5日間ホテルに滞在して大阪・関西万博のボランティア活動をしてみた

夏目碧央

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友達に会いに

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 英国館にやってきた。レストランに入る行列が出来ている。パビリオンの前では楽器の演奏と歌が披露されており、その周りに座っている観客もたくさんいた。
 友達に連絡すると、これからシフトに入るという事だった。3階にいるという事だったが、どうやって中に入るのか、行列を無視して入れるのかよく分からない。
 パビリオンの前に立っているスタッフさんに言ってみた。
「友達がこちらで働いていて、会いに来たのですが。」
すると、建物の中に入らせてくれた。3階へはエレベーターでどうぞと言われた。
 エレベーターで3階へ行ってみた。すると、スーツを着た人が大勢いた。日本人以外の人が多い。モニターなど機械がたくさんあり、ゲームなのか何なのか、大勢のビジネスパーソンがあちこちに固まって見ている。
 ちょっと場違い。いや、かなり。ラフな格好でリュックを背負っている私は、どう見ても場違い。後々、かなり後になってから、この日に特別なビジネスの催しがあった事を知った。とにかく、リュックを背負ったまま歩けない程、会場内は混雑していた。こんなラフなおばさんは、受付の人にも相手にされない。
 エレベーター前で水を飲んでいると、お友達から連絡が入った。シフトが変わって1階になったので、3階をゆっくり観てから降りてきてと。いやしかし、会場内には入れる雰囲気ではない。なので、すぐに1階へ降りた。1階はレストランとショップで、ショップには自由に入れる感じだった。
 友達はいない。外に出た。外にも何人かスタッフさんはいるが、友達はいない。もうお仕事に入ったのか、連絡を入れても返事がなかった。とにかく英国館の前のベンチに座って一休みした。
 もしかしたら、1階というのはレストランとは別の行列の先にあったのかもしれない。私は英国館って、あのビジネスパーソンばっかりの機械の部屋と、レストランとショップと、外のテラスしかないと思っていたが、考えてみたらそれだけなはずがない。恐らく友達がいたのは別の部屋なのだろう。難しい。
 そろそろ時間なので、もう1人のお友達に会いに、西エリアのアクセシビリティーセンター(ACC)へと向かった。しかし……。
 おかしい。びっくりだ。西に向かったつもりだったのに、気づいたらいのちパークにいた。戻っている。どうしてそうなったのか。散々ご案内して、地図もけっこう見たのに、それでも迷ってしまう。万博はリングに囲まれていて、方向感覚が失われる事がある。気を付けねばならない。
 余計に歩いたせいで、時間に余裕がなくなってきた。やっと西ゲート横に着いた。この辺にACCがあるはずだ。だが、どこだか分からないのでインフォメーションで聞いてみた。
すると、ACCはゲートの外だった。そうだったか。うっかり。
「一度出られますか?」
とインフォメーションの方に言われたが、一般のお客さんではないので、多分色々違うと思い、結構ですと言って出てきた。少し迷ったが、一度会場の外に出る事にした。
 ボランティアなどの関係者出口から出て、ACCに行った。無事にお友達には会えた。会って一緒に写真を撮っただけなのだが。そしてもう一度、今度は西ゲートから、手荷物検査などを受けて中に入ったのだった。もう15時半を過ぎている。けっこうギリギリだった。
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