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エピローグ
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動かなくなった君を膝の上に乗せる。まだ流れている血が、僕の服を赤く染めてなんだか君に包まれているみたいでゾクゾクする。冷たくなってかわいそうに。そんな目の前の体温を失う肉塊にキスを落とす。残念ながら僕は王子様ではない。運命のキスで君は目を覚ましてくれなかった。
髪をなで、指と指とを絡め、愛でていく。本当に指の先から髪の毛の一本までが愛しいのはなぜなのだろう。動く彼女も呼吸を忘れて眠る彼女も彼にとっては何者にも代えられない至上の宝物だ。
柩に入れればまた回復する体。君に何度も何度もいたぶっては眠らせる。君の叫び声も泣き顔も嫌がって逃げる姿もすべて僕を昂ぶらせる。特異的な性癖なのは自覚している。けれどもこの行為こそが君の美を最大限引き立たせている、一番の装飾品だと信じて止まない。首輪は君をどこまでもか弱く可憐に、赤い傷跡は雪のような肌をより一層白く、痛みから逃げようとするその曲線美。いくらでも語れる。
ただの使用人だった彼女を、惚れ込んだという理由だけで自身の娯楽に巻き込んだこと、このような体にしてしまったことを後悔していない。いくら目覚めるたびに僕との思い出が無くなっても、体は痛みが甘美なものに感じるようきちんと覚えていて。元からの素質とはいえ、ここまで従順になれる娘はなかなか居ないだろう。嗚呼本当に君に会えてよかった。
命果てたその時は一緒に薔薇園の底で眠ろう。
それまではもっともっと長い時を過ごそう。
髪をなで、指と指とを絡め、愛でていく。本当に指の先から髪の毛の一本までが愛しいのはなぜなのだろう。動く彼女も呼吸を忘れて眠る彼女も彼にとっては何者にも代えられない至上の宝物だ。
柩に入れればまた回復する体。君に何度も何度もいたぶっては眠らせる。君の叫び声も泣き顔も嫌がって逃げる姿もすべて僕を昂ぶらせる。特異的な性癖なのは自覚している。けれどもこの行為こそが君の美を最大限引き立たせている、一番の装飾品だと信じて止まない。首輪は君をどこまでもか弱く可憐に、赤い傷跡は雪のような肌をより一層白く、痛みから逃げようとするその曲線美。いくらでも語れる。
ただの使用人だった彼女を、惚れ込んだという理由だけで自身の娯楽に巻き込んだこと、このような体にしてしまったことを後悔していない。いくら目覚めるたびに僕との思い出が無くなっても、体は痛みが甘美なものに感じるようきちんと覚えていて。元からの素質とはいえ、ここまで従順になれる娘はなかなか居ないだろう。嗚呼本当に君に会えてよかった。
命果てたその時は一緒に薔薇園の底で眠ろう。
それまではもっともっと長い時を過ごそう。
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