魔王軍を追放されたから人間側につくことにした

人羊ゲーム

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新たなる街

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俺はグランマーレという王国にいたらしい。

 その辺境の辺境、地図にも載らない町がジャムナの町だったのだ。

 俺とイリスは王都プリマロッサへ向かっている。

 イリスはジャムナの町の事以外知らなかったので町長に聞いた。

 とはいえ町長もグランマーレ王国の事以外はほとんど知らないらしい。

 だから俺は王都プリマロッサで情報収集を行う。




 

 しかし直接王都プリマロッサに行くには遠い。

 俺一人ならなんら問題無いがイリスも当然連れて行くのだから人間に合わせた速度で移動しなければ。

 それに、人間の中で噂になれば魔族にも所在が割れてしまうかもしれない。

 だから俺とイリスは一番近い街を目指す。







 そんな訳で俺とイリスは馬車に揺られていた。

 イリスは生まれて初めての馬車に心躍らせたが、馬車の揺れに酔い俺の右手を強く握りしめている。

 少し顔色が悪い。




「止めてくれ」




 俺は御者に声をかけ馬車を止めさせる。

 盗賊から巻き上げた金銭や金品が有るから余裕をもって行動できた。

 ジャムナの町は自給自足で地図にも載っていないから納税も免れている。

 現世での脱税は断固として反対する立場だったが、ジャムナの町はインフラ整備などの恩恵とも無縁の正真正銘の自給自足だから非難できない。

 だから遠慮なく盗賊から没収した金を持ってくる事が出来た。




「大丈夫か?顔色が良くないぞ。少し降りて休憩しよう」




 俺はイリスの手を引き馬車から降りるエスコートをする。




「申し訳ありません、ソウタさま……」

「いや、良いんだ。俺がイリスに付いてきて欲しいから無理をさせてしまった」




 近くの岩に腰掛けてイリスの背中をさすった。

 この辺りは田舎だから空気が澄んでいる。

 心地いい。







 ゆったりと流れる時を満喫していると、イリスはすっと立ち上がった。




「復活しました!いきましょう、ソウタさま!」




 俺はふふっと笑い、再び二人で馬車に乗る。




「ところで、これから向かう街はどんなところなんだ?」




 俺は御者に訊ねた。




「へい、今向かってるローレンワールの街はこの辺りでは一番活気のある街でして。旦那たちの期待に応える規模なのは間違いありやせん」

「ふむ、そうか」

「ただ……」

「ただ、なんだ?」

「つい最近から、騎士団の御一行が滞在されてやして……」

「ほう、騎士団。で、それが一体なんだと言うんだ?」

「い、いえ、なんでもありやせん。忘れて下せえ」




 御者の顔は見えないが、声色から感情の変化は読み取れる。

 厄介なことに巻き込まれなければ良いが。




「そっ、それよりもほら、旦那!見えやしたよ!あれがローレンワールの街でやす!」




 俺とイリスは馬車の窓から身を乗り出してローレンワールの街を見た。




「わあっ」




 イリスは感嘆の声を上げる。




「ほお」




 確かにローレンワールの街は活気を呈していた。遠目からでも分かるほどに。
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