『え』、と思っていると、村瀬の身体がよろけた。
次の瞬間、俺は目の前の光景に目を疑った。
村瀬が。
あの村瀬が、女子に抱きつかれている。
しかも、とんでもない美少女に。
そこに居たのは、八ツ橋麻耶。
彼女も、俺たちのクラスメイトだ。
村瀬と違って背が高く、愛嬌もあり、普段から多くの女子に囲まれている人気者の女の子。
そんな子が、どうして村瀬に?
疑問を口に出したのは、隣に居た椋だった。
「……おふたりは、付き合ってるのですか?」
「ちゃうわアホ」
「えへへ、将来結婚する予定です!」
「せんわ。このスットコドッコイ。ただの幼馴染や」
ぺしりと村瀬が、心なしか優しい力で八ツ橋の頭を叩けば、八ツ橋はすぐに離れた、笑顔で。
幼馴染。
普段周りに注目していないせいか、意外な関係性を知ってしまい正直、俺はかなり戸惑っている。
「シズくん、シズくん、一緒にかえろー! もう、用事済んだでしょ? 行こ行こ!」
「うざいわ。引っ張るなや、アホウ」
村瀬はぶつぶつと文句を言っていたが、そんな村瀬を八ツ橋は有無を言わさず引きずっていった。
俺と椋だけが、教室の出口の所に取り残される。
……八ツ橋に助けられたな。
安心感から、がっくりと項垂れていると。
「よしよし」
椋が、優しく俺の頭を撫でてくれた。
……その温もりに、俺はどうしようもなく泣きたくなっちまったよ、ちくしょうめ。
0
あなたにおすすめの小説
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる