22 / 61
迷子・ベビーセンター(西)での活動
しおりを挟む
西エリアの迷子・ベビーセンターは、インフォメーションと同じ建物内にあった。西ゲートのすぐ横である。
ワンフロアの中に左からインフォメーションカウンター、地図売り場のカウンター、そして右側にベビーカーの貸し出しカウンターがあった。ソファがいくつもあり、スマホの充電器などもあった。ごっついマッサージチェアが2台置いてあるようで、予約が必要なのか、それとも何となく空いたら誰かが座るのか、いつも満席(2人だけど)だった。もしかしたら、ソファに座っている人達はそのマッサージが目当てなのかもしれない。
ベビーカー貸し出しカウンターの更に右側には奥まったスペースがあり、授乳室や子供用トイレ、そして1つだけ「だれでもトイレ」があった。あと、ミルクを作るためのお湯や水を使える水道場もある。授乳室は、たとえ赤ちゃん連れのお父さんでも男性は入室禁止。もちろんスタッフやボランティアも男性は入れない。ま、私たち女性も特別問題がなければ入らないが。
最初に我々夜シフトのボランティアは、そのような施設の説明(奥まったスペースの方だけ)を受けたり、ベビーカーの清掃の仕方を教わったりした。そして、6人を2人ずつのグループに分ける事になった。
「お友達同士の方はいますか?」
と聞かれた。つまり、同じグループにして欲しい人はいるかと。そうしたら、かのご夫婦が手を挙げた。同じグループにして欲しいなんて、仲が良くて羨ましい。うちだったら敢えて別々にしてお友達を作ろうとするかもしれない。というか、そもそもボランティアは絶対にやらないうちの夫。比べようもなかった。
A、B、Cのグループに分かれた。私は大阪のおばちゃんとBになった。そうそう、このベビーセンター内で休憩を取れるし、途中で寒くなるかもしれないから上着を持って行きたいしで、リュックを持ってきたのだが、あまり置くところがなかった。バックヤードはあるらしいのだが、そっちは棚がもういっぱいで置けないと言われた。ベビーカーがたくさん置いてある場所に置かせてもらったが、途中で移動されたりと、ちょっと邪魔だった。ボランティアセンターは近いのだし、荷物は置いてきた方がよかった。
さて、17時半から3つのシフトに分かれた。Aチームは休憩、Bチームはベビーカーの貸し出し、Cチームは入り口でリストバンドを配布する。
リストバンドは、研修では「迷子ワッペン」と言われていたものだと思う。実際はワッペンではなくリストバンド型になったようだ。ミャクミャクの柄で、黄色やピンク、水色などのカラフルなリストバンド。これも最初に説明があったのだが、QRコードの部分を切り取って保護者に持っておいてもらい、それ以外の部分をお子さんの腕やリュックなどに付けてもらうという事だった。保護者に電話番号などを登録しておいてもらい、お子様を保護した際に連絡が行くというもの。これの弱点は、子供を保護出来ておらず、保護者の方が迷子センターにやってきた場合には役に立たないという事だ。
しかし、今は木曜日の夕方。迷子はあまりいない。実際迷子が保護される事も、子供がいなくなったと言って訪れた保護者も、この日の活動中にはいなかったのである。
さて、まず私はベビーカーの貸し出し業務の補助をする事になった。と言っても、受付をするのはスタッフさんで、我々2人はカウンターの左右に立ち、ベビーカーを借りる人がいたらべビーカーを広げるという作業がある。
が、この時間に借りる人はあまりおらず、1回あったかな、というくらい。しかし、返却はけっこうあった。返却されたら、傘の部分や下のカゴなどに忘れ物がないかどうかを手で探って確認し、隣の部屋へ運んで消毒液と布巾を使って簡単な清掃をする。そして畳んで他のベビーカーにくっつけて並べる。
たまたま私はカウンターから少し遠い所に立った。1人はカウンターのすぐ横、もう1人はこの辺、と指示されたのだ。大阪のおばちゃんがカウンターのすぐ横に立った。
ベビーカーの返却はたまにしか来ない。続けて2台来る事もあまりなかった。するとどうなるか。
返却するお客さんはカウンターへまっしぐらだ。カウンターにいるスタッフと言葉を交わし、すぐ横にいるボランティア(つまり大阪のおばちゃん)が忘れ物の確認をする。そしてお客さんは去り、おばちゃんはそのままベビーカーを持って隣の部屋へ行く。掃除をする。
掃除は私がする、と言っても良かったのだが、私には分かっていた。たまにしか仕事がないのだ。仕事がない時にはずっと立っているのだ。立っているのは辛いのだ。作業をしたいのだ。おばちゃんも、その後ずっと立っているよりはベビーカーの掃除までしたいだろう。まあ、言葉を挟む余地もなくさっさと行ってしまうしね。
というわけで、敢えて口を出さず、おばちゃんがベビーカーの掃除をしている最中に返却があった時にだけ、私がやった。1回だったかな。
ただ、立っているだけの時でも、お客さんへのご挨拶はした。こんにちは、とか行ってらっしゃいませ、とか。それと、ソファに座っていたお客さんが(特におじさんが)ふらふらっと授乳室の方へ入って行く事があり、その時には私がそっちへ歩いて行って、
「どうされましたか?何かお探しですか?」
などと声を掛けた。おじさんは、
「いや、なんでもない。」
とか、
「トイレは清掃中か。」
などと言ってまた戻って行く。清掃中のトイレは子供用のトイレだったのだけれど。
それと、入ってきて「トイレはどこですか」と言うお客さんもいる。左側へ歩いて行き、自販機の所を左に曲がるとすぐにあります、と答えた。私がボランティアはけっこうやっているという話をしていたからか、そんな時に徳島の男性が、
「流石、ベテランっすね!」
と言っていた。そんな事はない。全然。それから、スタッフさんに頼まれてベビーカーの数を数えたりもした。
誰も来なくてただ立っていた時、窓越しに夕日が沈むのが見えた。すごく大きくて赤くて、綺麗だった。今写真は撮れないけれど、この夕日を後々思い出すだろうなと思った。
ワンフロアの中に左からインフォメーションカウンター、地図売り場のカウンター、そして右側にベビーカーの貸し出しカウンターがあった。ソファがいくつもあり、スマホの充電器などもあった。ごっついマッサージチェアが2台置いてあるようで、予約が必要なのか、それとも何となく空いたら誰かが座るのか、いつも満席(2人だけど)だった。もしかしたら、ソファに座っている人達はそのマッサージが目当てなのかもしれない。
ベビーカー貸し出しカウンターの更に右側には奥まったスペースがあり、授乳室や子供用トイレ、そして1つだけ「だれでもトイレ」があった。あと、ミルクを作るためのお湯や水を使える水道場もある。授乳室は、たとえ赤ちゃん連れのお父さんでも男性は入室禁止。もちろんスタッフやボランティアも男性は入れない。ま、私たち女性も特別問題がなければ入らないが。
最初に我々夜シフトのボランティアは、そのような施設の説明(奥まったスペースの方だけ)を受けたり、ベビーカーの清掃の仕方を教わったりした。そして、6人を2人ずつのグループに分ける事になった。
「お友達同士の方はいますか?」
と聞かれた。つまり、同じグループにして欲しい人はいるかと。そうしたら、かのご夫婦が手を挙げた。同じグループにして欲しいなんて、仲が良くて羨ましい。うちだったら敢えて別々にしてお友達を作ろうとするかもしれない。というか、そもそもボランティアは絶対にやらないうちの夫。比べようもなかった。
A、B、Cのグループに分かれた。私は大阪のおばちゃんとBになった。そうそう、このベビーセンター内で休憩を取れるし、途中で寒くなるかもしれないから上着を持って行きたいしで、リュックを持ってきたのだが、あまり置くところがなかった。バックヤードはあるらしいのだが、そっちは棚がもういっぱいで置けないと言われた。ベビーカーがたくさん置いてある場所に置かせてもらったが、途中で移動されたりと、ちょっと邪魔だった。ボランティアセンターは近いのだし、荷物は置いてきた方がよかった。
