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27 白夜の出会い
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喫茶むらさめ ーマチルダー
夕方、メルとシフトが被る時間。昼の客と夜の客が入れ替わる時間。喫茶むらさめが艶やかさをまとう時間に変わる。
しかし、ルシーナが友達連れて来るのはめずらしいわ。
あの娘、なんのかんの言っても周りに自然と与える圧は強いものね。
さて、どんな娘なのかしらね。お友達は。カウンター越しに二人の楽しそうな声が聞こえてくる。
「でね、エミルのおじいちゃんがお給金代わりにくれたのがこれなの。」
「あっ、これ電気石!でもこれ濁りがない。凄く純度が高いわ。」
ルシーナはマヤが取り出した手のひら大の紫の宝石に思わず興奮して語尾が上る。
「おじいちゃんがね。とりあえずお金に困っていないならしばらく大事に持ってなさいって。」
「素人の私でも、このくらいの大きさだとウン百万Cはするのは分かるよ。」
ルシーナの瞳にはキラキラとした光りが浮かぶ。宝石の反射か、それとも。
「しっかし、深い紫色だね。」
指先で艶めく石をつつくルシーナ。
「でしょう?元が雷溶獣の核だからね。」
「さて、ご注文は?」
「ああ、マチルダ先生、うーん今日は少し疲れたの。」
「ダンジョンで暴れてきたのかい?」
「そんなとこです。」
まぁS級の冒険者のこの娘のが疲れたというんだ。多分相当な相手がいたということだろうね。
「そちらは、初めてだけど・・・」
「ああ、この娘はマヤ。マヤ、こちらは、マチルダさん。私の剣術の先生なんだ。先生、マヤはアウロンド装具店で武器のテスターみたいなことをしてて、今日知り合ったの。」
「出会いは最悪だったけどね。」
「ああ、まぁね。」
ルシーナのことだ、エミルに近づく女がいたら突っかかるだろうし・・・なんか想像つくな。
「それより見てよ、先生。凄い電気石なんだよ。これ。」
マヤの細いがしっかりした指の間いあったのは、大粒の電気石。紫紺というのかな。深く濃い紺色がかった紫に艶がある。その紫の中には時々金色の雷が奔るのが見えた。するとマヤがこちらに差し出してきた。
「触ってもいいの?」
「ええ。」
マヤの手の平からその紫の貴石がマチルダの手に触れた時、鋭い刺激が奔った。
マヤと目が合う。目元は涼し気で、まつ毛は長い。日には焼けているがスッと薄く美しい桜色の唇にマチルダは思わず息を呑んだ。
ああ、貴女はここにいたのだな。電気石が魔力の媒介となり、魂の記憶をつなげたらしい。
「痛っ!静電気?マチルダさん、痛くなかった?」
「ええ、大丈夫よ。サ、いやマヤさん。」
「マヤでいいよ。マチルダさん。」
「じゃあ、わたしもマチルダって呼んでね。」
マヤは、一瞬とまどったようだけど、いい笑顔ね。
電気石はマチルダの手の中。
「今日の収穫がこれなの?」
これ極めて純度の高い電気石だわ。しかも魔力込み。ただの宝石じゃないわね。
「ええ、アウロンド装具店のエマルおじいさんがバイト代にくれたの。」
なるほどぉ、あのじいさんならこれくらいのモノは取り扱うだろうけど。
「どんな高額バイトなのよ。危ない目には遭わなかっただろうね?」
「ええ~いやまぁ~。」
あの店の連中は脳みそのネジが外れてるから・・・
「じいさんは何か言ってなかったかい?」
「大事に持っていなさいって。」
「だろうね。あのじいさんの言うことは聞いておいた方がいいわ。エミルはどうでもいいけど。」
二人が吹きだすから、おもわず私も笑っちゃったじゃない。
あら、入口の呼び鈴が鳴ったわ。お客さんね。
「こんばんは。」
ああ、エミルじゃないの。ウワサをすればなんとかね。
「あら、いらっしゃい。ルシーナとマヤなら来てるよ。」
そう、ほらこっち。
「よう、お二人さん!」
「あぁ、エミルどうしたの?」
「ちょっと息抜きにさ。明日店は休みだし。」
「今日はちょっと運動したしねぇ」
エミルは腹を抱えて笑っている。
「いやぁ、ルシーナからしたら、ちょっとした運動かもしれないけど。ちょっとおっさんには辛いワケよ。ステラなんて出てきた日にゃぁちょっとな。節々が痛いよ。」
「もう、そんなに年じゃないでしょ。運動不足じゃないの?」
「そっかなぁ?」
さてさて、テーブルが淋しいようね。
「みんな、ご注文は?」
「ステラさんに夕飯ご馳走になったし、お風呂もいただいたから軽くていいわ。」
「クモのせいで埃まみれになったからね。」
どうりでみんなこざっぱりしてるのね。
「マチルダ、今日のおすすめは何?」
待ってました。それじゃぁ。
「そうね。エミル。白夜の出会いなんてどうかしら。新しい顔も増えたみたいだし。」
「そうか、もう少ししたら暑くなってくるってことか。いいね。」
白夜の出会いはジンベースのカクテル。この地方特有の月の涙という李の果汁を使っていて甘い口当たりだが、李とジンだけにキレがいい。この李は初夏が旬なので淡い白い色も相まって白夜をイメージさせる。
「私達もそれにしようか。ねぇマヤ。」
「そうだね、少し疲れたから私も軽いのがいいよ。」
テーブルには白夜の出会いが三杯並んだ。
「ああ、そうだ。これ、マヤが使ってくれないかって。」
「え、何?」八つの丸い柘榴石が埋め込まれた指輪。
エミルが取り出したのは、
「へ?これって昼間のクモからドロップしたヤツ。」
「そ、星霧女王のドロップアイテム。炯眼の指輪というらしい。」
「ええぇ、これを私にくれるの?」
「うん、テスターとして・・「くれるの?誰が?」」
「うん、じいちゃんが・・「エミルが私に指輪をくれるのね!」」
あらぁ、マヤの口元に女の情念が宿ったわ。・・・ということは・・・。
「これを嵌めると矢の的中率が・・・「エミル!お願いがあるの!」」
「へ?」
「その指輪。私の指に嵌めてくれる?」
「誰が?」
「あなたよ、エミル。」
「ん?」
ほうら、左手の薬指出しちゃったよ。この娘。
「え、えーと。」
さすがに鈍感なエミルでも気づいたようね。そしてこの殺気にも・・・。
「くれるんじゃないの?ウソなの?」
マヤ、やるわね。上目使いに涙まで滲ませて。初心かと思えば・・・。
「ウソじゃないけど・・・これは・・・。」
エミル、背中で感じてるんでしょ?ルシーナが剣に手をかけてるのを。あんた、その手を動かしたら命の保証は・・・。
「え~み~るぅ~。」
二人の娘の声色が変わった。
引くに引けない綱渡りの綱にこの娘たち、両側から乗ったみたい。ひとりが動けば綱が揺れて相手も動かざるを得ない。
やれやれ。若いねぇ。
「さて、これは私が預かるわ。」
「あっ!」
「マチルダ。」
私が収めるしかないでしょう。仲良しの二人の娘がこの店でケンカなんて。
「イタズラ爺がくれた指輪には魅了の魔法がかかってるかもしれないしね。お姉さんがちょっと預かるわ。」
「んもう!もう少しだったのに!」
「良かったぁ!あれ?」
エミルの姿がないわね。逃げやがったな。
「マチルダァ!任せたぁ!」
あいつ。もう店の外ね。逃げ足の速いこと。
「エミル、お酒飲まずに帰っちゃったね。」
二人とも落ち着いたようね。
「ルシーナごめんね。調子に乗り過ぎたよ。」
「ホントに。でも私も頭に血が昇っちゃって。・・・マヤ、ごめん。」
「私とメルの店でケンカはご法度だよ。」
はぁいと二人がうなだれる。
「あーちょっと飲みたくなってきた。」
「私も。」
「結構飲めると思うわよ。」
私はテーブルの隅を指差した。エミルめ、金を置いていったな。
「私に任せたってこういうことなのよ。」
「エミルめ。根性なし!」
二人は笑ってる。
「まぁ、飲んじゃえ。こういうとこ、嫌いじゃないわ。」
カラン
飲み手のいなくなった白夜の出会いのグラスに私は炯眼の指輪をそっと入れた。
「白夜のお酒に魅了の魔法を清めてもらいましょう。」
「臆病者と出会いに乾杯!」
三つの白い夜にグラスの音が響いた。
夕方、メルとシフトが被る時間。昼の客と夜の客が入れ替わる時間。喫茶むらさめが艶やかさをまとう時間に変わる。
しかし、ルシーナが友達連れて来るのはめずらしいわ。
あの娘、なんのかんの言っても周りに自然と与える圧は強いものね。
さて、どんな娘なのかしらね。お友達は。カウンター越しに二人の楽しそうな声が聞こえてくる。
「でね、エミルのおじいちゃんがお給金代わりにくれたのがこれなの。」
「あっ、これ電気石!でもこれ濁りがない。凄く純度が高いわ。」
ルシーナはマヤが取り出した手のひら大の紫の宝石に思わず興奮して語尾が上る。
「おじいちゃんがね。とりあえずお金に困っていないならしばらく大事に持ってなさいって。」
「素人の私でも、このくらいの大きさだとウン百万Cはするのは分かるよ。」
ルシーナの瞳にはキラキラとした光りが浮かぶ。宝石の反射か、それとも。
「しっかし、深い紫色だね。」
指先で艶めく石をつつくルシーナ。
「でしょう?元が雷溶獣の核だからね。」
「さて、ご注文は?」
「ああ、マチルダ先生、うーん今日は少し疲れたの。」
「ダンジョンで暴れてきたのかい?」
「そんなとこです。」
まぁS級の冒険者のこの娘のが疲れたというんだ。多分相当な相手がいたということだろうね。
「そちらは、初めてだけど・・・」
「ああ、この娘はマヤ。マヤ、こちらは、マチルダさん。私の剣術の先生なんだ。先生、マヤはアウロンド装具店で武器のテスターみたいなことをしてて、今日知り合ったの。」
「出会いは最悪だったけどね。」
「ああ、まぁね。」
ルシーナのことだ、エミルに近づく女がいたら突っかかるだろうし・・・なんか想像つくな。
「それより見てよ、先生。凄い電気石なんだよ。これ。」
マヤの細いがしっかりした指の間いあったのは、大粒の電気石。紫紺というのかな。深く濃い紺色がかった紫に艶がある。その紫の中には時々金色の雷が奔るのが見えた。するとマヤがこちらに差し出してきた。
「触ってもいいの?」
「ええ。」
マヤの手の平からその紫の貴石がマチルダの手に触れた時、鋭い刺激が奔った。
マヤと目が合う。目元は涼し気で、まつ毛は長い。日には焼けているがスッと薄く美しい桜色の唇にマチルダは思わず息を呑んだ。
ああ、貴女はここにいたのだな。電気石が魔力の媒介となり、魂の記憶をつなげたらしい。
「痛っ!静電気?マチルダさん、痛くなかった?」
「ええ、大丈夫よ。サ、いやマヤさん。」
「マヤでいいよ。マチルダさん。」
「じゃあ、わたしもマチルダって呼んでね。」
マヤは、一瞬とまどったようだけど、いい笑顔ね。
電気石はマチルダの手の中。
「今日の収穫がこれなの?」
これ極めて純度の高い電気石だわ。しかも魔力込み。ただの宝石じゃないわね。
「ええ、アウロンド装具店のエマルおじいさんがバイト代にくれたの。」
なるほどぉ、あのじいさんならこれくらいのモノは取り扱うだろうけど。
「どんな高額バイトなのよ。危ない目には遭わなかっただろうね?」
「ええ~いやまぁ~。」
あの店の連中は脳みそのネジが外れてるから・・・
「じいさんは何か言ってなかったかい?」
「大事に持っていなさいって。」
「だろうね。あのじいさんの言うことは聞いておいた方がいいわ。エミルはどうでもいいけど。」
二人が吹きだすから、おもわず私も笑っちゃったじゃない。
あら、入口の呼び鈴が鳴ったわ。お客さんね。
「こんばんは。」
ああ、エミルじゃないの。ウワサをすればなんとかね。
「あら、いらっしゃい。ルシーナとマヤなら来てるよ。」
そう、ほらこっち。
「よう、お二人さん!」
「あぁ、エミルどうしたの?」
「ちょっと息抜きにさ。明日店は休みだし。」
「今日はちょっと運動したしねぇ」
エミルは腹を抱えて笑っている。
「いやぁ、ルシーナからしたら、ちょっとした運動かもしれないけど。ちょっとおっさんには辛いワケよ。ステラなんて出てきた日にゃぁちょっとな。節々が痛いよ。」
「もう、そんなに年じゃないでしょ。運動不足じゃないの?」
「そっかなぁ?」
さてさて、テーブルが淋しいようね。
「みんな、ご注文は?」
「ステラさんに夕飯ご馳走になったし、お風呂もいただいたから軽くていいわ。」
「クモのせいで埃まみれになったからね。」
どうりでみんなこざっぱりしてるのね。
「マチルダ、今日のおすすめは何?」
待ってました。それじゃぁ。
「そうね。エミル。白夜の出会いなんてどうかしら。新しい顔も増えたみたいだし。」
「そうか、もう少ししたら暑くなってくるってことか。いいね。」
白夜の出会いはジンベースのカクテル。この地方特有の月の涙という李の果汁を使っていて甘い口当たりだが、李とジンだけにキレがいい。この李は初夏が旬なので淡い白い色も相まって白夜をイメージさせる。
「私達もそれにしようか。ねぇマヤ。」
「そうだね、少し疲れたから私も軽いのがいいよ。」
テーブルには白夜の出会いが三杯並んだ。
「ああ、そうだ。これ、マヤが使ってくれないかって。」
「え、何?」八つの丸い柘榴石が埋め込まれた指輪。
エミルが取り出したのは、
「へ?これって昼間のクモからドロップしたヤツ。」
「そ、星霧女王のドロップアイテム。炯眼の指輪というらしい。」
「ええぇ、これを私にくれるの?」
「うん、テスターとして・・「くれるの?誰が?」」
「うん、じいちゃんが・・「エミルが私に指輪をくれるのね!」」
あらぁ、マヤの口元に女の情念が宿ったわ。・・・ということは・・・。
「これを嵌めると矢の的中率が・・・「エミル!お願いがあるの!」」
「へ?」
「その指輪。私の指に嵌めてくれる?」
「誰が?」
「あなたよ、エミル。」
「ん?」
ほうら、左手の薬指出しちゃったよ。この娘。
「え、えーと。」
さすがに鈍感なエミルでも気づいたようね。そしてこの殺気にも・・・。
「くれるんじゃないの?ウソなの?」
マヤ、やるわね。上目使いに涙まで滲ませて。初心かと思えば・・・。
「ウソじゃないけど・・・これは・・・。」
エミル、背中で感じてるんでしょ?ルシーナが剣に手をかけてるのを。あんた、その手を動かしたら命の保証は・・・。
「え~み~るぅ~。」
二人の娘の声色が変わった。
引くに引けない綱渡りの綱にこの娘たち、両側から乗ったみたい。ひとりが動けば綱が揺れて相手も動かざるを得ない。
やれやれ。若いねぇ。
「さて、これは私が預かるわ。」
「あっ!」
「マチルダ。」
私が収めるしかないでしょう。仲良しの二人の娘がこの店でケンカなんて。
「イタズラ爺がくれた指輪には魅了の魔法がかかってるかもしれないしね。お姉さんがちょっと預かるわ。」
「んもう!もう少しだったのに!」
「良かったぁ!あれ?」
エミルの姿がないわね。逃げやがったな。
「マチルダァ!任せたぁ!」
あいつ。もう店の外ね。逃げ足の速いこと。
「エミル、お酒飲まずに帰っちゃったね。」
二人とも落ち着いたようね。
「ルシーナごめんね。調子に乗り過ぎたよ。」
「ホントに。でも私も頭に血が昇っちゃって。・・・マヤ、ごめん。」
「私とメルの店でケンカはご法度だよ。」
はぁいと二人がうなだれる。
「あーちょっと飲みたくなってきた。」
「私も。」
「結構飲めると思うわよ。」
私はテーブルの隅を指差した。エミルめ、金を置いていったな。
「私に任せたってこういうことなのよ。」
「エミルめ。根性なし!」
二人は笑ってる。
「まぁ、飲んじゃえ。こういうとこ、嫌いじゃないわ。」
カラン
飲み手のいなくなった白夜の出会いのグラスに私は炯眼の指輪をそっと入れた。
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「臆病者と出会いに乾杯!」
三つの白い夜にグラスの音が響いた。
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