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第四部:再起への一条の光
第十六話:家族の絆と小さな応援団
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父の手の温もりと、あの幼い日の記憶が、おみえの凍り付いた心を解かした。
技術でもない、秘伝でもない、「食べる人の笑顔を一番に思う心」。父が最期の力を振り絞って伝えてくれた、その言葉の意味を、この絶望の淵で、おみえはようやく理解した。
もう、嘘はつかない。もう、逃げない。父が大切にしていた「真心」を受け継ぎ、食べる人の心を温める、本当の菓子を作る。それが、おみえの、新たな、そして揺るぎない決意となった。
差し押さえは、まだ続いていた。黒田屋の手下たちが、容赦なく店の品々に札を貼っていく。外には野次馬のざわめきが響いている。だが、おみえの視界には、病床の父の、かすかだが温かい眼差しだけが映っていた。
おみえが、父の手を握りしめたまま、顔を上げた時、その表情の変化に、傍らにいた母のおたきと善助さんが気づいた。虚ろだった瞳に、確かな光が宿っている。打ちひしがれていた顔に、強い意志が宿っている。
母のおたきは、病床から、弱々しいながらも、おみえに微笑みかけた。その笑顔は、やつれてはいたが、どこか安心したような、そして誇らしいような、温かい光を湛えていた。
「おみえ…お前…」
声にはならなかったが、母の瞳が、「分かったよ」「頑張るんだよ」と語りかけているかのようだった。おみえは、母の視線に、涙が溢れるのを抑えることができなかった。ありがとう、お母さん。私、もう大丈夫だから。心の中で、おみえは母に語りかけた。
善助さんは、おみえの隣に立ち、その顔をじっと見ていた。そして、黒田屋の手下たちの、荒々しい作業の音にもかかわらず、静かに、しかし力強く、おみえに語りかけた。
「お嬢さん…その目で、何を決められたのですか?」
善助さんの声には、おみえの再起への気配を感じ取った、かすかな希望が宿っていた。おみえは、善助さんに向き直り、まっすぐにその目を見つめた。
「善助さん…私…もう、嘘はつきません。」
おみえの言葉に、善助さんは一瞬目を見開いた。おみえの嘘を知っていた善助さんは、きっと苦しんでいたはずだ。おみえは、罪悪感を感じながらも、正直な気持ちを続けた。
「父さんが…教えてくれたんです。菓子は、心だって。食べる人の笑顔を一番に思う…真心だって。」
善助さんは、おみえの言葉を黙って聞いていた。そして、ゆっくりと、深く頷いた。
「…ええ。旦那さんは、いつもそう仰っておられました。その通りです。菓子は、真心でございます。」
善助さんの言葉に、おみえの胸が熱くなる。善助さんは、父の言葉の本当の意味を、ずっと理解していたのだ。
「お嬢さん…私には、大した腕はございません。ですが…旦那さんにお仕えした十年…春告鳥を大切に思う気持ちは、誰にも負けません。」
善助さんは、おみえの手を、そっと取った。
「お嬢さんが、真心のお菓子を作られるのなら…私も、できる限りのことを…お傍でお手伝いさせてくださいませんか?もう一度…春告鳥の灯火を、燃やしましょう。」
善助さんの言葉に、おみえの目から涙が溢れ出した。一人ではない。こんな状況でも、善助さんは、おみえと共に立ち上がろうとしてくれる。
「善助さん…!ありがとうございます…!やりましょう…!もう一度…!」
おみえは、善助さんの手を強く握り返した。
ちょうどその時、店の外で、一つの騒ぎが起きた。黒田屋の手下が、荒々しく家財道具を運び出している様子を、町の人が集まって見ている中、一人の若い娘が、強い意志を顔に湛えて、店の前へと駆け寄ってきたのだ。
「お父さん!待って!」
その声に、おみえは聞き覚えがあった。月見堂の娘、小春だ。小春の後ろでは、父である源蔵さんが、厳しい表情で小春を止めようとしている。だが、小春はそれを振り切り、春告鳥の店へと駆け寄ってきたのだ。
小春は、店の前で立ち止まると、差し押さえの様子と、そしておみえの姿を見て、息を呑んだ。そして、おみえの、涙の跡はあるものの、確かな光を宿した目に気づくと、何かを決意したように、おみえの元へと駆け寄ってきた。
「おみえさん…!」
小春の声は、少し震えていたが、まっすぐだった。
「あの…私…おみえさんの作ったお菓子、食べてみたいんです!」
突然の小春の言葉に、おみえは驚いた。月見堂の娘が、こんな状況で、なぜ…?
「お父さんは、ライバルだからって…でも、私、おみえさんの作ったお菓子を、本当に食べてみたいんです!だから…だから、私も手伝います!春告鳥のお菓子、また食べたいです!」
小春はそう言って、おみえの手を、ぎゅっと握った。その手は、小さかったけれど、温かく、力強かった。月見堂の娘が、春告鳥を、そしておみえを助けようとしてくれる。それは、おみえにとって、予想もしなかった支援だった。
さらに、その様子を見ていた、店の外の野次馬の中に、以前おみえの菓子を褒めてくれた常連客たちが、何人かいた。
彼らは、最初は悪評を信じ、店から離れてしまった。だが、おみえの、絶望の中でも消えない光、そして善助さんと小春の行動を見て、心を動かされたのだろう。
勇気を出して、彼らもおみえに声をかけた。
「おみえちゃん…!大丈夫かい…?」
「俺たちに、できることがあれば…言ってくれよ!」
彼らの声は、どこか気恥ずかしそうだったが、その瞳には、再び春告鳥に、そしておみえに、かすかな希望を託す光が宿っていた。
病床の父。心労の母。誠実な番頭、善助さん。ライバルの娘、小春。そして、店の窮状を案じてくれた一部の常連客。
差し押さえの木槌の音、黒田屋の手下たちの荒々しい声が響く中、おみえの周りに、小さな、しかし確かな「応援団」ができていた。
彼らは、おみえのついた嘘を知っているかもしれない。春告鳥がどん底にあることを知っている。それでも、おみえの心に灯った光、再び立ち上がろうとするその姿を見て、手を差し伸べてくれたのだ。
一人ではない。この絶望の淵でも、自分には、共に立ち上がってくれる人たちがいる。その事実に、おみえの心は、温かい光で満たされた。まだ困難は山積している。黒田屋は容赦しないだろう。店も、全てを失う寸前だ。
だが、おみえは一人ではなかった。
おみえは、父の手に、母の顔に、善助さんの誠実な目に、小春のまっすぐな瞳に、そして常連客たちの温かい視線に、心の中で深く感謝した。
(ありがとう…みんな…)
温かい涙が、おみえの頬を伝う。それは、悲しみや後悔の涙ではなかった。再起への決意と、そして、共に立ち上がってくれる仲間への、感謝の涙だった。
この小さな応援団と共に、おみえは、再び立ち上がろうとしていた。
技術でもない、秘伝でもない、「食べる人の笑顔を一番に思う心」。父が最期の力を振り絞って伝えてくれた、その言葉の意味を、この絶望の淵で、おみえはようやく理解した。
もう、嘘はつかない。もう、逃げない。父が大切にしていた「真心」を受け継ぎ、食べる人の心を温める、本当の菓子を作る。それが、おみえの、新たな、そして揺るぎない決意となった。
差し押さえは、まだ続いていた。黒田屋の手下たちが、容赦なく店の品々に札を貼っていく。外には野次馬のざわめきが響いている。だが、おみえの視界には、病床の父の、かすかだが温かい眼差しだけが映っていた。
おみえが、父の手を握りしめたまま、顔を上げた時、その表情の変化に、傍らにいた母のおたきと善助さんが気づいた。虚ろだった瞳に、確かな光が宿っている。打ちひしがれていた顔に、強い意志が宿っている。
母のおたきは、病床から、弱々しいながらも、おみえに微笑みかけた。その笑顔は、やつれてはいたが、どこか安心したような、そして誇らしいような、温かい光を湛えていた。
「おみえ…お前…」
声にはならなかったが、母の瞳が、「分かったよ」「頑張るんだよ」と語りかけているかのようだった。おみえは、母の視線に、涙が溢れるのを抑えることができなかった。ありがとう、お母さん。私、もう大丈夫だから。心の中で、おみえは母に語りかけた。
善助さんは、おみえの隣に立ち、その顔をじっと見ていた。そして、黒田屋の手下たちの、荒々しい作業の音にもかかわらず、静かに、しかし力強く、おみえに語りかけた。
「お嬢さん…その目で、何を決められたのですか?」
善助さんの声には、おみえの再起への気配を感じ取った、かすかな希望が宿っていた。おみえは、善助さんに向き直り、まっすぐにその目を見つめた。
「善助さん…私…もう、嘘はつきません。」
おみえの言葉に、善助さんは一瞬目を見開いた。おみえの嘘を知っていた善助さんは、きっと苦しんでいたはずだ。おみえは、罪悪感を感じながらも、正直な気持ちを続けた。
「父さんが…教えてくれたんです。菓子は、心だって。食べる人の笑顔を一番に思う…真心だって。」
