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しおりを挟む暫く春馬を外に出してない。
俺に抵抗する様子も無くなった。
たまに春馬が可哀想に思う。
ずっと、みんなの憧れだった春馬が平凡な俺に逆らえない姿を見て同情してしまう。
だけど 止められない。
ここで 止めてしまったら
春馬は逃げてしまうから。
「春馬ぁ……俺のこと好き?」
「…………」
言って
「春馬……”【say】”」
「………好き。」
「俺もだよー♡はーるま……」
知ってる。
本当は俺のこと好きじゃないって。
本当の事を言ってもらうことはできる。
だけど、それで傷つきたくない。
あの女の顔が脳裏に浮かぶ
死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね………
死ね。
「俺と、離れたいなんて言わないでね。」
俺はそう言い、春馬の目を見つめる。
春馬は相変わらず無愛想。
でもそんなところも好き。
「幸せだねぇ。」
そんな、ヒトリゴトを呟いた時
春馬は初めて嘘の無い笑みを浮かべた。
E N D
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