さて、17時半から3つのシフトに分かれた。Aチームは休憩、Bチームはベビーカーの貸し出し、Cチームは入り口でリストバンドを配布する。
リストバンドは、研修では「迷子ワッペン」と言われていたものだと思う。実際はワッペンではなくリストバンド型になったようだ。ミャクミャクの柄で、黄色やピンク、水色などのカラフルなリストバンド。これも最初に説明があったのだが、QRコードの部分を切り取って保護者に持っておいてもらい、それ以外の部分をお子さんの腕やリュックなどに付けてもらうという事だった。保護者に電話番号などを登録しておいてもらい、お子様を保護した際に連絡が行くというもの。これの弱点は、子供を保護出来ておらず、保護者の方が迷子センターにやってきた場合には役に立たないという事だ。
しかし、今は木曜日の夕方。迷子はあまりいない。実際迷子が保護される事も、子供がいなくなったと言って訪れた保護者も、この日の活動中にはいなかったのである。
さて、まず私はベビーカーの貸し出し業務の補助をする事になった。と言っても、受付をするのはスタッフさんで、我々2人はカウンターの左右に立ち、ベビーカーを借りる人がいたらべビーカーを広げるという作業がある。
が、この時間に借りる人はあまりおらず、1回あったかな、というくらい。しかし、返却はけっこうあった。返却されたら、傘の部分や下のカゴなどに忘れ物がないかどうかを手で探って確認し、隣の部屋へ運んで消毒液と布巾を使って簡単な清掃をする。そして畳んで他のベビーカーにくっつけて並べる。
たまたま私はカウンターから少し遠い所に立った。1人はカウンターのすぐ横、もう1人はこの辺、と指示されたのだ。大阪のおばちゃんがカウンターのすぐ横に立った。
ベビーカーの返却はたまにしか来ない。続けて2台来る事もあまりなかった。するとどうなるか。
返却するお客さんはカウンターへまっしぐらだ。カウンターにいるスタッフと言葉を交わし、すぐ横にいるボランティア(つまり大阪のおばちゃん)が忘れ物の確認をする。そしてお客さんは去り、おばちゃんはそのままベビーカーを持って隣の部屋へ行く。掃除をする。
掃除は私がする、と言っても良かったのだが、私には分かっていた。たまにしか仕事がないのだ。仕事がない時にはずっと立っているのだ。立っているのは辛いのだ。作業をしたいのだ。おばちゃんも、その後ずっと立っているよりはベビーカーの掃除までしたいだろう。まあ、言葉を挟む余地もなくさっさと行ってしまうしね。
というわけで、敢えて口を出さず、おばちゃんがベビーカーの掃除をしている最中に返却があった時にだけ、私がやった。1回だったかな。
ただ、立っているだけの時でも、お客さんへのご挨拶はした。こんにちは、とか行ってらっしゃいませ、とか。それと、ソファに座っていたお客さんが(特におじさんが)ふらふらっと授乳室の方へ入って行く事があり、その時には私がそっちへ歩いて行って、
「どうされましたか?何かお探しですか?」
などと声を掛けた。おじさんは、
「いや、なんでもない。」
とか、
「トイレは清掃中か。」
などと言ってまた戻って行く。清掃中のトイレは子供用のトイレだったのだけれど。
それと、入ってきて「トイレはどこですか」と言うお客さんもいる。左側へ歩いて行き、自販機の所を左に曲がるとすぐにあります、と答えた。私がボランティアはけっこうやっているという話をしていたからか、そんな時に徳島の男性が、
「流石、ベテランっすね!」
と言っていた。そんな事はない。全然。それから、スタッフさんに頼まれてベビーカーの数を数えたりもした。
誰も来なくてただ立っていた時、窓越しに夕日が沈むのが見えた。すごく大きくて赤くて、綺麗だった。今写真は撮れないけれど、この夕日を後々思い出すだろうなと思った。
3
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる