4 / 13
3
しおりを挟む「ただいまー………」
既に暗い家の中。
(春馬は……もう寝たのかな……)
静かに部屋の扉を開けてみると、春馬はまだパソコン作業をしている。
(その資料……期限近いんだっけ……手伝いたいけど部署が違うから何もできない……)
こんな状態じゃ春馬に話しかけれない。
(仕方ないから風呂にでも入って、あとで春馬に今日のこと話そ……)
静かに扉を閉めた後に浴室へ向かうと、タオルの上に春馬のスマホがある。
「えっ……?」
どうしてここにあるのか疑問に思う。
だって、普通スマホって自分の部屋とか目の届くところに置くよな?
(置き忘れかな……)
とりあえず、春馬がわかりやすいところに置いておくか……
………
……………
(…………)
少し、スマホの中身が気になる。
(春馬は社内の女に人気だから変な虫が湧いてそうで嫌だ……)
それで……毎日DMを送り合ってる仲だったらどうしよう………
俺だって、結衣と話したりしてるけど……俺は春馬が世界で1番大好きだから問題はない。
春馬は?
春馬は……俺のこと好きっていう保証はないし、浮気しててもおかしないよな?
「っ……はるまっ……ううっ……」
そんなことを考えてしまう俺が醜くて、何故か涙が溢れてしまう。
(春馬は何もしてないのに……俺が嫉妬してどうするんだよ……)
もう0時をまわっている。
早くて寝たほうがいいって分かってるのに、俺は春馬のことが信用できなくて、春馬のスマホの中身を見ようか躊躇している。
(恋人だし……確認ってするものだよな?でもでも、勝手にみるのはさすがに春馬に嫌われるよな……)
春馬に嫌われるくらいならスマホの中身を見ない。
……だけど、春馬は俺のことを好きじゃない可能性だってある。
もう、すでに嫌われているならスマホの中身を見たって問題はないよな?
(…………)
ロック画面は俺と春馬の幼少期の写真。
これは小学生の時、一緒にスキーをした写真だ。
(懐かしい……まだ、俺との写真を残してくれてるんだ……)
それだけでも想いでいっぱいになる。
だけど……まだ俺の心配は消えない。
まだ、俺の気持ちは安心で溢れない。
(春馬のパスワード……)
こんなのは簡単だ。
いつも春馬のパスワードは春馬が操作する手ごと暗記している。
ほら、簡単に開いた。
(それに……パスワードも俺の誕生日だし……)
ほんとうに……俺のこと好きなのかな……?
なんか、変に頬の筋肉が緩む………
(というか……本当に好きなら、恋人を不安にさせるほうが悪くね?)
そうだ。
休日にパソコンばっかり見て、俺に構わない春馬が悪い。
だから、俺のこの行為は間違っていない。
なので……
(DMを開いてみよう………)
『私も大好きです♡』
19
あなたにおすすめの小説
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
気づいたらスパダリの部屋で繭になってた話
米山のら
BL
鎌倉で静かにリモート生活を送る俺は、極度のあがり症。
子どものころ高い声をからかわれたトラウマが原因で、人と話すのが苦手だ。
そんな俺が、月に一度の出社日に出会ったのは、仕事も見た目も完璧なのに、なぜか異常に距離が近い謎のスパダリ。
気づけば荷物ごとドナドナされて、たどり着いたのは最上階の部屋。
「おいで」
……その優しさ、むしろ怖いんですけど!?
これは、殻に閉じこもっていた俺が、“繭”という名の執着にじわじわと絡め取られていく話。
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
【BL】寸劇
のらねことすていぬ
BL
偶然知り合った大人の男、伊佐島にどうしようもなく惚れてしまったフリーターの受け。泣き落としで付き合ってもらうことになったけど、彼が自分のことを好きだとは到底思えない。悩むことに疲れて別れることを決意するが、彼は他に男ができたと勘違いして……? すれ違っている二人の別れ話→ハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる