17 / 61
中之島ランチ
しおりを挟む
ミュージアムショップを出て、ロッカーから荷物を取り出すとちょうど12時だった。ランチを食べて万博会場へと向かうのだ。しっかり食べなくては。
この近くにハンバーガーのお店があるらしい。行ってみたい。地図を検索して向かう。本当にすぐなのだ。
が、ちょっと心配。この街の雰囲気だ。きちんとした服装の男女が行きかう昼休み。こんな格好でお店に入ったら浮くのでは。福島駅の周辺まで行った方がいいかもしれないが……。でも、良さげなランチはこの辺の方があるし。迷う。(「良さげな」がワードで赤線を引かれた。「良さげ」という言葉は昔からよく使っていたが、若者言葉だとか方言だとか、とにかく今の日本語においては正しい言葉ではないようだ。「怪しげ」は正しい言葉なのに。恐らく「これ怪しげ~」「こっちは良さげ~」などと言ったギャル言葉から生まれたのではないか。私個人の考えだが。本文の「良さげなランチ」を「良さそうなランチ」にするとニュアンスが変わってしまうので、「良さげな」を残させていただく。)
一応ハンバーガーのお店の方へ行ってみたが、入り口が分からない。建物の看板というのか、何階に何があるか書いてある物を見てみた。
あ?美術館の中にレストランがある?おかしいな。見かけたら入ろうと思っていたのに。全然見なかったが。
そうか!最初に「美術館は2階から入る」と思ったが、1階はレストランだったのを思い出した。そうかそうか、あの外階段を下りればいいのか。素敵な美術館ではあるが、美術館の中ならばサラリーマン、サラリーウーマンばかりという事はなかろう。平日に美術館に来るのはご老人ばかりだし(偏見)。
ということで、そちらへと向かっていった。外にテラス席があるような、素敵なレストランではある。もしかして、すごく高額だったりして?
テラス席を越えて扉を開けて入って行くと、その中にレストランの入り口があった。いきなりお店の中ではなかったのでホッとした。店の入り口にメニューがある。恐る恐る見てみると……1500円前後のメニューがいくつかある。大丈夫そうだ。
入って行くと、私の恰好など構わずに気持ちの良い接客をしてくれた。すごくおしゃれなレストランであるが、両隣の席には老夫婦が座っており、その隣には高齢の女性客が座っていた。うん、大丈夫そうだ。
その高齢の女性客は、店員さんに大阪城への行き方を聞いていた。そう、ここなら観光客がいる。ホッとするね。私も観光客だから。
野菜を食べなければ、と思っているのだが、外食だとなかなか難しい。サラダを注文すればいいのだが、意外と高いし多すぎるというか、サラダだけにするのも嫌で、なかなか。
というわけで、クロワッサンサンドにした。税込みでも1200円くらいだった。そして出てきたものは……。
すごい!映える。思ったよりも大きい。大きめなクロワッサンがパカッと口を開け、中央に温玉が乗っている。そして運んできた店員さんは、
「よろしければナイフとフォークでお召し上がりください。」
と言った。おぉ、かぶりつくのではないのか。オシャレじゃないか。そして温玉にナイフで切れ目を入れれば、黄身がトローリ。更に映える。写真撮影をしてから、早速一口サイズにナイフで切って、フォークで口に入れる。きちんと刺せなくても、何とかナイフを使ってフォークにくっつけて、えいやっと口に入れれば大丈夫だ。
おぉ、クロワッサンはサックサクで、すごく美味しい。こういうクロワッサンは久しぶりだ。まあ、中身はマッシュポテトとサラミ、ぴらっと一枚のレタス、卵、と野菜は少なすぎるが。
お腹いっぱいになった。やっぱりサラダを追加するのは辞めよう。伝票がないと思ってそのままレジへ行くと、注文の為のQRコードが書いてあったアクリルスタンドが伝票代わりだったそうだ。ホールの店員さんが私の注文したものを覚えていて、それがなくてもレジで支払いができたのだけれどね。
しかし、こんなオシャレな物を食べてそのお値段は、けっこうお得だった気がする。良い店だった。美味しかったし、店員さんも親切だし。
そして私は、福島駅まで歩いた。今日もまた、歩き過ぎて後々大変だったのだが、ここではまだバテていない夏目碧央であった。
さっきとは別の橋を渡ったが、振り返ったらあの万博カラーの模様のビルが見えた。先ほど写真を撮ったのとは別の方角から見ている。派手なビル、いいね。「関電ビルディング」らしい。
この近くにハンバーガーのお店があるらしい。行ってみたい。地図を検索して向かう。本当にすぐなのだ。
が、ちょっと心配。この街の雰囲気だ。きちんとした服装の男女が行きかう昼休み。こんな格好でお店に入ったら浮くのでは。福島駅の周辺まで行った方がいいかもしれないが……。でも、良さげなランチはこの辺の方があるし。迷う。(「良さげな」がワードで赤線を引かれた。「良さげ」という言葉は昔からよく使っていたが、若者言葉だとか方言だとか、とにかく今の日本語においては正しい言葉ではないようだ。「怪しげ」は正しい言葉なのに。恐らく「これ怪しげ~」「こっちは良さげ~」などと言ったギャル言葉から生まれたのではないか。私個人の考えだが。本文の「良さげなランチ」を「良さそうなランチ」にするとニュアンスが変わってしまうので、「良さげな」を残させていただく。)
一応ハンバーガーのお店の方へ行ってみたが、入り口が分からない。建物の看板というのか、何階に何があるか書いてある物を見てみた。
あ?美術館の中にレストランがある?おかしいな。見かけたら入ろうと思っていたのに。全然見なかったが。
そうか!最初に「美術館は2階から入る」と思ったが、1階はレストランだったのを思い出した。そうかそうか、あの外階段を下りればいいのか。素敵な美術館ではあるが、美術館の中ならばサラリーマン、サラリーウーマンばかりという事はなかろう。平日に美術館に来るのはご老人ばかりだし(偏見)。
ということで、そちらへと向かっていった。外にテラス席があるような、素敵なレストランではある。もしかして、すごく高額だったりして?
テラス席を越えて扉を開けて入って行くと、その中にレストランの入り口があった。いきなりお店の中ではなかったのでホッとした。店の入り口にメニューがある。恐る恐る見てみると……1500円前後のメニューがいくつかある。大丈夫そうだ。
入って行くと、私の恰好など構わずに気持ちの良い接客をしてくれた。すごくおしゃれなレストランであるが、両隣の席には老夫婦が座っており、その隣には高齢の女性客が座っていた。うん、大丈夫そうだ。
その高齢の女性客は、店員さんに大阪城への行き方を聞いていた。そう、ここなら観光客がいる。ホッとするね。私も観光客だから。
野菜を食べなければ、と思っているのだが、外食だとなかなか難しい。サラダを注文すればいいのだが、意外と高いし多すぎるというか、サラダだけにするのも嫌で、なかなか。
というわけで、クロワッサンサンドにした。税込みでも1200円くらいだった。そして出てきたものは……。
すごい!映える。思ったよりも大きい。大きめなクロワッサンがパカッと口を開け、中央に温玉が乗っている。そして運んできた店員さんは、
「よろしければナイフとフォークでお召し上がりください。」
と言った。おぉ、かぶりつくのではないのか。オシャレじゃないか。そして温玉にナイフで切れ目を入れれば、黄身がトローリ。更に映える。写真撮影をしてから、早速一口サイズにナイフで切って、フォークで口に入れる。きちんと刺せなくても、何とかナイフを使ってフォークにくっつけて、えいやっと口に入れれば大丈夫だ。
おぉ、クロワッサンはサックサクで、すごく美味しい。こういうクロワッサンは久しぶりだ。まあ、中身はマッシュポテトとサラミ、ぴらっと一枚のレタス、卵、と野菜は少なすぎるが。
お腹いっぱいになった。やっぱりサラダを追加するのは辞めよう。伝票がないと思ってそのままレジへ行くと、注文の為のQRコードが書いてあったアクリルスタンドが伝票代わりだったそうだ。ホールの店員さんが私の注文したものを覚えていて、それがなくてもレジで支払いができたのだけれどね。
しかし、こんなオシャレな物を食べてそのお値段は、けっこうお得だった気がする。良い店だった。美味しかったし、店員さんも親切だし。
そして私は、福島駅まで歩いた。今日もまた、歩き過ぎて後々大変だったのだが、ここではまだバテていない夏目碧央であった。
さっきとは別の橋を渡ったが、振り返ったらあの万博カラーの模様のビルが見えた。先ほど写真を撮ったのとは別の方角から見ている。派手なビル、いいね。「関電ビルディング」らしい。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる