5日間ホテルに滞在して大阪・関西万博のボランティア活動をしてみた

夏目碧央

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中之島ランチ

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 ミュージアムショップを出て、ロッカーから荷物を取り出すとちょうど12時だった。ランチを食べて万博会場へと向かうのだ。しっかり食べなくては。
 この近くにハンバーガーのお店があるらしい。行ってみたい。地図を検索して向かう。本当にすぐなのだ。
 が、ちょっと心配。この街の雰囲気だ。きちんとした服装の男女が行きかう昼休み。こんな格好でお店に入ったら浮くのでは。福島駅の周辺まで行った方がいいかもしれないが……。でも、良さげなランチはこの辺の方があるし。迷う。(「良さげな」がワードで赤線を引かれた。「良さげ」という言葉は昔からよく使っていたが、若者言葉だとか方言だとか、とにかく今の日本語においては正しい言葉ではないようだ。「怪しげ」は正しい言葉なのに。恐らく「これ怪しげ~」「こっちは良さげ~」などと言ったギャル言葉から生まれたのではないか。私個人の考えだが。本文の「良さげなランチ」を「良さそうなランチ」にするとニュアンスが変わってしまうので、「良さげな」を残させていただく。)
 一応ハンバーガーのお店の方へ行ってみたが、入り口が分からない。建物の看板というのか、何階に何があるか書いてある物を見てみた。
 あ?美術館の中にレストランがある?おかしいな。見かけたら入ろうと思っていたのに。全然見なかったが。
 そうか!最初に「美術館は2階から入る」と思ったが、1階はレストランだったのを思い出した。そうかそうか、あの外階段を下りればいいのか。素敵な美術館ではあるが、美術館の中ならばサラリーマン、サラリーウーマンばかりという事はなかろう。平日に美術館に来るのはご老人ばかりだし(偏見)。
 ということで、そちらへと向かっていった。外にテラス席があるような、素敵なレストランではある。もしかして、すごく高額だったりして?
 テラス席を越えて扉を開けて入って行くと、その中にレストランの入り口があった。いきなりお店の中ではなかったのでホッとした。店の入り口にメニューがある。恐る恐る見てみると……1500円前後のメニューがいくつかある。大丈夫そうだ。
 入って行くと、私の恰好など構わずに気持ちの良い接客をしてくれた。すごくおしゃれなレストランであるが、両隣の席には老夫婦が座っており、その隣には高齢の女性客が座っていた。うん、大丈夫そうだ。
 その高齢の女性客は、店員さんに大阪城への行き方を聞いていた。そう、ここなら観光客がいる。ホッとするね。私も観光客だから。
 野菜を食べなければ、と思っているのだが、外食だとなかなか難しい。サラダを注文すればいいのだが、意外と高いし多すぎるというか、サラダだけにするのも嫌で、なかなか。
 というわけで、クロワッサンサンドにした。税込みでも1200円くらいだった。そして出てきたものは……。
 すごい!映える。思ったよりも大きい。大きめなクロワッサンがパカッと口を開け、中央に温玉が乗っている。そして運んできた店員さんは、
「よろしければナイフとフォークでお召し上がりください。」
と言った。おぉ、かぶりつくのではないのか。オシャレじゃないか。そして温玉にナイフで切れ目を入れれば、黄身がトローリ。更に映える。写真撮影をしてから、早速一口サイズにナイフで切って、フォークで口に入れる。きちんと刺せなくても、何とかナイフを使ってフォークにくっつけて、えいやっと口に入れれば大丈夫だ。
 おぉ、クロワッサンはサックサクで、すごく美味しい。こういうクロワッサンは久しぶりだ。まあ、中身はマッシュポテトとサラミ、ぴらっと一枚のレタス、卵、と野菜は少なすぎるが。
 お腹いっぱいになった。やっぱりサラダを追加するのは辞めよう。伝票がないと思ってそのままレジへ行くと、注文の為のQRコードが書いてあったアクリルスタンドが伝票代わりだったそうだ。ホールの店員さんが私の注文したものを覚えていて、それがなくてもレジで支払いができたのだけれどね。
 しかし、こんなオシャレな物を食べてそのお値段は、けっこうお得だった気がする。良い店だった。美味しかったし、店員さんも親切だし。
 そして私は、福島駅まで歩いた。今日もまた、歩き過ぎて後々大変だったのだが、ここではまだバテていない夏目碧央であった。
 さっきとは別の橋を渡ったが、振り返ったらあの万博カラーの模様のビルが見えた。先ほど写真を撮ったのとは別の方角から見ている。派手なビル、いいね。「関電ビルディング」らしい。
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