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第四話『コイゴコロはむずかしい』
その4 視覚的世界征服のラバーズ
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★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第四話『コイゴコロはむずかしい』その4 視覚的世界征服のラバーズ
椋と二人で弁当を食べる。
それはとても平和な時間のはずだった。
俺が求めた平穏、のはずだった。
なのに。
「ねえねえ~! そこのおっふたりさん! 突撃となりのお昼ごはん⭐︎ さーせてっ♪」
「あ、あわ……ますみー、だめ、むり、知らん人こわい……」
――あっさりと平穏が壊された。
賑やかな声に顔を上げると、とんでもない二人組がいた。
金髪ツインロールの、フリルつきのチェックのスカートにボーダー模様のニーハイソックスを履いている綺麗な顔立ちの生徒。着てるのはスカート含め所謂、改造制服ってやつだ。
その隣にはデカい熊の着ぐるみ。
……うん、着ぐるみ。
教室に着ぐるみがいる。
金髪だけでも派手なのに、隣の着ぐるみはさらにとんでもねえ。
視界的に異質すぎる。
まあそんな気はしてたし最近めちゃくちゃ実感はしていたが。
俺は今まで自分のことでいっぱいいっぱいで、周りが見えていなかったわけだが。
――そういえばうちのクラス、めっちゃ変なやつ多い。
いや今なら言える。こんなん俺の中二病モードは浮いていたんじゃない。埋もれてたんだ。
個性と呼ぶには中途半端すぎて、孤立していたんだ。なるほど、痒くなるから知りたくなかった。
「羽宮くん、笑海ちゃん。どうしたのですか?」
椋がこてん、と彼らに向かって首を傾げた。
椋といい、俺以外のクラスメイトはこの二人に慣れているっぽいからすげえ。
いつもこいつらは二人でセット行動してるし、なんかハチャメチャなコンビが知らないところで騒いでいる、みたいな認識なんだろうか周りにとっては。
暴走の程度ならオカ研の部活動でやらかす美夏も大概だが。
羽宮真澄。
金髪ツインロールの方の生徒の名前だ。
こいつはこれでも、男である。うん、男。女装ってやつだ。
常にキャピキャピしていてオーラもキラキラしていて美容に敏感。明るくハイテンションだからか見た目の異質さの割に人懐っこいタイプらしく、他のクラスメイトと話してる場面もそこそこ見かける。
五月雨笑海。
着ぐるみの方の生徒の名前だ。
こいつはこれでも、女子だ。うん、女の子。素顔を見たことはないが。
常に熊の着ぐるみの中に引きこもっている、という情報しか俺は知らない。
話し方からして、怖がりでおどおどしたタイプなんだろうが。だからと言って着ぐるみに引きこもる謎の方向性の行動力はよくわからない。そしてそれはキャラ付けの為に包帯巻いている俺が言えた台詞ではない。
羽宮真澄と五月雨笑海。
よくわからん二人はやっぱりよくわからないことに、恋人同士、とのことだった。
クラス名物イロモノバカップル。
そんな二人に俺たちは何でか話しかけられている。
正確には羽宮ソロだが。というか、話しかけられていると言うより。
「あ、あぐぐ……南雲さん、かわい……まぶし……わ、わたし、むりぃ……」
「もー、えみーってばそんなにビビんないの! えみー可愛いよ? ボクはえみーラブ・ナンバーワン! だからね! ふるえないふるえなーい!」
「あ、あう……ますみー……こわい~……」
めそめそと泣きそうな声を上げながら五月雨は羽宮の後ろに隠れる。着ぐるみ姿のまま。
着ぐるみを着た状態から見ても、五月雨の方が羽宮より頭ひとつぶんは背が高いのがわかる。
本当に、どういうカップルなんだろう。
俺が呆然として声も出せないでいると、羽宮が至近距離に居た。
うお近いな睫毛長っ。
「突撃~って言うかね? ボク、すっご~く気になることがあって来ちゃったわけなんだけど! 聞いていいかないいよね、鶫クン!」
了承の返事に関しては聞いちゃくれなかった。
一方的に進められる会話とも呼べない強引なコミュニケーションに、目を回しそうになる。
うん。話しかけられていると言うよりこれは、絡まれている。俺が。
そして、羽宮は俺にとどめの爆弾を落とした。
「ズバリさ、鶫くんと椋ちゃんって、付き合っちゃってるの? ラブなの愛なの?」
「…………はっ!?」
ようやく出せた声は、ひっくり返って変な音になった。
自動的に俺の視線は椋に行く。
