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第三章:京への帰還、迫る刺客の刃
第六話:皐月の新剣技
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奉行所の庭での激戦は、鉄斎の圧倒的な力の前に、藤次郎の槍が撓み、京の与力たちが次々と吹き飛ばされるという、絶望的な状況に陥っていた。
しかし、さつきは、その巨漢の前に臆することなく、静かに、しかし確かな覚悟を秘めて構えを取っていた。
「私の相手は、貴様だ」
さつきの言葉に、鉄斎は鼻で笑った。
「小娘ごときが、このわしに敵うものか! その細腕で、この金棒の一撃を受け止められるものなら、やってみよ!」
鉄斎は、そう言い放つと、巨大な金棒を頭上高く振り上げ、さつきめがけて叩きつけてきた。その一撃は、まるで巨大な岩が落ちてくるかのような轟音を伴い、地面を揺らした。
さつきは、その圧倒的な力に対し、正面から受け止めることはせず、一歩踏み込んで、その金棒の軌道から外れた。
そして、金棒が地面に叩きつけられ、わずかな隙が生じたその瞬間、彼女は電光石火の如く踏み込んだ。
琵琶湖での影狼との敗北、そして刀鍛冶の村での修行。さつきは、そこで自身の剣を深く見つめ直し、新たな境地へと到達していた。「ただ打ち破る」だけでなく、「いかにして相手の力を利用し、流れを読み、最小限の動きで最大の効果を生み出すか」。それが、彼女が求めた「月の剣」の真髄であった。
鉄斎の巨体と金棒の間にできたわずかな隙間を縫うように、さつきの刀が滑り込む。それは、まるで月光が闇夜を切り裂くかのような、繊細で流れるような動きであった。
「なっ…!」
鉄斎は、自身の剛腕が繰り出す攻撃をいとも容易くかわされ、驚愕に目を見開いた。
さつきの刀は、鉄斎の腕を狙うことなく、その巨体を支える足元へと向かっていた。彼女は、相手の重心を崩すことに意識を集中したのだ。足元を狙われた鉄斎は、巨体ゆえに素早い体勢の立て直しができない。
「ぐおおっ!」
鉄斎は、体勢を崩し、大きくよろめいた。その隙を、さつきは見逃さなかった。彼女は、よろめいた鉄斎の背後へと一気に回り込む。
「ぬかせええっ!」
鉄斎は、背後からの気配に気づき、とっさに金棒を振り回そうとした。しかし、その動きは、さつきの一歩及ばなかった。
さつきの刀が、鉄斎の背中を走り抜けた。深くはない。だが、その一撃は、鉄斎の分厚い僧衣を切り裂き、わずかながら血が滲んだ。
「この小娘が…わ、わしを傷つけた…だと…!」
鉄斎は、信じられないといった様子で、切られた背中に手をやった。彼の全身は、鋼のような筋肉で覆われており、これまでの戦いでは、まともに傷を負ったことなどなかったのだ。
さつきは、鉄斎から距離を取り、再び構えを取った。彼女の息は乱れていない。
その動きは、見る者全てを魅了するほどに美しく、流麗であった。それは、まるで月夜に舞う舞踏のようであった。
庭の隅で倒れていた藤次郎は、その光景を目にして、目を見張った。
「すげぇ…さつきの奴、また一段と強くなってる…!」
彼の目には、絶望の色はなく、希望の光が宿っていた。
鉄斎は、激しい怒りに震えた。この小娘に傷を負わされたことが、彼のプライドを深く傷つけたのだ。
「貴様ぁ…! その細い首、この金棒で叩き潰してくれるわ!」
鉄斎は、怒声と共に再び金棒を振り上げた。今度は、先ほどよりもさらに早く、そして正確に、さつきの頭上を狙って降り注ぐ。その一撃は、まさしく必殺の一撃であった。
しかし、さつきは冷静だった。彼女は、金棒が降りてくるその寸前、足元に滑り込み、金棒の回転の勢いを逆に利用するように、その巨体の足元へと飛び込んだ。
そして、彼女は、刀の柄を両手で握り、その刀身を鉄斎の足の甲目掛けて、渾身の力を込めて突き上げた。
「これが…私の剣だ!」
突き上げられた刀は、鉄斎の分厚い革製の草鞋を貫き、その足の甲に深く突き刺さった。
「ぎゃああああああああっ!」
鉄斎の絶叫が、奉行所の庭に響き渡った。彼は、その巨体を支える足を傷つけられ、バランスを完全に崩した。彼の金棒は、無残にも地面に叩きつけられ、その衝撃で粉々に砕け散った。
さつきは、突き刺さった刀を一気に引き抜き、血を振り払うと、大きく飛び退いて距離を取った。
「き、貴様…わしの足を…!」
鉄斎は、片膝を突き、苦痛に顔を歪ませた。その顔には、怒りだけでなく、深い屈辱の色が浮かんでいた。彼は、まさか自分のような怪力の持ち主が、このような華奢な女武芸者に、足元をすくわれるとは夢にも思っていなかったのだ。
そこに、橘右京が、無事な与力たちを引き連れて駆けつけてきた。
「今だ! 鉄斎を捕縛せよ!」
右京の号令と共に、与力たちが一斉に鉄斎に飛びかかった。足に深手を負った鉄斎は、もはやその怪力を発揮することはできず、次々と放たれる捕縛の縄に絡め取られていった。
「くそっ…くそおおおおおっ! 覚えておれ、女武芸者…! 黒曜会は、必ず貴様らを葬り去る…!」
鉄斎は、捕縛されながらも、さつきに憎悪の眼差しを向け、呪詛の言葉を吐き捨てた。
さつきは、その言葉にも動じることなく、静かに刀を鞘に収めた。
彼女の顔に、疲労の色は見て取れない。ただ、その瞳には、鉄斎の言葉の奥に潜む、黒曜会の深すぎる闇を感じ取っていた。
第一の刺客、怪力の僧兵・鉄斎を打ち破った。これは、さつきが、琵琶湖での敗北を糧に、さらなる高みへと到達した証であった。
彼女の剣は、もはや復讐の念に囚われただけの剣ではない。守るべき人々のために、そして、新たな時代を切り開くための、より強く、より洗練された「月の剣」へと進化を遂げていた。
しかし、これは始まりに過ぎない。黒曜会は、必ず次なる刺客を送り込んでくるだろう。そして、その刺客は、鉄斎とは異なる、より巧妙な罠を仕掛けてくるはずだ。
京での戦いは、ますます激しさを増していく。
しかし、さつきは、その巨漢の前に臆することなく、静かに、しかし確かな覚悟を秘めて構えを取っていた。
「私の相手は、貴様だ」
さつきの言葉に、鉄斎は鼻で笑った。
「小娘ごときが、このわしに敵うものか! その細腕で、この金棒の一撃を受け止められるものなら、やってみよ!」
鉄斎は、そう言い放つと、巨大な金棒を頭上高く振り上げ、さつきめがけて叩きつけてきた。その一撃は、まるで巨大な岩が落ちてくるかのような轟音を伴い、地面を揺らした。
さつきは、その圧倒的な力に対し、正面から受け止めることはせず、一歩踏み込んで、その金棒の軌道から外れた。
そして、金棒が地面に叩きつけられ、わずかな隙が生じたその瞬間、彼女は電光石火の如く踏み込んだ。
琵琶湖での影狼との敗北、そして刀鍛冶の村での修行。さつきは、そこで自身の剣を深く見つめ直し、新たな境地へと到達していた。「ただ打ち破る」だけでなく、「いかにして相手の力を利用し、流れを読み、最小限の動きで最大の効果を生み出すか」。それが、彼女が求めた「月の剣」の真髄であった。
鉄斎の巨体と金棒の間にできたわずかな隙間を縫うように、さつきの刀が滑り込む。それは、まるで月光が闇夜を切り裂くかのような、繊細で流れるような動きであった。
「なっ…!」
鉄斎は、自身の剛腕が繰り出す攻撃をいとも容易くかわされ、驚愕に目を見開いた。
さつきの刀は、鉄斎の腕を狙うことなく、その巨体を支える足元へと向かっていた。彼女は、相手の重心を崩すことに意識を集中したのだ。足元を狙われた鉄斎は、巨体ゆえに素早い体勢の立て直しができない。
「ぐおおっ!」
鉄斎は、体勢を崩し、大きくよろめいた。その隙を、さつきは見逃さなかった。彼女は、よろめいた鉄斎の背後へと一気に回り込む。
「ぬかせええっ!」
鉄斎は、背後からの気配に気づき、とっさに金棒を振り回そうとした。しかし、その動きは、さつきの一歩及ばなかった。
さつきの刀が、鉄斎の背中を走り抜けた。深くはない。だが、その一撃は、鉄斎の分厚い僧衣を切り裂き、わずかながら血が滲んだ。
「この小娘が…わ、わしを傷つけた…だと…!」
鉄斎は、信じられないといった様子で、切られた背中に手をやった。彼の全身は、鋼のような筋肉で覆われており、これまでの戦いでは、まともに傷を負ったことなどなかったのだ。
さつきは、鉄斎から距離を取り、再び構えを取った。彼女の息は乱れていない。
その動きは、見る者全てを魅了するほどに美しく、流麗であった。それは、まるで月夜に舞う舞踏のようであった。
庭の隅で倒れていた藤次郎は、その光景を目にして、目を見張った。
「すげぇ…さつきの奴、また一段と強くなってる…!」
彼の目には、絶望の色はなく、希望の光が宿っていた。
鉄斎は、激しい怒りに震えた。この小娘に傷を負わされたことが、彼のプライドを深く傷つけたのだ。
「貴様ぁ…! その細い首、この金棒で叩き潰してくれるわ!」
鉄斎は、怒声と共に再び金棒を振り上げた。今度は、先ほどよりもさらに早く、そして正確に、さつきの頭上を狙って降り注ぐ。その一撃は、まさしく必殺の一撃であった。
しかし、さつきは冷静だった。彼女は、金棒が降りてくるその寸前、足元に滑り込み、金棒の回転の勢いを逆に利用するように、その巨体の足元へと飛び込んだ。
そして、彼女は、刀の柄を両手で握り、その刀身を鉄斎の足の甲目掛けて、渾身の力を込めて突き上げた。
「これが…私の剣だ!」
突き上げられた刀は、鉄斎の分厚い革製の草鞋を貫き、その足の甲に深く突き刺さった。
「ぎゃああああああああっ!」
鉄斎の絶叫が、奉行所の庭に響き渡った。彼は、その巨体を支える足を傷つけられ、バランスを完全に崩した。彼の金棒は、無残にも地面に叩きつけられ、その衝撃で粉々に砕け散った。
さつきは、突き刺さった刀を一気に引き抜き、血を振り払うと、大きく飛び退いて距離を取った。
「き、貴様…わしの足を…!」
鉄斎は、片膝を突き、苦痛に顔を歪ませた。その顔には、怒りだけでなく、深い屈辱の色が浮かんでいた。彼は、まさか自分のような怪力の持ち主が、このような華奢な女武芸者に、足元をすくわれるとは夢にも思っていなかったのだ。
そこに、橘右京が、無事な与力たちを引き連れて駆けつけてきた。
「今だ! 鉄斎を捕縛せよ!」
右京の号令と共に、与力たちが一斉に鉄斎に飛びかかった。足に深手を負った鉄斎は、もはやその怪力を発揮することはできず、次々と放たれる捕縛の縄に絡め取られていった。
「くそっ…くそおおおおおっ! 覚えておれ、女武芸者…! 黒曜会は、必ず貴様らを葬り去る…!」
鉄斎は、捕縛されながらも、さつきに憎悪の眼差しを向け、呪詛の言葉を吐き捨てた。
さつきは、その言葉にも動じることなく、静かに刀を鞘に収めた。
彼女の顔に、疲労の色は見て取れない。ただ、その瞳には、鉄斎の言葉の奥に潜む、黒曜会の深すぎる闇を感じ取っていた。
第一の刺客、怪力の僧兵・鉄斎を打ち破った。これは、さつきが、琵琶湖での敗北を糧に、さらなる高みへと到達した証であった。
彼女の剣は、もはや復讐の念に囚われただけの剣ではない。守るべき人々のために、そして、新たな時代を切り開くための、より強く、より洗練された「月の剣」へと進化を遂げていた。
しかし、これは始まりに過ぎない。黒曜会は、必ず次なる刺客を送り込んでくるだろう。そして、その刺客は、鉄斎とは異なる、より巧妙な罠を仕掛けてくるはずだ。
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