5日間ホテルに滞在して大阪・関西万博のボランティア活動をしてみた

夏目碧央

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京都線新快速

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 ホームで待つ事15分、やっと乗る電車がやってきた。京都線新快速とやらは、ボックス席だった。そこに入って座り、膝の前にスーツケースを置く。そうすると、私の向かい側には誰も座れなくなる。2席使ってしまう。申し訳ないが、座るならこうするしかない。幸い空(す)いているようなので、このまま行こう。
 目が眠い。この電車には1時間以上乗っているので、ちょっと寝てもいい。が、人が乗ってくるとスーツケースが申し訳なくて、京都までは眠ってもいられなかった。
 外国人の男性が斜め前の席に座ったのだが、そこに日本人の老夫婦と思われるお二人が乗ってきたら、外国人の男性が席を譲った。すると、おじいさんは遠慮して、ここに座れるよと外国人男性に言って、かなり私のスーツケースの方へ寄ってくる。足がきつくて申し訳ない。
 外国人の男性は、京都で降りるから大丈夫だと言った。多分。老夫婦に伝えた。老夫婦は笑顔になり、
「私たちも京都で降りるんだけどね。」
と私に言った。そして、やっとおじいさんは普通の位置に座った。私はひたすら小さくなり、荷物が……すみませんと言って、目一杯スーツケースを引き寄せる事しかできなかった。
 京都で空(す)いて、その後は座席が余っている状態だった。男子大学生が何人か乗ってきて、1人が私の斜め前に座った。そのうち他の大学生たちは降りてしまい、座っている学生さんだけが残っていた。
 私は窓の外を眺めていた。だんだんとのどかな風景になってくる。目が徐々に閉じていく。が、眠れない。寝てもいいよと自分に言うが、やっぱり知らない電車だし、全て知らない駅名であるからして、神経が休まらないようだった。何となく男子学生の事も気になるし。いや、気になると言っても意識しているわけではないし、何か疑っているわけでもないけれど、こっちを向いて座っているから。
 彦根駅が近づいてきた。車内は暑かったのでコートを脱いでいたが、そろそろ着よう。そしてリュックを背負い、浅く腰掛ける。スーツケースがあるし、電車を降りるには男子学生に一度立ってどいてもらわないとならない。そのタイミングはいつなのか。
 しかし、その男子学生も彦根で降りる人だった。駅に着く頃には先に立ってドアの所に行ってくれたのだ。私もそそくさと立ってスーツケースを転がす。無事降りられるみたいで良かった。
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