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第三話『ギャクシン!!(逆身長差の意)』
その11 ひみつにしないで、おいてかないで
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★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第三話『ギャクシン!!(逆身長差の意)』その11 ひみつにしないで、おいてかないで
teller:神室鶫
どれくらい、こうして倒れていたんだろう。
意識がくらくらする、世界がぼやける。
もう動けないんじゃないかってくらい、全身が痛い。
その痛みすらも痛すぎて逆に朧気で、五感が麻痺してしまいそうだ。
でも、遠くなりつつあった聴覚に刺激があった。
響くのは。ざっざっと、草を踏む足音。
誰か来たのか。
誰だろう、助けてほしい気持ちもあれば、こんなみっともない姿を誰にも見られたくない気持ちもあって少々複雑だ。
やがて、声が響いた。
好きな声だった。
「つぐ……み、くん……?」
こんな状態だと言うのに、俺は、はっとしてしまう。
目を開けると、夕空をバックに椋がひどく泣きそうな顔で、俺の傍にへたりこんでいた。
「……ど……して……」
椋が、明らかに動揺している。
こんな椋を見るのは初めてで、正直どうしたらいいかわからなかった。
何でもない、で通せる話でもなかったので、俺はかなり迷った末に、真実を告げた。
「……村瀬に、やられた」
椋が目を見開く。
その眼鏡越しの瞳には、涙の膜が張られている気がした。
「いじめ、なのですか」
「ちげえよ。決闘」
「けっ……とう……?」
ああ、これ、言いたくなかったんだけどな、椋にだけは。
絶対心配かけちまうし、俺、こんなにダセェし。
でも、椋の悲しそうな視線に負けて、俺はぽつぽつと掠れた声で経緯を話した。
「村瀬に、さ。八ツ橋に近付くなって、言われたんだよ。俺も椋も。で、俺は椋と八ツ橋に仲良しのまんまで居て欲しかったから、村瀬の決闘の話を受けた」
「……え……」
「あ……ごめん、俺負けちまったけど、大丈夫だから。村瀬、椋のことは許してくれるって――」
言葉は、最後まで言わせてもらえなかった。
とうとう、わっと泣き出した椋に、覆い被さるように抱きつかれてしまったのだ。
普段の俺ならどぎまぎしているが、今は罪悪感が凄まじい。
ああ、俺は。
一番大事な女の子を、こんな形で泣かせてしまったのか。
椋が、涙声を何度も何度も俺にぶつけてくる。
「な……んで、椋に言ってくれなかった、のですか……」
「……危ない話だったし、心配かけちまうと思って。俺、椋に危ない目に遭って欲しくねえんだよ」
「そんな……そんなの……っ」
椋の瞳から零れた大粒の涙が、俺の傷だらけの顔を濡らす。
涙が傷に染みたけど、そんなものより心が痛かった。
「大丈夫、なんかじゃ、ないです……鶫くんが、けが……したら……椋は、悲しいのです……やです……」
「……うん、ごめん」
動くかどうかギリギリの腕を難とか伸ばし、椋の桜色の頭を撫でた。
ごめん、ごめんな椋。
全部、軽率で、流されやすくて、弱っちい俺が悪いんだ。
全部、俺の所為なんだ。
「……鶫くん」
「……うん」
ぐしゃぐしゃに泣いた顔のまま、涙を拭うこともせず、椋が俺に縋ってくる。
椋の涙を見るのがこんなに辛いなんて、思ってもいなかった。
「もう……隠し事は、しないでほしいのです……っ、椋、鶫くんが……たいせつ、なのです……」
「……うん、約束」
わんわん泣きじゃくる椋を、ぎこちなく抱き締める。
後からきっと、俺は恥ずかしさでのたうち回って傷口が開いてとんでもない目に遭うんだろうけど。
今は、今だけは。
この大切な女の子を、守ってやりたい。
もう、二度と泣かせない、泣かせるものか。
有言実行できるかどうかは不安だったけど、それでも俺は静かに決意した。
そんな、夕焼けの中の出来事だった。
teller:神室鶫
どれくらい、こうして倒れていたんだろう。
意識がくらくらする、世界がぼやける。
もう動けないんじゃないかってくらい、全身が痛い。
その痛みすらも痛すぎて逆に朧気で、五感が麻痺してしまいそうだ。
でも、遠くなりつつあった聴覚に刺激があった。
響くのは。ざっざっと、草を踏む足音。
誰か来たのか。
誰だろう、助けてほしい気持ちもあれば、こんなみっともない姿を誰にも見られたくない気持ちもあって少々複雑だ。
やがて、声が響いた。
好きな声だった。
「つぐ……み、くん……?」
こんな状態だと言うのに、俺は、はっとしてしまう。
目を開けると、夕空をバックに椋がひどく泣きそうな顔で、俺の傍にへたりこんでいた。
「……ど……して……」
椋が、明らかに動揺している。
こんな椋を見るのは初めてで、正直どうしたらいいかわからなかった。
何でもない、で通せる話でもなかったので、俺はかなり迷った末に、真実を告げた。
「……村瀬に、やられた」
椋が目を見開く。
その眼鏡越しの瞳には、涙の膜が張られている気がした。
「いじめ、なのですか」
「ちげえよ。決闘」
「けっ……とう……?」
ああ、これ、言いたくなかったんだけどな、椋にだけは。
絶対心配かけちまうし、俺、こんなにダセェし。
でも、椋の悲しそうな視線に負けて、俺はぽつぽつと掠れた声で経緯を話した。
「村瀬に、さ。八ツ橋に近付くなって、言われたんだよ。俺も椋も。で、俺は椋と八ツ橋に仲良しのまんまで居て欲しかったから、村瀬の決闘の話を受けた」
「……え……」
「あ……ごめん、俺負けちまったけど、大丈夫だから。村瀬、椋のことは許してくれるって――」
言葉は、最後まで言わせてもらえなかった。
とうとう、わっと泣き出した椋に、覆い被さるように抱きつかれてしまったのだ。
普段の俺ならどぎまぎしているが、今は罪悪感が凄まじい。
ああ、俺は。
一番大事な女の子を、こんな形で泣かせてしまったのか。
椋が、涙声を何度も何度も俺にぶつけてくる。
「な……んで、椋に言ってくれなかった、のですか……」
「……危ない話だったし、心配かけちまうと思って。俺、椋に危ない目に遭って欲しくねえんだよ」
「そんな……そんなの……っ」
椋の瞳から零れた大粒の涙が、俺の傷だらけの顔を濡らす。
涙が傷に染みたけど、そんなものより心が痛かった。
「大丈夫、なんかじゃ、ないです……鶫くんが、けが……したら……椋は、悲しいのです……やです……」
「……うん、ごめん」
動くかどうかギリギリの腕を難とか伸ばし、椋の桜色の頭を撫でた。
ごめん、ごめんな椋。
全部、軽率で、流されやすくて、弱っちい俺が悪いんだ。
全部、俺の所為なんだ。
「……鶫くん」
「……うん」
ぐしゃぐしゃに泣いた顔のまま、涙を拭うこともせず、椋が俺に縋ってくる。
椋の涙を見るのがこんなに辛いなんて、思ってもいなかった。
「もう……隠し事は、しないでほしいのです……っ、椋、鶫くんが……たいせつ、なのです……」
「……うん、約束」
わんわん泣きじゃくる椋を、ぎこちなく抱き締める。
後からきっと、俺は恥ずかしさでのたうち回って傷口が開いてとんでもない目に遭うんだろうけど。
今は、今だけは。
この大切な女の子を、守ってやりたい。
もう、二度と泣かせない、泣かせるものか。
有言実行できるかどうかは不安だったけど、それでも俺は静かに決意した。
そんな、夕焼けの中の出来事だった。
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