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第4章 お城に着きました!
それから……
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その日はサイスの手をほぼ握りっぱなしだった。
かなり迷惑なはずなのに、サイスは安定の無表情…どう思っているのかわからない。
それから数日後…私を突き落としたアリフィスタ公爵令嬢は王妃様付きの方だったと聞いた。
でも、今回の事件で解雇にされて一生王宮に足を踏み入れることを禁じられたらしい。
それを聞いた時…
『やりすぎではありませんか?』
と、サイスにメモを渡した。
怪我人はいなかったし、彼女も位が高いから厳罰にはならないと思っていたからだ。
しかし、サイスは首を横に振る。
「これは明らかな殺人未遂だ。しかも衝動的なもの。今回はリシアだったが、その衝動的な行動が王族や貴賓に向けられでもしたら取り返しのつかないことになるかもしれない。そんな者を王宮に入れられないだろう」
そう言われればその通りだった。
怪我はしていないけど、サイスがいなければどうなっていたのかわからない。
王妃付きであったのだし、その矛先がもしかしたら王妃様に向く確率も否めない。
「もちろん。リシアだからどうなってもいいというわけではない。お前は俺らの大事な同僚だからな。殺されかけて黙っていられるか」
その言葉から何かしたようだとわかるが、私は静かに微笑むだけにしておいた。
なんとなく温かいような、むず痒いような気持ちになったがそれがどういう感情でどう伝えたらいいのかわからなかったからだ。
ちなみに私は階段を突き落とされた日から、誰かに手をつないでもらわないと、階段を上り下りができなくなってしまった。
海の国では落ちるという現象がないため、落ちて殺されかけるということはかなりのショックになったらしい。
いちいちつなぐのはめんどくさいと思うのだが…
「また落とされるよりマシだ」サイス
「はぐれる心配なくなるから常につないでていい?」フェルト
「フェルトに賛成です。つないでいた方が何かと対処しやすいでしょう」イーリアス
『つないでいては仕事がしづらいです』
つないでくれるのはありがたいが、常につながれるのは困る。
そう伝えたのに、結局ほぼ手がつながれるようになるのだった。
それにともない、私はアルフィリード付きの侍女として認識されるようになった。
アルフィリードの側近と常にいればそうなるのは必然で、嫉妬の視線が痛い。
うつむきそうになるのを背筋を伸ばすことで阻止する。自信がないように見えるのは弱みになるからだ。
それに、常に誰かが近くにいるから嫌がらせは今の所ない。
そんな日々の中、気づいたら陸に上がってから半月が過ぎていた。
私が人間になるか、泡になるか…タイムリミットまであと半月。
(私の大切なモノ…)
未だ答えのわからないそれは、形すらもつかめないまま悩むしかないのだった。
かなり迷惑なはずなのに、サイスは安定の無表情…どう思っているのかわからない。
それから数日後…私を突き落としたアリフィスタ公爵令嬢は王妃様付きの方だったと聞いた。
でも、今回の事件で解雇にされて一生王宮に足を踏み入れることを禁じられたらしい。
それを聞いた時…
『やりすぎではありませんか?』
と、サイスにメモを渡した。
怪我人はいなかったし、彼女も位が高いから厳罰にはならないと思っていたからだ。
しかし、サイスは首を横に振る。
「これは明らかな殺人未遂だ。しかも衝動的なもの。今回はリシアだったが、その衝動的な行動が王族や貴賓に向けられでもしたら取り返しのつかないことになるかもしれない。そんな者を王宮に入れられないだろう」
そう言われればその通りだった。
怪我はしていないけど、サイスがいなければどうなっていたのかわからない。
王妃付きであったのだし、その矛先がもしかしたら王妃様に向く確率も否めない。
「もちろん。リシアだからどうなってもいいというわけではない。お前は俺らの大事な同僚だからな。殺されかけて黙っていられるか」
その言葉から何かしたようだとわかるが、私は静かに微笑むだけにしておいた。
なんとなく温かいような、むず痒いような気持ちになったがそれがどういう感情でどう伝えたらいいのかわからなかったからだ。
ちなみに私は階段を突き落とされた日から、誰かに手をつないでもらわないと、階段を上り下りができなくなってしまった。
海の国では落ちるという現象がないため、落ちて殺されかけるということはかなりのショックになったらしい。
いちいちつなぐのはめんどくさいと思うのだが…
「また落とされるよりマシだ」サイス
「はぐれる心配なくなるから常につないでていい?」フェルト
「フェルトに賛成です。つないでいた方が何かと対処しやすいでしょう」イーリアス
『つないでいては仕事がしづらいです』
つないでくれるのはありがたいが、常につながれるのは困る。
そう伝えたのに、結局ほぼ手がつながれるようになるのだった。
それにともない、私はアルフィリード付きの侍女として認識されるようになった。
アルフィリードの側近と常にいればそうなるのは必然で、嫉妬の視線が痛い。
うつむきそうになるのを背筋を伸ばすことで阻止する。自信がないように見えるのは弱みになるからだ。
それに、常に誰かが近くにいるから嫌がらせは今の所ない。
そんな日々の中、気づいたら陸に上がってから半月が過ぎていた。
私が人間になるか、泡になるか…タイムリミットまであと半月。
(私の大切なモノ…)
未だ答えのわからないそれは、形すらもつかめないまま悩むしかないのだった。
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