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5 二次会の後で
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「結婚おめでとう! カンパーイ!!」
あれから一週間、待ちに待った友達の結婚式の日だ。
お洒落なチャペルを模した式場での厳かな結婚式も良かったけれど、雰囲気の良い居酒屋を貸し切っての気心知れた仲間達だけでの二次会はテンションが上がるので別の良さがある。
式を挙げたのは高校の友達だったので、私のいるテーブルには懐かしい面々ばかりだ。別のテーブルには彼女の大学の友達がいて、更に別のテーブルには会社の同僚のテーブルがある。
家族や会社の上司等気を使うようなメンバーは帰っているので、既に無礼講の様相を呈していてざわざわしている。特に大学の友達のテーブルがうるさい。
主賓の夫婦は比較的人数の少ない私達のテーブルに席を設けていたが、あちらこちらに声を掛けたり掛けられたりするので全然戻ってこない。
なので必然的に高校のメンバーだけでのただの同窓会状態になっている。
「それにしても、あのおっとりしてた裕子が一番最初に結婚するなんてねぇ」
そう漏らしたのは私の隣に座る絵里奈だ。彼女は大学出身で、会社での同期でもあるので一番付き合いが長い。
「次は絵里奈でしょ? プロポーズされたって言ってたじゃない」
「まぁね。式の日取りは来年かなって程度でまだ具体的に決めてないけど。それより、瑠璃はどうなのよ、あれから」
彼女とは何でも相談し合う仲なので、当然元彼との話も知っている。
私は2杯目に突入したユズチューハイを一気に飲んで、もう一杯お替りする。
絵里奈の質問に、脳裏に晴人さんの笑顔が浮かんだけれど、軽く頭を振ってかき消した。
「いやー何もないわねぇ」
メーちゃんと番になってから活動を休止していたハヤッチが芸能活動を再開したので、ハヤッチのマネージャー業をしている晴人さんとは直接会っていない。
ハヤッチは夕方からの仕事が多いので、同行する彼も同じ時間に動いているから、昼間働く私とは時間帯が合わないのだ。
電話やメールはちょこちょこしているけれどね。先日取り付けた約束は明日だけれど、キャンセルになるかもしれないと思っている。
大抵の獣人は番を見つけた途端に引退して番とひっそりと暮らせるようにすることが多いらしいが、ハヤッチはメーちゃんに贅沢をさせてあげたいタイプらしく、芸能活動を続けるそうだ。
だが、日帰りで済む仕事しか受けない、どうしても遠方に出る時はメーちゃんを同伴させるという条件が付いたので調整する晴人さんは大変なのだそうだ。
本当にあの我儘犬はと呆れてしまうけれど、メーちゃんを幸せにする為だというのなら私に否やは無い。晴人さんと会えないのは残念だけれど、元々友人でも何でもないしね。
ちょっとだけ、ちょっとだけ晴人さんは私に気があるのではと思わないでもないけれど、女というものはかっこいい男が優しくしてくれただけで勘違いしてしまう生き物なのだ。過度な期待は良くない。
「あれ またチューハイ? 瑠璃こんなのジュースみたいなものだっていつも飲まないのに」
「んーいや、ちょっとねぇ」
最近立て続けに失敗しているので控えることにしていた。こんなところでいきなり転寝とかしたら迷惑が過ぎる。
「でも、結菜さん綺麗になったよねぇ。高校の時はもっと大人しい感じだったのに」
そう言ってくれたのは高校で同じクラスだったことがある子だ。
あの頃はこの無駄に大きい胸をコンプレックスに感じていた頃だ。中学ではこの胸が原因で男子にはからかわれ、女子には目の敵にされるような過ごし方をしていたので、高校では体型の分からないような工夫をして、目立たないよう振る舞っていたから大人しく見えたのだろう。
実際には、単に面倒なことを避けたい気持ちからだったが、ある時逆にそれが女子に眼を付けられる結果になっていたことが分かって、吹っ切れたのだ。単に嫉妬しているだけだと分かれば、彼女たちが驚くほど幼稚に見えて、反撃したら何も言ってこなくなった。反撃といっても物理じゃないけどね。ちょーっと抉るように言い返しただけ。
「瑠璃が大人しい子だなんて幻想を持ってた男子は一様に女王様降臨の様相を呈していたよね」
「やめてよ人聞き悪い」
過去を思い返していたら絵里奈にからかわれてしまった。確かにあれ以来クラスでは私と眼を合わせなくなった男子もいれば、変に陶然とした顔をする男子もいて薄気味悪い思いもしたことがある。
「でも、本当綺麗になったと思うよ、結菜さん。あの時も可愛かったけど」
そう言ってくれたのは、同じく高校の同級生だった佐加野君だ。といっても私は覚えていないので、席札の名前を見て覚えただけだけど。絵里奈によると、常に机にいる真面目君だったらしい。
「ありがとうねー」
「あのーー」
社交辞令として流したら彼が何かを続けようとしたが、元大学生同期グループのテーブルがお酒を零したとか何とかで騒がしくなったので有耶無耶になってしまった。
「あの、結菜さんちょっといい?」
二次会も終わったので、タクシー待ちでざわざわとしている店先で絵里奈と話していると、佐加野君に声を掛けられた。
絵里奈が私にウインクしながら背中を押して来たので、慌ててしまう。もしかしなくても展開が読めたので。
「これから、もう少し飲みにいかない? 珍しい日本酒とかが置いてあるお店があって……。結菜さんお酒強いって言ってたし、飲み足らなさそうにしてたし」
「え、いやぁ、どうしようかな」
彼の誘いにはかなり惹かれた。確かにチューハイしか飲まなかったので、全く酔いが感じられず物足らないのだ。最近とても気持ちよく酔っぱらった気がするので、余計に口寂しくて、家で飲みなおそうと考えていた所だ。
けれど、彼の意図はお酒だけでは無いのは明白なので、躊躇してしまう。
別に佐加野君が嫌だとかそういう訳では無い。彼はそれなりに整った顔立ちをしているし、誘い方も強引さが無く好印象だ。以前ならば一も二も無く飛びついていた誘いだろう。でも、何故か私はそれに乗り気になれない。晴人さんのことが脳裏にちらついてしまって。
あんな美人な男の人に……、なんてあるわけ無いって割り切っているつもりなんだけどな。
「結菜さん?」
思わず俯いた私の手に、佐加野君から伸びて来た手が触れた瞬間、急に強い不快感がせりあがって思わず振り払ってしまった。
「え? いや、ごめ……」
不思議そうに声を漏らしたのは私の方だった。佐加野君からは特に変な意図は感じられなかったのに、身体が勝手に拒否反応を示してしまったのでびっくりしてしまった。
気まずく見つめ合う私達の間に、低く落ち着いた声が掛かる。
「あれ、瑠璃さん?」
聞き覚えのある声に振り替えると、晴人さんだった。スーツを着ているので仕事の帰りなのかもしれない。
「結婚式の二次会って聞いてたんですけど……」
「あ、はい。さっき終わって帰ろうと思ってました」
振り返って確認すると、佐加野君が絵里奈にタクシーに押し込まれているところだった。絵里奈が手を振ってそのまま乗り込んでどこかに去って行ってしまう。あの絵里奈の顔は絶対後でからかわれそうだ。弱ったな、そんなんじゃないって言ってもしつこいんだあの子。
っていうか、同じ方向に行く者同士で一緒に乗る筈だったのに一人で乗る羽目になってしまった。
「晴人さんは仕事はもう良いんですか?」
「今日はもう終わりました。瑠璃さんはもう帰りですか? 送りますよ」
「本当に!? 助かるわー」
気を取り直して質問すると、晴人さんから願ってもない申し出が出たので飛びついてしまう。
ハヤッチはいないのかと聞くと、仕事が終わった途端自分の車で一直線に帰ってしまったそうだ。
「本来は次の撮影の事とか色々打ち合わせをしないといけないのに、俺に任せて帰っちゃうんですよ」
「あんの駄犬め……」
「まぁ、番を見つけた獣人というのはそういうものなので、しょうがないんですけどね。むしろ、仕事を続けてくれるだけ有難いと思わないと。過去には電撃引退されて後始末にひーひー走り回っていた同僚とかも居たので」
「あー……」
映画等大きな仕事があっても引退を強行したがるのが番を見つけた獣人というものらしい。慰謝料問題になりかけた人も居るそうだ。結局その獣人は番に説得されて、受け持っていた仕事だけは終わらせたそうだが。
「でも、仕事終わりが遅くなったお陰で瑠璃さんに会えたので、俺としては嬉しかったですけどね」
「嬉しいこと言ってくれちゃうわねぇ」
「瑠璃さんて俺が言うこと信じてないでしょ」
「そんなことないわよ」
お世辞を真に受ける程若くないだけよ。と口に出さずに言う。
晴人さんに誘導されたのは、近くの立体駐車場。こんな目と鼻の先で撮影があったなんて本当凄い偶然だ。
「そういえば、あまり酔っていないんですね。二次会だと結構お酒を飲んでると思ってたんですが」
「私本当は結構強いのよ、2回も失敗したところを見せてるんで信用無いんでしょうけど」
寝落ちしただけとはいえ失敗は失敗。蟒蛇の異名を持つ私としては恥ずかしいことこの上ない。
立体駐車場の中を進むと、晴人さんの車があったので乗り込もうとすると晴人さんが近くに立って助手席のドアを開けてくれた。わぁスマート。もしかして晴人さん外国人の血でも入ってるのかしらなんて考えてしまう。
「んぇ?」
助手席に乗り込んでシートベルトをしめようとした所で、晴人さんの顔が思った以上に近くにあって驚くより前に唇を塞がれた。流し込まれた唾液をコクリと飲んでしまう。
あぁ、そうこれだ。お酒よりもよほど気持ちいい酩酊感。駄目だ、癖になりそう。
あれから一週間、待ちに待った友達の結婚式の日だ。
お洒落なチャペルを模した式場での厳かな結婚式も良かったけれど、雰囲気の良い居酒屋を貸し切っての気心知れた仲間達だけでの二次会はテンションが上がるので別の良さがある。
式を挙げたのは高校の友達だったので、私のいるテーブルには懐かしい面々ばかりだ。別のテーブルには彼女の大学の友達がいて、更に別のテーブルには会社の同僚のテーブルがある。
家族や会社の上司等気を使うようなメンバーは帰っているので、既に無礼講の様相を呈していてざわざわしている。特に大学の友達のテーブルがうるさい。
主賓の夫婦は比較的人数の少ない私達のテーブルに席を設けていたが、あちらこちらに声を掛けたり掛けられたりするので全然戻ってこない。
なので必然的に高校のメンバーだけでのただの同窓会状態になっている。
「それにしても、あのおっとりしてた裕子が一番最初に結婚するなんてねぇ」
そう漏らしたのは私の隣に座る絵里奈だ。彼女は大学出身で、会社での同期でもあるので一番付き合いが長い。
「次は絵里奈でしょ? プロポーズされたって言ってたじゃない」
「まぁね。式の日取りは来年かなって程度でまだ具体的に決めてないけど。それより、瑠璃はどうなのよ、あれから」
彼女とは何でも相談し合う仲なので、当然元彼との話も知っている。
私は2杯目に突入したユズチューハイを一気に飲んで、もう一杯お替りする。
絵里奈の質問に、脳裏に晴人さんの笑顔が浮かんだけれど、軽く頭を振ってかき消した。
「いやー何もないわねぇ」
メーちゃんと番になってから活動を休止していたハヤッチが芸能活動を再開したので、ハヤッチのマネージャー業をしている晴人さんとは直接会っていない。
ハヤッチは夕方からの仕事が多いので、同行する彼も同じ時間に動いているから、昼間働く私とは時間帯が合わないのだ。
電話やメールはちょこちょこしているけれどね。先日取り付けた約束は明日だけれど、キャンセルになるかもしれないと思っている。
大抵の獣人は番を見つけた途端に引退して番とひっそりと暮らせるようにすることが多いらしいが、ハヤッチはメーちゃんに贅沢をさせてあげたいタイプらしく、芸能活動を続けるそうだ。
だが、日帰りで済む仕事しか受けない、どうしても遠方に出る時はメーちゃんを同伴させるという条件が付いたので調整する晴人さんは大変なのだそうだ。
本当にあの我儘犬はと呆れてしまうけれど、メーちゃんを幸せにする為だというのなら私に否やは無い。晴人さんと会えないのは残念だけれど、元々友人でも何でもないしね。
ちょっとだけ、ちょっとだけ晴人さんは私に気があるのではと思わないでもないけれど、女というものはかっこいい男が優しくしてくれただけで勘違いしてしまう生き物なのだ。過度な期待は良くない。
「あれ またチューハイ? 瑠璃こんなのジュースみたいなものだっていつも飲まないのに」
「んーいや、ちょっとねぇ」
最近立て続けに失敗しているので控えることにしていた。こんなところでいきなり転寝とかしたら迷惑が過ぎる。
「でも、結菜さん綺麗になったよねぇ。高校の時はもっと大人しい感じだったのに」
そう言ってくれたのは高校で同じクラスだったことがある子だ。
あの頃はこの無駄に大きい胸をコンプレックスに感じていた頃だ。中学ではこの胸が原因で男子にはからかわれ、女子には目の敵にされるような過ごし方をしていたので、高校では体型の分からないような工夫をして、目立たないよう振る舞っていたから大人しく見えたのだろう。
実際には、単に面倒なことを避けたい気持ちからだったが、ある時逆にそれが女子に眼を付けられる結果になっていたことが分かって、吹っ切れたのだ。単に嫉妬しているだけだと分かれば、彼女たちが驚くほど幼稚に見えて、反撃したら何も言ってこなくなった。反撃といっても物理じゃないけどね。ちょーっと抉るように言い返しただけ。
「瑠璃が大人しい子だなんて幻想を持ってた男子は一様に女王様降臨の様相を呈していたよね」
「やめてよ人聞き悪い」
過去を思い返していたら絵里奈にからかわれてしまった。確かにあれ以来クラスでは私と眼を合わせなくなった男子もいれば、変に陶然とした顔をする男子もいて薄気味悪い思いもしたことがある。
「でも、本当綺麗になったと思うよ、結菜さん。あの時も可愛かったけど」
そう言ってくれたのは、同じく高校の同級生だった佐加野君だ。といっても私は覚えていないので、席札の名前を見て覚えただけだけど。絵里奈によると、常に机にいる真面目君だったらしい。
「ありがとうねー」
「あのーー」
社交辞令として流したら彼が何かを続けようとしたが、元大学生同期グループのテーブルがお酒を零したとか何とかで騒がしくなったので有耶無耶になってしまった。
「あの、結菜さんちょっといい?」
二次会も終わったので、タクシー待ちでざわざわとしている店先で絵里奈と話していると、佐加野君に声を掛けられた。
絵里奈が私にウインクしながら背中を押して来たので、慌ててしまう。もしかしなくても展開が読めたので。
「これから、もう少し飲みにいかない? 珍しい日本酒とかが置いてあるお店があって……。結菜さんお酒強いって言ってたし、飲み足らなさそうにしてたし」
「え、いやぁ、どうしようかな」
彼の誘いにはかなり惹かれた。確かにチューハイしか飲まなかったので、全く酔いが感じられず物足らないのだ。最近とても気持ちよく酔っぱらった気がするので、余計に口寂しくて、家で飲みなおそうと考えていた所だ。
けれど、彼の意図はお酒だけでは無いのは明白なので、躊躇してしまう。
別に佐加野君が嫌だとかそういう訳では無い。彼はそれなりに整った顔立ちをしているし、誘い方も強引さが無く好印象だ。以前ならば一も二も無く飛びついていた誘いだろう。でも、何故か私はそれに乗り気になれない。晴人さんのことが脳裏にちらついてしまって。
あんな美人な男の人に……、なんてあるわけ無いって割り切っているつもりなんだけどな。
「結菜さん?」
思わず俯いた私の手に、佐加野君から伸びて来た手が触れた瞬間、急に強い不快感がせりあがって思わず振り払ってしまった。
「え? いや、ごめ……」
不思議そうに声を漏らしたのは私の方だった。佐加野君からは特に変な意図は感じられなかったのに、身体が勝手に拒否反応を示してしまったのでびっくりしてしまった。
気まずく見つめ合う私達の間に、低く落ち着いた声が掛かる。
「あれ、瑠璃さん?」
聞き覚えのある声に振り替えると、晴人さんだった。スーツを着ているので仕事の帰りなのかもしれない。
「結婚式の二次会って聞いてたんですけど……」
「あ、はい。さっき終わって帰ろうと思ってました」
振り返って確認すると、佐加野君が絵里奈にタクシーに押し込まれているところだった。絵里奈が手を振ってそのまま乗り込んでどこかに去って行ってしまう。あの絵里奈の顔は絶対後でからかわれそうだ。弱ったな、そんなんじゃないって言ってもしつこいんだあの子。
っていうか、同じ方向に行く者同士で一緒に乗る筈だったのに一人で乗る羽目になってしまった。
「晴人さんは仕事はもう良いんですか?」
「今日はもう終わりました。瑠璃さんはもう帰りですか? 送りますよ」
「本当に!? 助かるわー」
気を取り直して質問すると、晴人さんから願ってもない申し出が出たので飛びついてしまう。
ハヤッチはいないのかと聞くと、仕事が終わった途端自分の車で一直線に帰ってしまったそうだ。
「本来は次の撮影の事とか色々打ち合わせをしないといけないのに、俺に任せて帰っちゃうんですよ」
「あんの駄犬め……」
「まぁ、番を見つけた獣人というのはそういうものなので、しょうがないんですけどね。むしろ、仕事を続けてくれるだけ有難いと思わないと。過去には電撃引退されて後始末にひーひー走り回っていた同僚とかも居たので」
「あー……」
映画等大きな仕事があっても引退を強行したがるのが番を見つけた獣人というものらしい。慰謝料問題になりかけた人も居るそうだ。結局その獣人は番に説得されて、受け持っていた仕事だけは終わらせたそうだが。
「でも、仕事終わりが遅くなったお陰で瑠璃さんに会えたので、俺としては嬉しかったですけどね」
「嬉しいこと言ってくれちゃうわねぇ」
「瑠璃さんて俺が言うこと信じてないでしょ」
「そんなことないわよ」
お世辞を真に受ける程若くないだけよ。と口に出さずに言う。
晴人さんに誘導されたのは、近くの立体駐車場。こんな目と鼻の先で撮影があったなんて本当凄い偶然だ。
「そういえば、あまり酔っていないんですね。二次会だと結構お酒を飲んでると思ってたんですが」
「私本当は結構強いのよ、2回も失敗したところを見せてるんで信用無いんでしょうけど」
寝落ちしただけとはいえ失敗は失敗。蟒蛇の異名を持つ私としては恥ずかしいことこの上ない。
立体駐車場の中を進むと、晴人さんの車があったので乗り込もうとすると晴人さんが近くに立って助手席のドアを開けてくれた。わぁスマート。もしかして晴人さん外国人の血でも入ってるのかしらなんて考えてしまう。
「んぇ?」
助手席に乗り込んでシートベルトをしめようとした所で、晴人さんの顔が思った以上に近くにあって驚くより前に唇を塞がれた。流し込まれた唾液をコクリと飲んでしまう。
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