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しおりを挟む「春馬~俺のこと、本当に好き?」
「好きだよ。」
「ほんと?」
「うん。」
嘘だよね。
俺はしってるよ。
春馬の言葉なんて信じられない。
いや、春馬を信じてないわけじゃなくて
ただ本当に好かれてなかった時の気持ちの保険で素直になれないだけでさ
「本当に好きだから心配しないで。」
春馬はそう言って俺にキスしてくれる。
「…………」
(それだけ?)
春馬とは幼馴染で小学校、中学校、高校、大学、会社も同じだ。
学校では常に成績上位で大学も俺とは偏差値が倍違う学部に所属していた。
会社も何故か春馬と一緒になったし、これは運命だと感じて俺は春馬に告白した。
その、告白って言っても飲み会で泥酔していたからあんま記憶はないけど春馬から”大輔から告白してきたんだよ。”って言われたから多分そうなんだろう。
ぶっちゃけ、春馬は会社でも女社員の憧れで恋愛対象だし、俺ら男から見ても春馬は頼りになる好感度マシマシな人物像だ。
(そんな人と今付き合えてるの……幸せ……)
だけど、これ以上にないハイスペック春馬ならいつ俺を振ってもおかしくない。
俺が不安になるとキスをしてくれて、優しく抱きしめてくれるけど……俺はそんなのじゃ信用できない。
不安で不安で辛い。
たまに春馬に捨てられる夢をみる。
これが現実になると俺は自殺すると思う。
「……………」
春馬は今パソコンで溜まっている仕事をしている。
(……そうだ。)
春馬を嫉妬させてみようかな。
俺の女友達と一緒にいるところを春馬に見せて、どういう反応をするか試してみよう。
これで……春馬が焦ったり怒ったりしたらまだ俺を好きでいる根拠にもなる。
休日なのに俺じゃなくてパソコンと向き合ってる春馬がどう考えても悪いよ。
(普通、休日って恋人と甘々に過ごすものだろ?)
そうと決まったら、さっそく”結衣”に連絡だ。
「大輔、何処か行くの?」
「友達と遊んでくる。」
「そっか。ご飯食べてくるの?」
「うん。遅くまで遊ぶから今日は夜ご飯いらないよ。」
「了解。気をつけてね。」
春馬はそう言ってすぐにパソコンのほうへ向かった。
「…………」
(え?遅くまで遊ぶって言ったのに心配してくれないの?)
“気をつけてね”じゃなくて他にもっと言葉があるだろ?!
「……俺って愛されてないのかな……」
小さく漏らした言葉は春馬にどうせ届かない。
別れる気は無いのに別れたいと思ってしまう。
自分の存在理由が要らないと思ってしまう。
「……いってきます。」
一応、大きな声でそう言ったけどやっぱり春馬に届かない。
(仕事中だもんね……)
明日も仕事あるし、春馬には”遅くなる”って言ったけど早めに帰ろうかな………
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