魔王軍を追放されたから人間側につくことにした

人羊ゲーム

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おかしいだろ!

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 俺は現代日本の平凡な高校生だった。
 しかし異世界召喚されて人生が変わる。
 なにしろ俺を召還したのが魔王だったのだ。
 人生どころか、人である事すら否定された。
 魔王軍の下っ端として俺は働かされるハメになる。
 それでもなんとか足掻いている内に、俺は少しずつ魔力を獲得していく。
 魔力を獲得しても俺は人間のままだから、扱いが軽い。
 だから前線で戦わされた。
 前線で戦わされる内に、俺は強くなる。
 その頃は魔王を名乗る魔族が三体いたんだ。
 一体が俺を召還したヘルグラム。
 一体がヘルグラムに倒されたボゴ・ファグド。
 一体が俺に倒されたギュラバイオン。
 かくして魔族の群雄割拠は終息して、一体の魔王が支配者になった。
 面倒なのは、そこで話が終わらないって事。
 ヘルグラム以外に従っていた魔族の大半は恭順の意を示す事で受け入れられた。多少の罰は有るにしても。
 しかし、有力な幹部たちは軒並み粛清された。
 ボゴ・ファグドに付き従っていた幹部も、ギュラバイオンに付き従っていた幹部も、殺されている。
 反逆を警戒していると言う事もあるが、物質的な取り分が減少する事や権力のポストが増える事に対する反発でも有った。
 そんな訳で、ヘルグラム軍に敵対していた幹部クラスの連中は粛清される。
 当然だ。
 
 おかしいのは、俺の立場が悪くなっているって事。
 おかしいよなぁ?
 統一戦争の一番の功労者は俺だよなぁ?
 俺は魔王になったヘルグラムと同じかそれ以上の功績を上げている。
 ヘルグラムは俺のおかげで魔王になれたも同然だ。
 それなのに魔族の連中は揃いも揃ってヘルグラムを支持している。
 
「おかしいだろうがっ!!」

 俺はヘルグラムの統一宣言の布告をする日に叫んだ。
 今からヘルグラムは新首都・ヘルリングに各地から集結した魔族に対して統一戦争の終結を宣言する。
 ヘルグラムこそが唯一絶対の魔王だと内外に示すのだ。
 その重要な宣言の数時間前に内紛など起こしては統一戦争に費やした時間と労力、人的資源 (人的資源というか、正確に表現すると『魔族的資源』か?)が水泡に帰すかも知れない。
 つまり俺の主張を無碍には出来ないし、俺を殺したり幽閉したりするような事も物理的な問題は勿論、政治的にも不可能となる。
 
「おかしいだと?一体なにがだ?言ってみろ!」

 あれ?おかしいぞ。
 ヘルグラムも強気だ。
 まあ良い。どうせ後には引けないんだから。俺もヘルグラムも。

「なにがだと?とぼけんなよ!全部に決まってんだろうがっ!!この統一戦争の立役者は俺だぞ!お前は確かに魔王の内の一体、ボゴ・ファグドを倒したけどなァ、俺だってもう一体の魔王ギュラバイオンを倒してるんだ!
 俺はお前と対等だろうが!どう少なく見積もっても、最低でも二番手だろうが!なんで俺が幹部筆頭じゃないんだよ!!」

 俺とヘルグラムが口論している様子に周囲の魔族は怯えきっている。
 幹部クラスの連中もだ。
 それも当然と言えば当然だ。
 俺とヘルグラムが戦えば、巻き添えを食らって死ぬだろうからな。
 実力的に言えば、現在の魔族の中で俺は間違いなく二本の指に入る力を持っている。
 正確に表現すれば俺は魔力を持った人間だから魔族じゃ無いけど。
 と言うか、俺は俺が一番強いのではないかと密かに思っていた。
 ヘルグラムと戦う事も最悪には分類されない状況だと考える。
 
「ソウタが我と対等では無いか?なぜソウタが二番手では無いのか?考えるまでも無かろう。お前は我が召喚した『使い魔』なのだから」

 ガガーン!!!

 青天の霹靂。
 こ、こいつ、俺の事をそんな風に思ってやがったのか!?
 いや、下っ端の時代ならともかく、魔王を討伐した今の俺は明らかに使い魔レベルには収まらない。

「プフッ」
「ククク」

 俺の下っ端時代を知っている幹部クラスの連中は小さく笑いを零す。

 ギロッ!

 俺がそいつ等を睨み付けると、黙って縮こまった。
 
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