善助さんは、おみえの言葉を黙って聞いていた。そして、ゆっくりと、深く頷いた。
「…ええ。旦那さんは、いつもそう仰っておられました。その通りです。菓子は、真心でございます。」
善助さんの言葉に、おみえの胸が熱くなる。善助さんは、父の言葉の本当の意味を、ずっと理解していたのだ。
「お嬢さん…私には、大した腕はございません。ですが…旦那さんにお仕えした十年…春告鳥を大切に思う気持ちは、誰にも負けません。」
善助さんは、おみえの手を、そっと取った。
「お嬢さんが、真心のお菓子を作られるのなら…私も、できる限りのことを…お傍でお手伝いさせてくださいませんか?もう一度…春告鳥の灯火を、燃やしましょう。」
善助さんの言葉に、おみえの目から涙が溢れ出した。一人ではない。こんな状況でも、善助さんは、おみえと共に立ち上がろうとしてくれる。
「善助さん…!ありがとうございます…!やりましょう…!もう一度…!」
おみえは、善助さんの手を強く握り返した。
ちょうどその時、店の外で、一つの騒ぎが起きた。黒田屋の手下が、荒々しく家財道具を運び出している様子を、町の人が集まって見ている中、一人の若い娘が、強い意志を顔に湛えて、店の前へと駆け寄ってきたのだ。
「お父さん!待って!」
その声に、おみえは聞き覚えがあった。月見堂の娘、小春だ。小春の後ろでは、父である源蔵さんが、厳しい表情で小春を止めようとしている。だが、小春はそれを振り切り、春告鳥の店へと駆け寄ってきたのだ。
小春は、店の前で立ち止まると、差し押さえの様子と、そしておみえの姿を見て、息を呑んだ。そして、おみえの、涙の跡はあるものの、確かな光を宿した目に気づくと、何かを決意したように、おみえの元へと駆け寄ってきた。
「おみえさん…!」
小春の声は、少し震えていたが、まっすぐだった。
「あの…私…おみえさんの作ったお菓子、食べてみたいんです!」
突然の小春の言葉に、おみえは驚いた。月見堂の娘が、こんな状況で、なぜ…?
「お父さんは、ライバルだからって…でも、私、おみえさんの作ったお菓子を、本当に食べてみたいんです!だから…だから、私も手伝います!春告鳥のお菓子、また食べたいです!」
小春はそう言って、おみえの手を、ぎゅっと握った。その手は、小さかったけれど、温かく、力強かった。月見堂の娘が、春告鳥を、そしておみえを助けようとしてくれる。それは、おみえにとって、予想もしなかった支援だった。
さらに、その様子を見ていた、店の外の野次馬の中に、以前おみえの菓子を褒めてくれた常連客たちが、何人かいた。
彼らは、最初は悪評を信じ、店から離れてしまった。だが、おみえの、絶望の中でも消えない光、そして善助さんと小春の行動を見て、心を動かされたのだろう。
勇気を出して、彼らもおみえに声をかけた。
「おみえちゃん…!大丈夫かい…?」
「俺たちに、できることがあれば…言ってくれよ!」
彼らの声は、どこか気恥ずかしそうだったが、その瞳には、再び春告鳥に、そしておみえに、かすかな希望を託す光が宿っていた。
病床の父。心労の母。誠実な番頭、善助さん。ライバルの娘、小春。そして、店の窮状を案じてくれた一部の常連客。
差し押さえの木槌の音、黒田屋の手下たちの荒々しい声が響く中、おみえの周りに、小さな、しかし確かな「応援団」ができていた。
彼らは、おみえのついた嘘を知っているかもしれない。春告鳥がどん底にあることを知っている。それでも、おみえの心に灯った光、再び立ち上がろうとするその姿を見て、手を差し伸べてくれたのだ。
一人ではない。この絶望の淵でも、自分には、共に立ち上がってくれる人たちがいる。その事実に、おみえの心は、温かい光で満たされた。まだ困難は山積している。黒田屋は容赦しないだろう。店も、全てを失う寸前だ。
だが、おみえは一人ではなかった。
おみえは、父の手に、母の顔に、善助さんの誠実な目に、小春のまっすぐな瞳に、そして常連客たちの温かい視線に、心の中で深く感謝した。
(ありがとう…みんな…)
温かい涙が、おみえの頬を伝う。それは、悲しみや後悔の涙ではなかった。再起への決意と、そして、共に立ち上がってくれる仲間への、感謝の涙だった。
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