椋はいつものぼんやりした表情でまた首を傾げていて。
それにまた顔が熱くなって目を逸らす。
目の前の羽宮の騒がしさより、俺の心臓の騒がしさの方が勝った気がしていた。
椋と二人で弁当を食べる。
それはとても平和な時間のはずだった。
俺が求めた平穏、のはずだった。
なのに。
「ねえねえ~! そこのおっふたりさん! 突撃となりのお昼ごはん⭐︎ さーせてっ♪」
「あ、あわ……ますみー、だめ、むり、知らん人こわい……」
――あっさりと平穏が壊された。
賑やかな声に顔を上げると、とんでもない二人組がいた。
金髪ツインロールの、フリルつきのチェックのスカートにボーダー模様のニーハイソックスを履いている綺麗な顔立ちの生徒。着てるのはスカート含め所謂、改造制服ってやつだ。
その隣にはデカい熊の着ぐるみ。
……うん、着ぐるみ。
教室に着ぐるみがいる。
金髪だけでも派手なのに、隣の着ぐるみはさらにとんでもねえ。
視界的に異質すぎる。
まあそんな気はしてたし最近めちゃくちゃ実感はしていたが。
俺は今まで自分のことでいっぱいいっぱいで、周りが見えていなかったわけだが。
――そういえばうちのクラス、めっちゃ変なやつ多い。
いや今なら言える。こんなん俺の中二病モードは浮いていたんじゃない。埋もれてたんだ。
個性と呼ぶには中途半端すぎて、孤立していたんだ。なるほど、痒くなるから知りたくなかった。
「羽宮くん、笑海ちゃん。どうしたのですか?」
椋がこてん、と彼らに向かって首を傾げた。
椋といい、俺以外のクラスメイトはこの二人に慣れているっぽいからすげえ。
いつもこいつらは二人でセット行動してるし、なんかハチャメチャなコンビが知らないところで騒いでいる、みたいな認識なんだろうか周りにとっては。
暴走の程度ならオカ研の部活動でやらかす美夏も大概だが。
羽宮真澄。
金髪ツインロールの方の生徒の名前だ。
こいつはこれでも、男である。うん、男。女装ってやつだ。
常にキャピキャピしていてオーラもキラキラしていて美容に敏感。明るくハイテンションだからか見た目の異質さの割に人懐っこいタイプらしく、他のクラスメイトと話してる場面もそこそこ見かける。
五月雨笑海。
着ぐるみの方の生徒の名前だ。
こいつはこれでも、女子だ。うん、女の子。素顔を見たことはないが。
常に熊の着ぐるみの中に引きこもっている、という情報しか俺は知らない。
話し方からして、怖がりでおどおどしたタイプなんだろうが。だからと言って着ぐるみに引きこもる謎の方向性の行動力はよくわからない。そしてそれはキャラ付けの為に包帯巻いている俺が言えた台詞ではない。
羽宮真澄と五月雨笑海。
よくわからん二人はやっぱりよくわからないことに、恋人同士、とのことだった。
クラス名物イロモノバカップル。
そんな二人に俺たちは何でか話しかけられている。
正確には羽宮ソロだが。というか、話しかけられていると言うより。
「あ、あぐぐ……南雲さん、かわい……まぶし……わ、わたし、むりぃ……」
「もー、えみーってばそんなにビビんないの! えみー可愛いよ? ボクはえみーラブ・ナンバーワン! だからね! ふるえないふるえなーい!」
「あ、あう……ますみー……こわい~……」
めそめそと泣きそうな声を上げながら五月雨は羽宮の後ろに隠れる。着ぐるみ姿のまま。
着ぐるみを着た状態から見ても、五月雨の方が羽宮より頭ひとつぶんは背が高いのがわかる。
本当に、どういうカップルなんだろう。
俺が呆然として声も出せないでいると、羽宮が至近距離に居た。
うお近いな睫毛長っ。
「突撃~って言うかね? ボク、すっご~く気になることがあって来ちゃったわけなんだけど! 聞いていいかないいよね、鶫クン!」
了承の返事に関しては聞いちゃくれなかった。
一方的に進められる会話とも呼べない強引なコミュニケーションに、目を回しそうになる。
うん。話しかけられていると言うよりこれは、絡まれている。俺が。
そして、羽宮は俺にとどめの爆弾を落とした。
「ズバリさ、鶫くんと椋ちゃんって、付き合っちゃってるの? ラブなの愛なの?」
「…………はっ!?」
ようやく出せた声は、ひっくり返って変な音になった。
自動的に俺の視線は椋に行く。
椋はいつものぼんやりした表情でまた首を傾げていて。
それにまた顔が熱くなって目を逸らす。
目の前の羽宮の騒がしさより、俺の心臓の騒がしさの方が勝った気がしていた。
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